その執事、仮装。
黒執事の二次創作です。お嬢様となってお楽しみください。2009年のクリスマスに書いたお話。
なぜ
私は
こんな格好をしているのでしょう?
「うわぁ、セバスチャン、いつもの燕尾服も素敵だけど、サンタクロースの格好も素敵よ!」
「…バカも休み休み言えとは言いますが、まだ気が済みませんか、お嬢様?」
実は朝からなのだ。お嬢様のむちゃぶりは。
今朝、雪が降っているのを見つけた途端、犬のように庭を駆け回る姿は、尻尾が見えるようでした。まぁ、そんな有様ですから、風邪の心配はしてませんが。ほら、言うでしょう?バカはなんたら…って。
お昼は、突然お嬢様がもみの木を飾りたいと言い出したため、寒い中庭へ。フィニに頼んだものの、倒す木の本数が両手に納まらなくなったので、しょうがなく私がチェーンソーを振るわせていただきました。その横では雪合戦が繰り広げられておりますし。…私の予定は狂いっぱなしです。
そして、先程からお嬢様はツリーの飾り付けを始めたのですが。
なぜ、私がこのような格好を。
しかも
口元がモフモフするんですが。
「…お嬢様、ご命令くださればフィンランドから本物のサンタクロースをお呼びいたしましたのに。」
「だっておもしろいじゃない、セバスチャンがサンタなんて(笑)」
…これは
お仕置き、が必要ですね。
「うわぁ、ごめんなさい!セバスチャン!!私が悪かったからー!!この寒さの中、新聞紙1枚で寝ろなんて言わないでー!!」
「今宵はホワイトクリスマスですから、外にいらっしゃるお嬢様の声がきれいに響いてらっしゃいますよ?」
「おにー!!」
「何仰ってるんですか。私はあくまで、執事ですから。」
「そういう問題じゃなーいっ!!」
ドアを叩くお嬢様が開けられないように、ドアの内側で、ドアに背をもたれて会話をする。すると、お嬢様も少し疲れたのか、背をドアにもたれさせる音がした。
「ねぇ…セバスチャン。」
「お仕置きなので、まだ開けませ…」
「聞こえる?雪の音だよ」
「…朝、昼と散々聞いたじゃないですか」
「ううん、雪の降る音。」
「降る音、ですか。」
「外に出てこない?一緒に雪、見よ?」
さっきまでとは違う、穏やかな声に導かれ、ドアを開けた。すぐに冷たい空気が頬を掠め、一瞬目を閉じるが、それからゆっくりと目を開くとそこには粉雪がゆっくりと舞い降りているのだった。
「きれいですね。」
「うん…。」
「…」
「…」
「…」
「…ちょっと。」
「はい?」
「そこで少女マンガだったら、『でも、君の方がきれいだよ。』って言うべきところでしょー!?」
「申し訳ありません、心にもないことを言う趣味はございませんので。」
「もう、セバスチャンっ!!」
「ふっ」
「やっと、笑った。」
「え?」
「今日、セバスチャンを私が楽しむのに巻き込んじゃったから、楽しくないのかなぁって思ってたんだ。」
「そんなこと気にしてらしたんですか。いつものことじゃないですか。」
「…うん、ありがとう。」
「今日ってもともとはキリスト、神様の誕生日じゃない?だから、セバスチャンは嫌な日かもしれないって思ってた。」
「そうですね。」
「だからね」
前を向いてたお嬢様がこちらに振り向く。
「私が今日をセバスチャンにとって幸せな日にしたいなって。」
「…え?」
突然の笑顔に、思考が停止する。
「きっとね、どんな日でも楽しくて思い出に残る日に変えられると思うんだ。私も嫌なことがあっても、セバスチャンといるだけですごく幸せになれて、大切な日になるから。」
「お嬢様…」
「だから、今日はみんなでいっぱい遊んだし、セバスチャンにもサンタクロースになってもらった。忘れられない、大切な日になったでしょう?」
そうか。
ただふざけてるだけかと思ったが、お嬢様はお嬢様なりに考えてくださったのだ。
…まったく、お嬢様は。
お嬢様の方を向かずにお嬢様の手を取る。
「えっ?えっ!?セバスチャン!?」
「今だけ、ですからね。」
「…うんっ!」
「さぁ、中に入りましょう?お体が冷えてしまいます」
「はーい!」
Merry Christmas...
For You.
その執事、仮装。
※ブログの内容を一部除きそのまま載せてます。
メリークリスマース!!
…2日目(笑)
みなさん、素敵なクリスマスをお過ごしですか?o(^-^)o
私は昨日、家族とモスチキンを食べましたよ!(*^_^*)
さてさて、またもや自己満あとがきを書いていきま~す!!
まずはセバスチャン!
…サンタにしちゃった