かけら

初めての文章で 拙いところも多々あると思いますが
最後まで頑張って書いていきたいので
よろしくお願いします。

慣れない採血

慣れない採血

物心ついた頃からここにいる。
週に1度の採血にはもう泣かなくなった。

若くてかっこよかった先生も今じゃ優しいおじさん
最近めでたく院長になったようだ。

時間の経過以外は 只々 繰り返すだけの日々―――

あと何日で死ぬんだろう・・・?
俺の病気は決して治らない。
何が原因かなんて誰もがわからない、只々ずっと俺はこの病院で薬を飲んで 飲んで
回復を願うしかないんだ。



「龍くん 採血終わったよ」
本日めでたく730回目を超えた
「はい、やっぱりいてぇなー・・・」

「小さい頃なんてわんわん泣いて大変でしたよね 院長」
クスクスっと小さく看護婦さんが笑う
「そうだね でももう泣かなくなったね、偉い偉い」
俺の大好きな笑顔でそんなこと言うこのくそじじい 笑顔が好きなんて死んでも言わねぇけどさ

「うるせぇよ!いつまでもガキ扱いしてんじゃねー!俺もう部屋もどるからな!」
ちょっと嬉しかったりもするんだ、こんな楽しい会話。

まぁ、そうタンカを切ったとこで部屋に居てもすることなんてねぇんだけど
相部屋だった奴は3か月前に退院して今じゃ俺の1人部屋 天下ですは。

「うん、いいよ・・・あ、まって龍くん」
「・・・?」
ガサガサと何やら机の中を物色中の模様

「お、あったあった」
「・・・なん・・・ですか・・・?」
院長が取り出したのは 1枚の カルテ・・・

「実は龍くんに言わなきゃいけないことがあってね」
俺の返事を聞かずに次々と言葉を発していく院長 嫌だ 何だろう。


「龍くんの部屋、空いているでしょう?今日から新しい患者さんが来るからね」
「・・・は?」
安心したのと同時に俺は1つの問題点に気づく。

「え、ちょ・・・今日・・・?」
さっきも言ったとおり今じゃ俺の天下のマイルーム
俺のいる病棟は基本自己管理
移るわけでもなく、常に寝ていないといけないってわけでもない
至ってほかのやつらと変わらなく過ごせるんだ 眼の色と時折来る頭痛や痛み以外はなにも・・・

もともと掃除が得意じゃないので ルームメイトがいない今は・・・
おわかりですよね・・・

「え?何か問題でもあるのかな?」
先ほどの看護婦と一緒にくすくすニコニコ わかってるなら言うんじゃねえよ・・・
伝えるなら伝えるでもっと早く言えよ・・・!!!
「っ・・・・」
「患者さんなら15時に来るよ」
「・・・・掃除してくる!!!!!」

今は12時 3時間もあれば充分だ
「がんばってねー」
ひらひらと笑いながら手を振る院長をせに俺は全速力で部屋に戻った

「こら!走らないのー!」なんていう声が聞こえたけど無視をすることにした
なんたって俺の部屋はいま天下統一されててひどいことになってるんだから。





「終わった・・・」
時刻は14時30分 まぁ綺麗になっただろう
「男だろうし すぐ汚れるからこんなもんだよな!きれいにしてても居心地悪いだろうし」
そんなこと呟いて言い聞かせてると 病院の院内放送が鳴り響いた

「特別病棟 特別棟 01室 風見龍君 院長室までお願いします」
特別棟は特別の特別、俺んちがすげー金持ちってわけでもなくて。
本当に特別

「院長?何?掃除はもう完璧だぜ」
そんなこと言いながら入室 院長は軽く笑ってから俺に
「相部屋の子だけどね?」
「うん?」
何だろう そう思った刹那




「君と同じ病気の子だから 仲良くしてあげてね」

「え・・・?」

かけら

かけら

蒼眼は女の子朱眼は男の子 朱は蒼に恋をする。 環境の違うところで育った2人が病院で出会う この気持ちは何だろう 初めての感情に戸惑う朱眼 病状が進行するにつれ 自分に自信がなくなって 体が言うことを聞かなくて・・・ 目の前で泣いてる君を抱きしめることができないなんて。。。 ゆっくりゆっくりお互いが近づけたら 出会う場所が違ったら あたしたちはどうなっていたんだろう。 「俺海ってみたことないけど きっとお前みたいな綺麗な蒼い色してるんだろうな」 「そうだ 今度一緒に海を見よう? 青い青い海に沈む赤い赤い綺麗な夕日、とっても素敵だよ。」

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-07-11

CC BY-NC-ND
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