The kingdom of bare feet ・・・「歌舞伎町」編

SHOP「TABF」

俺は内装工事が終わったばかりのテナントのシャッターを開けた

「Bare-feet specialty store 『TABF』」

生足、特に裸足フェチの俺が俺のフェチ心を満足させる為だけに作った店だった

「トラックは早くても十時過ぎになるみたいです」

茶色い髪をショートカットにした女性はそう言うと俺に続いて店内に入った

「なんか夢みたいです・・・再びこうして1つの店の店長になれるなんて」

「この1ヶ月見てて分かったよ、翼さんは運がなかっただけなんだって」

そういう俺に翼は抱きついて来た

「感謝しています・・・「ご主人様」」

モデルの様に背の高い翼ではあるが178の身長の俺とは丁度良い身長差だった


1ヶ月前・・・

「私が・・・ですか?」

歌舞伎町にあるクラブ「68」紅いミニのドレスを着た翼は店長を前に戸惑った顔をしていた

「上手く決めれば神宮社長が借金減額してくれるってさ・・・チャンス・・・なんじゃないかな?」

俺がこの舞台裏の事情を知っているのはなんて事もなく「色々な方法」で知り得たからだった

もしかしたら間違っているかもしれない、でもこの作品ではこれが「真実」だ


「お待たせしましたカナです」

そう言って隣に座った翼は明らかに緊張していた

俺の居る「68」のVIPルームは少し特殊で殆ど外から中を伺う事は出来なかった

それはこの店のキャストが少々特殊な事情を抱え、特殊な「システム」があるからだった

「気になる?」

俺は翼がチラチラテーブルの上に詰まれた「モノ」を見ているのに気づいていた

「まぁ・・・あまり見られるものじゃないですし・・・」

翼は緊張をほぐす様にウーロン茶を一口飲んだ

「俺もまだ見慣れないよ・・・何せ先月まで・・・・だったからね」

「え?でもこのお金・・・」

「奪い取ったんだよ「ある人物」から・・・」

Inversion

「奪い取った?」

「詳しくは言えないけどね・・・今俺は100億円持ってる」

「凄いですね・・・」

翼の食いつきは悪かった・・・実際100億以上はあったんだがキリが良い数字だったから言った

だけだし、成金だから食いつき悪い気もしたが・・・

「ノブレス・オブリージュって言葉を知ってる?」

「いえ・・・」

翼は空になった俺のグラスに新しい水割りを作り始めた、実際この手の話で優越感に浸る

成金は多いのだろう

「身分の高い者はそれに応じて果たさねばならぬ社会的責任と義務がある、そういう考え方だよ」

「素敵ですね、もし皆がそう思えていたなら・・・」

翼はグラスをコースターの上に置いた

「俺はこの金で王国を作りたいんだよ・・・そして従順である者にはそれ相応の見返りを与える・・・

誰もがすくわれる関係を作る・・・」

傍から見れば厨二病を患った成金そのものの言葉だった

「話は社長から聞いてるよ・・・どうだ?「入国審査」受けてみるかい?」

翼の動きが止まった

HOTEL「H」

都庁近くにある高級HOTEL「H」そこのスィートルームに俺と翼は居た

「駅ビル「L」一階の2店舗をぶち抜きで借り上げた、もう内装工事に入ってる、時間がないんだ」

普段着の翼は「68」で見せる顔とは違い少し年齢より若く見えた

「あの・・・一体・・・」

不動産の物件シートを渡され翼は大いに戸惑っていた

「翼さんにはこの店の店長を任せたい」

応接セットの椅子に座ると俺は近くのスーツケースから札束を出すと疑いながらソファに座った翼の前に置いた

「これは話を聞いて貰う貴女の時間の購入代金と口止め料」

「え?」

翼は明らかに戸惑っていた

「あの・・・店長って言っても私お店潰してますし・・・」

「だからだよ・・・俺は患者を死なせてない医者は信用出来ないんだよ」

「でも・・・」

「引き受けてくれるなら借金は俺が返すよ、ただし・・・」

Sacrifice

「あの・・・」

何事にも「間の悪い人」って居るのだろう

玲奈が店を訪れた時は什器やら商品が搬入されている時間帯だった

いや正確に言うなら玲奈は悪くない、時間に20分も遅れた配送業者が悪いのだ

おかげで玲奈は満足に話す事もないままお昼を迎える事になってしまった

「ごめん、玲奈ちゃんだよね・・・会社からプロフ貰ってるよ」

「すいませんもっと早く来れば・・・」

「いやいや大丈夫・・・」

ダンボールだらけの店内の床に座って二人が話しているとお弁当を買いに出ていた

翼が戻って来た

「ごめんねすっかり手伝わせちゃって、おかげで他のお店に迷惑かけないで搬入終わらせられたよ」

翼はお茶とお弁当を渡しながら言った

「あ・・・いえ・・・」

「改めて紹介すると私が店長の翼で、あっちがオーナー、外見はちょっとあれだけど結構良い人だから」

玲奈は恥ずかしそうにうつむいた

「安心して、私も貴女と同じ「買われた」存在だから、せっかくオープニングスタッフなんだし仲良くやろうね」

「あ・・・はい・・・よろしくお願いします・・・」

俺は弁当を無言で食べながら二人を見てた

「どうしたの?」

「あの・・・やっぱ美人さんだなって・・・」

玲奈の一言で俺と翼は笑った

The kingdom of bare feet ・・・「歌舞伎町」編

The kingdom of bare feet ・・・「歌舞伎町」編

  • 小説
  • 掌編
  • 成人向け
  • 強い性的表現
更新日
登録日
2014-07-05

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  1. SHOP「TABF」
  2. Inversion
  3. HOTEL「H」
  4. Sacrifice