神秘

神秘が減ってきている
いつからだろうか

あのワトソンとクリックがDNAを発見してからか
あのアインシュタインが相対性理論で質量が膨大なエネルギーに転換できることを証明してからか
あのノーベル賞のノーベルがダイナマイトを発明してからか
それとももっと前の
狩猟をやめて農耕に従事してからか
石の鏃で獣を狩るようになってからか

自然界と生物の秘密の鍵をみつけ扉をあけて新たな摂理にふれる
人はその果実をたべつくすまでむさぼり
おなかいっぱいになってあきるとまた新たな鍵をさがす
そしてその止めどないくりかえし

新たな発見に人はよろこび価値を見つけるが
新たな破壊と荒廃もかならずついてくることには
あまり気をくばらず気がつかないふりをしている

この地球上に発現するものはすべて表裏があり
人がよいとおもって作りだしたものにも
かならず不都合なものもついてくる
いいものがふえたということは
同時にわるいこともおなじくらいふえているということ
大都会は人がつくったものがなんでもあって便利ですが
発生するいらないゴミもそこで処理できないくらい大量にでますもんね

自然の中に包含されて暮らしていた太古からいままで
人がつくりだしたものがどれくらいあるかというのは
夜空にみえる星の数より多いかも
その数の分だけこの世の神秘も確実に減っているはずですね
もうだいぶ減った感じです
もうそろそろ人がこの世に神秘がなくなったとかんじる日がくるかもしれません
知りつくしたとおもうと同時にもうこれ以上人が苦労して秘密の鍵をさがさなくなる日
だってめんどうくさいですもんね
そのためには勉強しないといけなし時間もかかるしお金もかかるし
そんなことにまともに付き合っていたら
それこそ人生を棒にするかもしれないっておもうかもしれないし
一回の人生でできないってあきらめるかも

でなにがおこるかかんがえてみると
たぶん人が人でなくなってしまうんだと
人が終わるんだと
人類が滅亡するんだ
とおもいます

人が人として実感できているときというのは
時間を忘れてなにかを発見をしたり発明しているとか
それを将来実現するために勉強したりお金ためたりして一生懸命になっているとか
今自分が知り得る世界の範囲をこえて新しい世界に入ろうと努力しているときではないかと

そうかんがえると
もうあらたな世界はないとおもった瞬間から
秘密の鍵はもうみつけるひつようがなくなってしまいます
世の中はもうすべて知り尽くされたものばかりで
なにかあたらしいものを作ろうとおもっても使い古したパーツを集めて組み立てることしかなくなり
そこから生まれる物や思考のバリエーションにも限りができてしまう
ふつうの人が喜んでほしいとおもうようなあたらしいものはもう創造のしようがないんですね

嫌ですねそんな世界
脳みそが腐ってしまいそうで
人でなくロボットが街を跋扈してそうです

神秘なくして人は生きられないということです
そんなネイティブアメリカンの言葉があったはずです
世の中には
知らないことがあって
不思議なことがあって
どうしてもわからないことがあって
人の世です

知らないことがあっていいんです
不思議なことがあっていいんです
どうしてもわからないことがあっていいんです

どうか神秘がいつまでもあり続けますように

神秘

神秘

神秘ってなんだろう?それっていつまでもあるのかな?とかんがえてみました。世の不思議、大事にしたいものです。

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-07-11

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