僕と彼女の話2
僕と彼女の話2
「ねえねえ、私普段と違うところない?」
彼女は僕を振り返りいう。
ニコニコしている。
彼女を正面にしてみる。
普段と・・・違う・・・。
「んーっとねえ・・・。」
僕は考える。
前回あった彼女の顔を思い浮かべる。
どこだろうか、髪型・・・服装・・・。
「えー、分からないの?」
彼女は不満そうに僕から視線を外す。
「いやいや、わからないとは言ってないだろ。」
なんとか時間を稼ごうとする。
「ふーん、そうなの、じゃあどこ?」
彼女が嬉しそうに振り返る。
「えっとねえ、髪が・・・」
「え?髪?」
彼女がびっくりしたようなリアクションをする。
これは外れか。
「あ、いや髪じゃなくて・・・」
「髪じゃなくて?」
だめだ降参だ。
「すみません、ごめんなさいわからないです。」
ぼくは正直に彼女に謝罪する。
彼女はとても、とても残念そうな顔をして、僕に背を向け
「残念でした、変わったところなんてありません!」
彼女はぺろっと舌を出して振り返る。
「え?なにそれどういうこと?」
僕は少し苛立ちながら戸惑う。
「謙虚さを試すテストよ。わからないことをわからないって言えることは大事よ。」
彼女は悪びれた様子もなく言う。
「とういうことは僕はそのテスト合格なのかな?」
僕はすこし得意気にいう。
「あら、ごまかそうとしたから及第点ね。」
なかなかに厳しい判定だった。
僕と彼女の話2