色(仮)
人は誰もが自分の色を持っている。
他人と交わることで、新しい色やいろいろなものを生みだすことができる。
生みだされたものは、生みだした人の色を受け継ぐ。
そして人は、誰かに生みだされたものにふれることで、他人との交わりの中で、日々成長する。
成長すると、その人の色も日々変化していく。
また、人は誰しも自分と同じ色の色眼鏡をかけている。
だから自分を見失ったりする。
自分では見えていない面も多い。
他人の色に嫌悪感を抱くことがある。
時々自分には見えてすらいない人がいたりもする。
それが、お互いの色が変化することで好きになったり、見えるようになったりする。
毎日他人の違った面を発見することができる。
でも他人のことをすべて知るには自分の色を捨てなければならない。
つまり他人を完全に理解するのは不可能なのかもしれない。
それでも人は誰かと共に生きていく。
自分の色を持ったまま、自分の色眼鏡をかけたまま。
ときには相手が見えなくなり、ぶつかったりすることもあるだろう。
相手の変化について行けなくなることもあるだろう。
綺麗に交わることができなくなったりもするだろう。
自分の色を持っているが故に。
でもだからこそ、この世界はとても美しいのかもしれない。
色(仮)