『無題』

入学式①

……俺はその日、人生初の恋をした。

入学式②

慣れない制服を着て、まだ少し寒い4月の晴れ晴れとした空の下、俺は両親と一緒に中学校向かっていた。
どうせ中学校に着くまでは暇だから、俺の自己紹介でもしようか。
俺はごいけみず。後ろに池に水で後池水。この春から静学中学校に通う、12歳。1人称からも分かるように、性別は男。好きな事はゲーム、アニメを見ること、漫画・ラノベを読むこと。小学校は清新第3小学校(長いから、みんな基本的に第3と言う)。
…これでいいかな?
と、思ったところで学校に着いた。
静学中学校には清新第3小学校と静学小学校の生徒が入ってくるから、入学式といえど、話し相手はいるだろう。
校門でもらったクラス分けの紙を見ると、A組に自分の名前が書いてあった。その紙の裏に校内の地図と、これからの行動の指示が書かれていた。
俺はその指示と地図に従って、A組の教室へ向かった。

入学式③

校舎に入り、階段を上り、廊下を抜け、A組の教室へたどり着いた。
教室に入ると、すでに2/3くらい集まっていた。その中に知っている人もかなり居たが、とりあえず声は掛けないでおこう。どうやら席は指定されていないようだから、俺は廊下側の1番後ろの席に座った。
やっぱり入学式だからみんな黙ってるか…と思った時、
「水〜」
と声をかけられた。ちょwwwお前入学式から話し掛けるとか勇気あるなwwwと思ったら、そいつは実貴 志紀 みたか しきだった。小学校からの友達(?)だ。だがウザイ。
「はー…志紀か…」
「えっ…何その『お前かよ』みたいな反応。…まぁもうとりあえずそんな事はどうでも良くないけど、今はどうでもいい!」
「はぁ。」
「いや、『はぁ。』じゃなくって!お前あの子見てみろよ!めちゃくちゃかわいいぞ!!」
「落ち着け」
とりあえず俺は言われた方を見た。するとそこには、確かにとてもかわいいと言われる部類に入るであろうと思うほどかわいい女の子がいた。すごいタイプの子だ。背中の真ん中あたりまである長いさらさらした栗色のストレートの髪に、少しまるいかわいいらしい輪郭。目は大きくて、少しタレ目ぎみ。いじったらかわいい反応するんだろうな…
「確かにかわいいな。」
「だろ!?ちょっと俺声かけてみるわ!」
お前あの子と何話すんだよ
「まー…頑張れー。」
志紀は俺のやる気の無い応援を背にその女の子に近づいて行った。
まぁ本当はお前とあの子が程々に仲良くなれば、俺もあの子と話すことができるから、結構ガチの方の応援だったんだが。っと…おー…あの子急に話しかけられて困ってるな…お、でも話は続いてるな…。俺は何と無く見ているのに飽きて、持ってきたラノベを何と無く読み始めたが、全くもって内容が頭に入ってこなかった。

入学式④

そんなこんなで、ぼけーっとラノベを眺めていたら、もうすぐ式が始まるようで、担任の教師と思われる人が入ってきた。
「おはようございます!今日からみなさんの担任になる、日立炉未(ひだち ろみ)と言います。よろしくお願いします!」
あー…おばさんか…かわいい子見た後はより酷く見えるな…。
そういえば、志紀はあの子とどんな事話したんだろう。そう思い、声をかけたときにさりげなく荷物を持ってきてとなりの席に座ってる志紀に小声で話しかけた。
「志紀、お前あの子となに話したんだよ?」
「いろいろ〜。もう式が始まるから帰りながら話すわ。」
「ん。」
言い忘れていたけど、俺と志紀の家は近い。走って6、7分くらいで着くくらい。
と、案外あっさり先生の話が終わった。内容は、
『式には並んで入る。並び順は自由でいい。』らしい。
皆がいそいそと、廊下に出て並びだす。俺もそれに混じって並んで、入学式が行われる体育館へ向った。

入学式⑤

「ー…であるため、本校の生徒には起立ある学校生活を…ー」
ああ。長い…怠い…。だいたいこんな長ったらしく話をされたって、まともに聞いてるやつなんてほとんどいないだろうに…。あそこのやつなんて寝てるし。早く終わんないかなー。
「一同起立…礼…新入生、退場。」
おお。終わった案外早かったな…。
教室に戻り、先生が来るまでの時間に何をしようと思いふとあの子が座っていた方を見た。だがいない。教室を見回すと同じ小学校の露樹萌(ろきもえ)の座っている席の前に立っていた。あの子は明るく話しかけているけど、露樹の方がうつむきながらオドオド話している。ちなみに言っておくが、露樹は極度の人見知りなだけではない。いじめられていた。いじめてる方は『いじってるだけ』と言っていたが。ん?露樹が何か描いてる?
それを見てあの子が何か言ってる…露樹が否定してる仕草をしてるから、褒めてたのか。あいつは下手ではないけど、上手くもないんだよなー。あ。先生来た。
「じゃあみなさん明日からは今日より早い8時半までに来てくださいね〜ベストは8時です!では、また明日〜」
よし。志紀があの子と何話してたのか聞こう。
「おい。志紀帰るぞ」
「はいはい。ちょい待って〜…よし!お待たせ〜」
あの子の話は学校から出たらにしよう。

入学式 ver.花①

私は四弓花。3/1生まれ。ゲーム・漫画・アニメが好きで、イラストを描くのが好き。(下手だけど。)さて、自己紹介も終わったし、現状を説明しようと思う。
私は今、窓側の1番後ろの席に座っているのだが…今さっき来た男子とその人と仲良さそうに見える男子にチラチラ見られてる…しかもなんか話してる…これは、私がキモいって話してるのかなぁ…(遠い目)
まあ気にしてもしょうがないから気にしないようにしよう…!!ってなんか仲良さそうに見える男子の方がこっち来てる?!?!うわあぁどうしよう…
「ねえ」
あばばばばばb…
声かけられたああああ?!?!
は?!私なんかしたあ?!
…取り敢えず、落ち着いた様子で対応しよう…!!!!!
「なんですか?」
「いやー、特に何もないんだけど…」
よし!!!
今のはおかしくなかった!
「?」
「…っ、1人だったから話してみようかと思って…」
と、おもむろに下を見た彼は見つけてしまったようだ。
ふでばこに付けたアニメのストラップを…!!!!!!
ああああああああああああ!!!!!
外しておけば良かった…!!!!!!終わった…私の学校生活はオタクオタクと言われ続けることが決定した(+侮蔑の視線)…
「もしかして、アニメ好きなの?!」
あああああああ…あれ?なんか嬉しそうだった…?
これは…!
「うん!」
試しに笑顔で頷いてみよう。
「そうなんだ〜!俺もこれ好きなんだよね!」
よし。最悪な事態は避けられたようだ…!

『無題』

『無題』

恋したり、失恋したり…。中学生の恋愛と成長を書けてればいいなぁと思います。

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-06-30

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  1. 入学式①
  2. 入学式②
  3. 入学式③
  4. 入学式④
  5. 入学式⑤
  6. 入学式 ver.花①