肝だめし

肝だめし

「あーなんで私があんたと一緒なんだよ」
「しょうがないじゃん。女子の方が多いんだし」
「まぁ私は彼氏いるからいいけどさ」
「それよりさ、みさきんぐ、みなぴーとペアらしいよ」
「ちょ、まじで?みさきんいくしかないじゃん」
「長かったよねぇ。みさきんの片思い」
「あいつ私の前で泣いてるからね」
「いつ?」
「1年とき」
「あー田村先輩の時かぁ」
「俺もう無理。自害するとかってさぁ」
「みさきんはすぐ死ぬ死ぬって言うからね」
「ほんとだよ」
「あ、いいなタバコ。私もちょうだい」
「え、あんた吸うの?」
「家では無法地帯だよ。教師のくせになんも言わないの。
だけど表では絶対やめろって」
「だよねぇ」
「きっつこれ何mg?げ。6mgじゃん」
「兄貴がそれしか吸わないからこれなの」
「でもさーうちらなにやって・・・うっわびびった。
て小池かよ!殺すぞてめ」
「あんた相変わらず口悪いね」
「お前もなんだよ」
「てへへ」
「てへ!」
「それよかさぁ私模試の結果次第じゃ志望校変えなきゃなんないかも」
「えーそうなの?どこ狙ってんのよ」
「T大」
「げ!まじで?」
「はい西村お疲れお疲れー怖くないですからー」
「うん。だってやっぱ一流の大学には一流の教授が集まってるっしょ。
そういう人たちの授業受けてみたい」
「頑張るねぇ」
「あんたは?」
「私はニート決定だよ。もうなんもしたくないんだよね、ほんと」
「もったいないと思うけど。やれば?モデルとかさ」
「できるわけねーじゃん。こんな顔で」
「だよねー」
「どっちがいい?選べ」
「じゃあグゥで」
「こーいつぅ!」
「あはは。まじで痛いからやめて」
「でもかとせんも言ってるけど、
社会に出る奴は出て社会見るのもいいって。
あんたネイルとか好きじゃん。
そういうの合ってると思うけど」
「勉強したくないよ、もう」
「あ、ポイ捨てはいかんよ君!」
「あははかとせんかそれ」
「ちゃんと持って帰る!ほら、ゴール見えてきたぞ!」
「みさきんとみなぴーどうなったかなぁ」
「あとでみさきんに聞いてみよ」
「うまくいってほしいよね」
「ほんと、それだよ」
「最後の最後でお前かよ木村。怖くないし」
「ちょっとびびってたくせに」
「なんかみなぴー軍団はしゃいでない?」
「みさきんやりよったな」
「誰だよ」
「え、みさきん」
「あ、まじはしゃいでるわ。よかったー」
「ほんまお母ちゃん嬉しいわぁ」
「誰だよ」
「さぁ」




肝だめし

肝だめし

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-07-12

CC BY-NC-ND
原著作者の表示・非営利・改変禁止の条件で、作品の利用を許可します。

CC BY-NC-ND