Xmasの夜に.... 下

皆さん、Xmasの夜に...上を見てくださったでしょうか。

上の続きと兼ねまして、下を書かせていただきました。

今日はちょうどクリスマスです。

ほのか、里奈、光の3人の構成は変わりませんが、上とは違う展開になってきています。

*失恋・・・?*

あれからすぐに返信が来た。

ーこちらこそ、ダメもとで言った交換が出来て嬉しいよ。

Xmas?まぁイブなら良いよ。どこで待ち合わせしようか...

ちなみに、オレの名前は光。君はほのかって言うんだっけ?

オレ、妹がいるんだよ。事情があってあえてないんだけどね。ほのかって兄弟いるの?



返信が来た事だけでも嬉しかった。光君、妹いるんだ!事情って何だろう?

しかもXmasのOKまでしてもらえるなんて!

もう嬉しいことと疑問ばかり!

まさに天にも昇る心地・・・だったんだけど、だったんだけど。



「ほのか?」ひっ。声が出そうになっちゃった・・・

あれから数日後。里奈に下校中、声をかけられた。


「あっ!里奈~」わざと明るく振舞う。


「あっ!里奈~じゃないでしょっ?!あの後、どうなったのよ!しっかり話してよ」

仕方なく私の出会い劇を話した。

光君に会った事、メアド交換をした事、Xmasに会う約束になった事・・・

話し終わると里奈は青ざめたように気分が悪くなっていた。

「ちょ、里奈、どうしたの?」

「あ、あのさそのひ、光君ってコ?苗字何・・?」

なぜ苗字を聞くのだろうと不審に思いつつも光君に電話して聞いてみた。

すると・・・「見月だよ。」

そう答えてくれた。「ありがとうね!」私はドキドキする心臓を抑えつつ、別れを告げた。


「見月っていうんだって。見月 光かぁ~良い名前。」

そう嘆いていると、里奈が突然泣き出した。


「え、里奈?どうしたの?里奈?!」

「それ・・・私のお父さんの子供だよ」

泣きじゃくりながら、でもしっかりした里奈の声が心臓にずしんと重い。

「お、お父さんの子供って・・」

里奈の家庭状況は、少し知っていた。里奈のお母さんとお父さんは里奈が2歳の時、離婚したらしい。


それまで里奈の苗字は確か・・・「見月」だったはずだ。

「私、お父さんに子供できたこと、知ってたんだ。男の子って事は知らなかったけど、名前は知ってた。」


そんなつらい過去があるなんて。知ってても知らないふりしてたからこそ傷つけちゃった。

「ごめんね、里奈。もうこの話はしないからね。ね?」


私は謝罪の気持ちでいっぱいだった。



それから里奈もメソメソしていてはダメだと帰り、私も宿題を済ませた時間帯だった。

携帯の振動が机に響き渡る。画面を開くと、光君からだった。

ー今日、何で苗字なんて聞いたの?すごく焦ってるみたいだったけど・・・?

後、Xmasはショッピングモールでいいかな。俺たちが出会った場所で。


里奈を苦しめた人物にも一応関係あるという見方で見ると、光君も苦しい立場にいるのかもしれない。

私は正直に話すのは気が気でならないので遠回りにいう事にした。


ー光君のお父さんに関係あるコがいてね、光君の苗字を知りたかったみたいなの。


迷惑かけた?ごめんね。後、XmasはOkだよ!楽しみにしてるっ。


最初の1行に迷って、いつもメールを打つ時間の倍かかってしまった。


すると、すぐ返事が来た


ーへぇ。それって、もしかして里奈ちゃん?だったりしない?


知らなかったらいいんだけど。


ギクッ。ばればれ?とりあえず里奈に今の状況を伝えた。

「私の名前は勝手に使ってよ。なんかお父さんのことで振り回されるの馬鹿みたいになってきたから。」


予想以外の返事で、私は正直に話す事にした。


ー実は里奈なの。里奈は私の友達で光君の存在も知ってる。

だからこそ、お父さんが憎い。って言ってる。

光君は自分のお母さんと里奈のお父さんが結婚する事に迷いとか不安はなかったの?



ーやっぱり、里奈ちゃんか。僕も里奈ちゃんの存在を知ってたんだ。

ちょっと気になってたりもした。

もちろん、不安もあったし、家族になれないような気もした。だけど、今は可愛がってもらってるんだ。


気になってたりもした。10文字の言葉がひっかかるけど、すぐさま返信を打った。

ーへぇ~。里奈って性格もしっかりしてるし、良いコだし。

お二人、お似合いだよっ。Xmas会ってみたら?


返信・・・・しないつもりだったのに!イスに不安定な格好で座っていたため、転げそうになった反動で指が動いた!

あーあ。もう馬鹿。何でXmasに会ってみたら?なんていうの・・・。

いつもこう。偽善者ぶる、他人の幸せ喜べない最低な人間。


ーえ?そうかな・・・。俺、会ってみたいな。Xmasにでも。

連絡先教えてよ!楽しみだ^^


Xmasって・・・。私が誘ったときはイブじゃないといけないって言わなかったっけ?


ー分かった。ここ連絡先だよ→電話.......メアド........


ここでメールが来なくなった。

今ごろ、里奈と盛り上がってるんだろう。

明日学校で聞いてみようかな・・・

私は眠気に襲われていた。



「ふぁー!」

いつもより早い目覚め。

今日は23日。明日はいよいよ光君と会うんだ!


・・・にしても光君から連絡はアレからない。

あの日の翌日も里奈に聞こうと決めたのに、なにやらそっけなくて聞けずじまい。


とにかく、明日は会えるし。服でも決めよっかな。


ワンピースだと甘すぎるよね。ファーのケープとかあるけど、パーティーじゃあるまいし。

ショーパンだと寒いし。タイツはいって行ったらいいんだろうけど、まともなものがない。


1時間以上考えて、テーラージャケットにクロのスカート、チェックのタイツというロックな格好で参戦する事にした。


あ!光君からだ。何日ぶりの連絡だろう?


ーあのさ俺、里奈とXmas過ごすから。あの予定ドタキャンで良い?

里奈、めっちゃ良いコ!やっぱり血の繋がりってあるのかな。

話も合うし、付き合い始めたんだ。あの時、ほのか?(だったっけ)が連絡先教えてくれなかったら運命は違ってたかも。

感謝してるよ!


え?いまさら何?付き合い始めた?里奈?ほのかだったっけ?感謝してる?ドタキャン・・・


泣きたい。崩れたい。このまま消えてなくなれば良いんだ。


明日、あの出会った場所に光君は来ない。分かってる。


でも翌日、私はあの場所に立っていた。あの十字架のイヤリングを持って。

分かってる。でも来るような気がして。


あれから連絡が取れないんだ。携帯変えたのかな?メアド変えたのかもね。

もう縁は切らなきゃいけないね。

すると懐かしい顔がこちらへ向いて歩いてくる。


「・・・光君?」

小さい声だけど、大きな勇気をありったけに集めた。


光君は、私の目の前を通り過ぎ・・・


可愛い女の子の手を繋いだ。里奈だ。里奈は白いコートに長いブーツを履いて、髪はお団子、メイクはばっちり・・・


あのもみの木のイヤリングもしていた。


楽しそうにあちらへ向かっていく二人は悔しいけど、悲しいけど、空しいけど・・・


お似合いだった。


ふと吹き抜けの館内の上を見る。


青々しい空は、いつもと同じだった。

Xmasの夜に.... 下

どうでしたか。

実はですね、ほのかは十字架のイヤリングを買ってたじゃないですか。

無事にXmasイブに会い、イヤリングを渡すところで・・・里奈が登場して告白し、二人で歩くのを見送る・・・

という設定だったんですけども(笑)あまりにも切なすぎて少し変えました。

未熟でおかしい面もあると思うんですが、見ていただいて感謝です。

Xmasの夜に.... 下

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2011-12-25

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted