ある青年の一夏の物語。
どうも、初めまして!昴流(すばる)です。
今回が初めての小説投稿となります!低文章力、低クオでお送りしております。オリジナルの小説ということで、ちょっと話が分からないかもですが、大丈夫とおもわれますww
昔のこと。
「はっ…うっ…けほっ」
僕は一人きりの部屋で鳴咽を漏らしていた。
突発性発作。医者にはそういわれた。僕の足の枷(かせ)となっている「或る事」を思い出したり、深く頭で追求しようとすると起きてしまうものだった。だからもちろん、写真等は僕が自分で自分の目につかない所に置くようにしている。とにかく、「あの子」のことは思い出してはいけない、と僕は思い続けていた。
「な…んっで…あんなに…似てるんだよっ…げほっ…」
そして、そう思い続けて2年。僕の前に思わぬ容姿をした人が現れてしまったのだった。
ーあれは、僕が小学4年生かそこらの頃の蒸し暑い夏の日だった。新緑の香りに包まれ、今日も僕は「独り」で窓の外を眺め続けていた。ふと、クラスメイトの方に目をやった。たくさんの女子が一つの机と一人の生徒と楽しそうにしゃべっている。
取り囲まれているその女の子は、本を読みながら「うん、そうだね、うん…」と微笑み、相槌を打っていた。
その子の容姿は茶色がかったセミロングの髪、服についている鮮やかな色のリボン、そして長く綺麗なまつ毛という、なんとも現実味のない美少女だった。
僕は彼女を一瞥すると、また窓に向き直った。僕には遠すぎる存在だと思っていた。
そして放課後を知らせるチャイムと共に、生徒が一斉に下校してゆく。
僕は喧騒や人ごみが得意ではないので、生徒がある程度いなくなるのを頬杖をつきながら待っていた。そして、軽快な靴音がこちらへ向かってくる。僕の列は出口へ行く時通らなければならない通路なので、別に気にも留めず、そっぽを向いていた。
「あなた、月斗君だよね?話、聞いてくれるかな…?」
高く澄んだ声。静寂の中、小鳥のさえずりのような甘い声が聞こえた瞬間僕はそちらを振り向いた。
「…そうだけど…何か僕に用でもあるのかな?出来れば手短に…お願いしたいんだけど…」
僕はこのクラスの人と初めてしゃべった。僕が自ら話しかけようとすると、みんな体をビクッとさせて逃げてしまった。なのに彼女は怯える素振りも見せず、ただ薄い微笑みを浮かべて佇むだけであった。
「あ、じゃあ…もう一言でいっちゃうね!」
ヤケに恥ずかしそうに下にうつむき、すぐバッとこちらを真剣に見つめた。
「私と…お友達になってくれないかな?」
僕は彼女の言葉の意図が読み取れなかった。気付いてハッと彼女を凝視すると、彼女は笑顔で赤く頬を染めた。
「そう、名前教えてなかったね。私は優葉。宜しく、ね!!」
彼女の名前は優葉といった。優葉は僕にとって疎ましく、愛おしい存在となっていったんだ。
「君は、月村月斗(げっと)君…よね?」
あんなことが起きるまでは。
忘れもしない、8/21の放課後。
僕と優葉は雑談などをしながら、2階へと続く階段に差し掛かったその時。誰かが、優葉を、突き落とした。
僕は状況がつかめず、彼女が救いを求めた手のひらを掴むことが出来なかった。
そこであっけなく優葉は亡くなってしまった。僕は自分を憎んだ。何故、助けてあげれなかったのか。何故あの手を掴むことが出来なかったのか。
遠くから「あの声」がした。
「ならばこれを貴様に、あげようじゃないか。」
ある青年の一夏の物語。