ドタバタCarディガン≪第八巻≫「もう一度ここから」

中二病の主人公と天真爛漫な女主人公が送るドタバタ系青春ラブコメ第八弾!!
第七巻から半年後の物語からもう一度ここ(聖南町)から平凡な?ドタバタな?毎日が幕を開ける。

第14話「もう一度ここから」

俺らに別れを言ったあの日から早くも半年が過ぎた。俺らはすっかり高校生活にも慣れ始めていた。
ただ、俺らでは花の話題がここ半年間途切れることはなかった。俺も覚えてくれてうれしいのだが、
こうしてみんなで思い出話をしていると楽しい。けど、肝心の花さえいてくれれば言うこと間違い
なしなのだが…

     キーンコーンカーンコーン

いつも通りHRが始まる。この風景は花が宇宙に帰ってからもいる時も一緒だ。“日常”と言うべきか。
(「花が宇宙に帰って俺はドタバタな毎日が送らなくて済むんだからいいのだが…」)
一瞬脳裏に“帰ってきてほしい”と思ってしまった自分がいたのだった。
(「帰ってきてほしい、帰ってきてほしい、帰ってきてくれ花!!!」)
それから数秒間脳内では沈黙が続いていた。そして担任の一言で現実に引き戻された。
「えぇ、実は今日は転校生と言うより元聖南高校の生徒なのですが…」
俺は嬉しくなった。ライトノベル小説などでよくあるいきなり帰ってくるパターンだった。
龍、彩月、真利、達也、理沙ちゃん…そして俺ら全員は同じことを考えていた。顔色で
一目瞭然だからだ。担任の先生の話と共に俺らの顔見知りの女の子が立っていた。
茶髪で身長165㎝ぐらいの女の子。俺と初めてあったとき推測したのだ。【第1話参照】
「えぇっと、こちら半年ぶりに戻ってきた水橋花さんです。花さんご挨拶を。」
そう、水橋花。俺の高校生活をドタバタにした張本人。けど、どうして急に戻ってきたのだろうか…
今はそんなことを考えず花の自己紹介が始まった。
「半年ぶりに戻ってきました。水橋花です。今後ともよろしくお願いします。」
……意外に礼儀がしっかりしていないか。花らしくない…ほんの数秒間クラスに沈黙があったあと
余計なことを花は口走った。
「しゅー、またよろっしくね!!!!」
花が愛想よく振る舞うとクラス男子全員は俺を睨みつけている。たしか4月にもこんなことなかったか。
【第2話参照】俺は脳内コンピューターを開く。ああ確かそんなことがあったな。
俺はクラス男子全員に睨まれ、後のHRは全く耳に入らなかった。

     2時間目休み

早速クラス男子全員が花を取り囲まった。当然というべきか、だってこいつはドタバタを
引き起こす張本人だが、この通りCカップ以上はありそうな柔らかな胸と八頭身でしかも
超絶美人という美点要素を兼ね備えているからだ。ここは認めざるを得ない…
俺と言えばクラス男子イケメン一軍軍団が花と話している隙にクラス男子普通二軍男子軍団
が俺を囲み学年キモオタ三軍軍団が俺にきつく問いかけてくる。
「花さんとはどんな進展があったんだ?」
キモオタ三軍男Aが問いかける。
「いや、別に進展はないけど。」
俺はキモオタ三軍男Aに適当に返す。
それに負けず負けずと普通二軍男Aが踵を返すように問いかけてきた。
「本当に進展はないんだね?」
相変わらず普通二軍男Aもしつこいな。俺はそれもキモオタ三軍男Aと同じように適当に
返事をした。それに納得したのか”解散”とでも言うように勢いよく散っていった。
「何なんだったんだ。」
俺はため息をついた。イケメン一軍男Aが俺に「花さんに相応しいのはこの僕だ。」と言い残し
解散していった。別にあげてやっても…なぜだ、花のことを考えると胸が熱くなる。何だ
この感情は顔まで赤くなっていないだろうな。いろいろなことがあったがまずはここは
一見落着っと。

     放課後 卓球場前にて

「花さん戻ってきたんだね。」
理沙ちゃんが嬉しそうに問いかける。
「花ちゃんが帰ってきてくれて嬉しいぜ!」
龍も半分泣き目になってる。彩月も続けて言う。
「集くんったらね、花さんが宇宙に帰ってから元気がないんだよ。
花さんがいなくちゃ寂しいのかな?」
花は顔を真っ赤にしながらも嬉しそうに答えた。
「集、ありがとう!私がいなくて寂しいって言ってくれて
本当に嬉しいよ!集大好き!」
「べ、別に寂しくなんかねえよ。」
そして、龍&彩月コンビが息ピッタリに
「恥ずかしがるなって!」
なんでこんなときに息ピッタリなんだよ。っていうか恥ずかしがってないし…
心の中で呟いただけで龍や彩月には聞こえていなかったようだ。花が俺の弱点
となる言葉をボソっと呟いた。
「恥ずかしくないんだ。けど、顔真っ赤だよ?」
小声で言ったつもりだったらしいが結構5m先でも聞こえるくらい大きな声で
言っていた。先輩たちが俺の方を見る。周りの生徒も俺らを直視していた。花の美しさに気をとられたのか
周りの男子どもは花を見るたび、横目で俺を睨みながら各部活に戻る。
「俺部活に戻るから。」
俺の所属する男子卓球部は31名の部員でなっている。ちょっと長いが部活の仕組みを説明しようと思ったのだが
花は「分かった。」と言い戻ってしまった。花は帰ったらメールするね♪とアイコンタクトで伝え帰っていった。

第15話「三角関係な夕食作り」

     帰宅後 藤本家 玄関

「ふぅ、疲れた。」
「お帰り、集。」
たわいのない兄妹の会話はいいのだが、もう1つ別の声が聞こえた。
「集、帰ったの?お帰り♪」
何か聞き覚えのあるような…あっ、花だ。早く追い出さないと俺の楽園が失われる。
「お前なんでここにいるんだよ!!!!!」
「なんでって、私集にメールしたよ。」
俺は自分の携帯を見る。

≪from≫Huzmoto Syu.xxx.com
≪題名≫I LOVE 集!!!
≪本文≫集、今日から毎日集の家で朝ごはん・夕ごはん作るね!
集が帰ってきたころにはいると思うから。あと

あとの続きを読もうとした瞬間、ベルがなった。
「はーい、どちら様で?」
朱莉がドアを開けるとそこには理沙ちゃんがいた。
「ど、どうして?」
「メールであと理沙もくるからね!って送ったはずだよ。」
あ、そうだ。書いてあった。
「藤本くん、邪魔かな?」
「ううん、邪魔なんかじゃないよ。さぁ上がって。」
「ありがとう。」
俺は理沙ちゃんを家の中へ案内した。

【ここからは、私藤本朱莉が解説を務めます。以後よろしく!】

私の兄と渡辺さん、花さんを見て気が付いた。
(「集は三角関係になっている。」)ってね。
私はそう予測し、台所へ戻る。
「ねぇ、ねぇ朱莉。キャベツ切れないよ。
「千切りはねこうやるの。」
渡辺さんナイス!料理もできるのかこんな人が集のお嫁さんなら助かりそう。
「そうなんだ!私頑張る!!」
花さんナイス!料理はできないけど集を癒すお嫁さんになりそう。天真爛漫な女の子がいいね。
その頃集は顔を真っ赤にしながらテレビへと向かっていた。決して悪い意味じゃなく、渡辺さんが来て
緊張するだろうなっていう方の顔が真っ赤になっている。というのが正しい解釈。
なんでだって?集には女の子が来るだけでも緊張して顔が真っ赤になるのに、そういうの想像する
度胸なんてないんだから。
そう考えているうち料理が完成しようとしていた。
「よーし完成するぞ、できた!!!」
「良かったね、花さん。」
花さんと渡辺さんの会話
「じゃ、花さんと渡辺さん料理運んで。」
「渡辺さんじゃなくて理沙でいいよ。」
私と理沙さんの会話
「はい、理沙先輩!」
廊下でそんな会話をし、料理を集の元へと運んでいく。
「集、朱莉と理沙から教わってみんなでしょうが焼き作ったんだよ。」
「ありがとう、いただきます。」
「花、理沙ちゃん美味しいよ。朱莉に負けないくらい美味しいよ!」
「そう?朱莉と理沙がほとんど作ったんだけどね。」
「でも花も手伝いしたんだろ?なら美味しいよ。ありがとう花、理沙ちゃん。」
「どういたしまして、集。」
「美味しくできててよかった。食べてくれてありがとう、集くん。」
その時今まで集は理沙先輩のことを「渡辺さん。」理沙先輩も「藤本くん」って
呼んでたから今日は恋愛大進展…ってことは三角関係になるってこと?
私は密かにそう思ったのでした。

【またここから最後の〆として私の兄にバトンタッチします。】

そうして俺は理沙ちゃんと花との夕食を終え、幸せな気分になりながら今日は終わるのであった。
…幸せな気分なんだ。良かったじゃんお兄ちゃん!!【by 藤本朱莉】

番外編「藤本一家の生活【集編】」

俺の名前は藤本集……って知ってますか皆様。では話が早い。このお話は原稿や他のサイトでは公開していない”星空文庫を見ているあなた”限定で書き下ろしたものです。小説の醍醐味である登場人物がはじめ物語の内容を言って、それから本編へ移る、そんな流れではないだろうか。【ライトノベル限定だと俺は信じてる。】でもこのお話「ドタバタCarディガン」はそんな常識外れな登場人物が原稿や書き下ろしなどという夢のないことを言ってしまったらライトノベルが成立しないだろうと俺は思う。例えば週刊少年ジャンプで連載中の「ニセコイ【古味直志先生】」は10年前の鍵の女の子を探すために主人公 一条楽が親の都合で桐崎千棘と高校3年間恋人のフリを続ける。という夢のあるというか羨ましいと思うだろう。だって美少女に囲まれてるんだぜ。あとはなんだっけな…どっかの出版社であった。そう、MF文庫で「お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよね。【鈴木大輔先生】*間違っていたらすいません。」の場合だと、思春期真っ盛りの時に兄妹二人離れ離れになり、高校になったとき兄と妹が同棲をするといういわゆるシスコン、ブラコンというキャラ設定だろう。(*あくまでも俺の見解です。)ブラコンといえば今テレビでも電撃文庫でも発売中の「魔法科高校の劣等生【佐藤勤先生】」では主人公 司波達也は5歳の時実の母に精神干渉魔法で特定の魔法が使え、魔法式を読み取るが、全ての感情が白紙化(フォーマット)されて」しまったのである。この話は舞台が2095年の八王子だよ。魔法と言う観点は本によって違うよね?絵本では「チチンプイプイ卵を割れ!」とか簡単なものだがこの魔法科高校の劣等生ではCAD(魔法演算領域)を使って、事象改変(エイドス)させて魔法式を構築し発動するという専門分野があるだろ?これを覚えるのに結構苦労したぜ…こんな長話に付き合って頂きありがとうございます。まとめると「このお話はそんなに専門用語も使わないし美少女もいない。(少しはいる。)ニセの恋人もない。だから平凡な毎日を描くそれのみだ!ということを知っていて欲しい、それだけです。では早速本編に参ります!

俺はコホンコホンと咳払いをし、語り部へと移った。
俺は家では基本的アニメを見ている。好きなものはさっき紹介した小説のアニメ版だ。学校では水橋花にドタバタされているが、理沙ちゃんに会えるからいいなんて思ったりもする。ドタバタされてもいい。という部分だけを引き抜けば、あなたはM体質なの?と思われるに違いないと思ったので一応言っておく。俺はアニオタでも中二病でもMでもないんだ!どちらかと言えばSだね。どうして俺が偏差値が平均より上の高校に入れたかって?裏口入学じゃないよ、それ以外に知りたい人はこれから公開される、「ドタバタCarディガン≪追憶編Ⅰ≫」で紹介するよ。第何巻で出るかは公式パーフェクトガイドⅡを見てもらえれば分かる。追憶編Ⅱでは水橋花の昔話を紹介するぜ。語り部は花に変わるので俺は知らんけどな…一応大体の追憶話自体は花の親父に合う前に話は聞いてある。本編では紹介していなかったけど、いずれ追憶編でも出るんじゃないかと思って秘密にしておいたんだ。
藤本家では父は単身赴任、母も同じくという二人で住んでいるので家事全般やその他は朱莉が、そしていろいろな手続きは俺がするという一種の大黒柱の役目をしている。父&母は5年に1回来るか、来ないかとい割合なので俺がしっかりするようにしている。定期テストも大変だし…俺は数学が苦手で小テストでもミスをしてしまう。その多数がケアレスミスというものらしいということが分かった。
この話は短編中の短編なのでこれでお開きにする。次回は「藤本一家の生活【集&朱莉編】」で最終回になる。父と母の話は後日しよう。うーん。あとで理沙ちゃんに聞いて「渡辺一家の生活【理沙編】」というのもいいだろう。
「ねぇ、集。一緒にお風呂に入ろう!」
花が家の玄関からいきなり出てきた。せっかく語ってたのにな…
「嫌だ。」
「じゃ……精神分離マシーン!!」
げ、やべ。花の指導役の一流ヒットマンまでやられたあの技。
「うん、入ろう。」
俺と花は一緒に風呂に入るのであった。(強制的に、精神が分離状態しているため。)
……「集、私の胸おっきいでしょ!!」
「……」
「ねぇ、ねぇ…」
「……(てっか、胸でか!)」
「今、胸でか!って思ったでしょ。」
「(!まで分かるのかよ。)」
「今、!まで分かるのかよ。って愚痴をこぼしてたでしょ。」
そんなこんなな会話がのべ1時間続きました。一緒に俺んちで風呂の湯船に一緒に浸かってるけど変なことはしないからね。
「集、変態~~~~」
「誤解を招くこと言うんじゃねェぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ。」
本当に誤解しないでね、本当に!

全く何をやってるんだか。ここで朱莉登場でーす!全く兄の行動には問題がありますので信じないでください。
「朱莉までそんなことを言うなァぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。」

(「藤本家一家の生活【集編】」  お  わ  り  )

ドタバタCarディガン≪第八巻≫「もう一度ここから」

ドタバタCarディガン≪第八巻≫「もう一度ここから」を読んで頂きありがとうございます。改めまして作者のカーディガンです。以後よろしく。
今回は星空文庫限定小説も加えております。もちろん、原稿にもありません。なので即興小説でしたね。即興コントみたい…(笑×10)
次回第九巻≪海水浴Ⅰ≫をお楽しみに。また会いましょう。

ドタバタCarディガン≪第八巻≫「もう一度ここから」

  • 小説
  • 短編
  • 恋愛
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-06-30

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Copyrighted
  1. 第14話「もう一度ここから」
  2. 第15話「三角関係な夕食作り」
  3. 番外編「藤本一家の生活【集編】」