夜に舞う蝶たち
夜の蝶が今夜も誰かを悩ませる
そっと音を立てず近づき
男達の蜜を吸う
男達は蝶に自分の蜜を舐めてもらい
ホッと安堵の表情を浮かべる
すでに毒牙に犯されてるとも知らず
あくる日もまた、蝶に自分の蜜を舐めてもらいたくて
闇夜の世界に赴く男達
もう、あなたの探している蝶は
いないと闇夜の番人に告げられた
そんなの嘘だと自分に言い聞かせ
虚しく闇夜を彷徨う
やっと見つけたその蝶は姿、形は
同じでも
心は全く違った蝶に変わっていて
その男のことなどすっかり忘れていて
逆に近寄れば、毒蛾のごとく男を
責め立てる
焦った男達は優しく声を掛けてみる
何ら変わらず、毒蛾になった蝶は
男達に牙を向く
悲しさに打ちひしがれし男達
哀れに枯れゆく男達が
見渡せばいたるところで倒れている
夜の街では、そんなことが起きている
哀れな姿で男達が倒れる
夜に舞う蝶たち