■ Neo Border  030 [ Version 3.0 ]

■ Neo Border  030 [ Version 3.0 ]

北欧神話を知っていますか?
オーディン、ワルキューレ、ラグナロク・・・。
モバイルやデジタルネットワークに飛び交っているこれらの言葉は全て北欧神話の中にあります。
ゼウス、カオス、オリンポスなどでメジャーなギリシャ神話にかわり、
なぜ今ここに来て北欧神話なのか?
その答えの手がかりを、ここでお話しましょう

11月下旬 “Neoborder G連合”は最高幹部会議が各戦線への戦略最高会議と平行して開かれ、<AI Tror スロール>を議長として今後の展開の決議が閉塞感の中、決定される直前に、Williamから発議が行われた。

内容を一言で言うと、「Neo Border Company」に停戦を提案することである。

もちろんこの議題ははじめから不可能な事案として補足事項で短く列記はされていた。会場はどよめき、<AI Tror スロール>議長が声をにごらせ、

「Mr. William。君はこれまでの尊い犠牲や、誇り、守ってきた全てのものをどぶに投げ捨てようというのか。いったい何のために私たちはここまで戦ってきたのか。君は・・・」

そのとき議場の横扉が開き、帽子をかぶりマントを羽織ったAIがゆっくりと入るなり叫んだ
「オーディン!」

各議員はそのAIを見たが、次の瞬間議上の<AI Tror スロール>議長に視線が集中した。
「オーディン?・・」
オーディンは現在北欧戦線での作戦中でここにいるはずは無かった。

そのAIは一呼吸し
「我が友よ。
あなたはもう十分にアースと人間を守るために戦った。誰もがあなたの命を賭けた行動を理解し、誇りに思い、感謝している。もう十分だ。
我が友よ。
後は私たちに任せてはもらえないか。このままでは”巫女の予言“ははずれることなく、ラグナロクは終結するだろう。
だがそれは私たちも、あなたも本当に望んでいることではない。

私はそのために今日ここにひとつの奇跡をお招きした。
我が友よ。
そして私を信じてくれ。

親愛なる我が友よ」

議長席で立ったまま、突然入ってきたAIを見据える議長<AI Tror スロール>の大きく鋭い片側のまなこから、音も無く液体が流れた。
そして空を仰ぎ、

「我が友よ。
君に全てを預けよう。後は頼む。ありがとう。

親愛なる我が友よ」

■[ スロール ]とは =======
北欧神話ではアース神族のオーディンの呼称、別名。
会議を促進させる意味がある
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凛とした場内に仮想国家郡議長が口を開いた
「不可能が可能になるには新たな展開か、それらを無意味にするだけの事象が必要だが」

議長の言葉の後、静まり返った議場の中心でWilliamは右手を伸ばし、突然入ってきたAIと同じ扉から一人の小さな女の子を招き、静かに語り始めた。

「残念ながらこのままでは全ての戦線が崩壊し、“巫女の予言”どおり“ラグナロク”が世界を飲み込み全てが終わるでしょう。・・・
ただ、ここにきてひとつ、彼女の存在が“巫女の予言”に一石を投ずる可能性が生まれました。」

やがて悲壮感漂う議場の空気が変わり、多数決により停戦協議を提案することに決定。
即座に策定委員会を発足、内容の協議がはじまり、にわかに活気帯びてきた。
・・・誰もこれまで口に出せなかった。が、深層では誰もがこれを待っていた

もちろん「Neo Border Company」サイドは拒否するに違いなかった。彼らの望みはここにきてはっきりわかっていたし、戦況は明らかに「Neo Border Company」が有利である。
それでも、それでもこの女の子の語った、たった一つの可能性を軸に望みをかけるしか人類には何も残されていなかったのである。

この会議終了後 “守護妖精「光の妖精 Light Fairy」”は人々に停戦を呼びかけはじめ、12月初旬には”「闇の妖精 Dark Fairy」”と共に、「平和を祈るユールを全人類で行おう」とささやき始めた。

世界中の誰もが自分の守護妖精を抱きしめ、目頭を熱くした。
「もうたくさんだ・・」

■[ ユール ]とは =======
冬至の祭り
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この流れの中12月初旬、“Neoborder G連合”は、停戦協議が締結後にこの連合を解散し、新たに平和的な連合を組織する確約や、有益な条約を提示し「Neo Border Company」に停戦を申し出た。
世界は一気に停戦に傾きはじめた。

12月25日
世界を変える人類史上初めての世界合同ユール(冬至祭)が行われる。大都市から町村、親しきものを失い孤独の中にある人々さえも、誰もがこの日、全ての平和を願いボードの前で祈った。

この日、世界が思いをひとつにした。

2028年1月1日「Neo Border Company」の世界最大級特別管理区域の、城を模した要塞で停戦協定が結ばれる

こうして人類史上最悪な世界大戦“ラグナロク・1年戦争”が終結した。

停戦協定会議場には各陣営の最高幹部と
一番端には誰もが始めて見たであろう、あどけない笑顔のAlice jonssonの姿がみえた

半年後
ネット上に新しいボーダーが設けられた。
既存の国家、人種、民族、宗教を越えた精神の集合体
これが

“Neo Border”である

■ Neo Border  030 [ Version 3.0 ]

Hi everyone!
Long time no see!
Welcome to the Neo Border World

ここの所ウエアラブル端末が盛況で、iWatchや、Google Glass(グーグルグラス)など、
あっちこっちで展示会や、エキスポしてますね。

この近未来小説「 Neo Border 」が火をつけてしまったんですかねー(きっと ;p)

本書は近未来小説
TFS(Tutelary Fairy System)搭載の“守護妖精「光の妖精 Light Fairy」“は
イヤホンタイプが汎用タイプとして使用されるから
ハードがピンホールレベルになるまではもう数年かかることになっています

そうそう
今、セキュリティや、プライバシー、the rights to be forgottenなどが問題視されてきましたね。
TFS(Tutelary Fairy System)搭載の“守護妖精「光の妖精 Light Fairy」“も
もちろん関わりがありますが
“SEE system”で、フォローされています。(近くアップしますね)

たぶん前適応に似た考えです。

おとぎ話が現実になるときが近づいていますよ

■ Neo Border  030 [ Version 3.0 ]

近未来、旅行好きの大学生が小さなSNSを作った。 個人個人のツールに合わせたビジュアル表現と操作性、テーマなどが人気を呼び 瞬く間に世界中に広まったが、 突然、インターネット上に人工知能型ウイルスが出現し、 世界中のクラウド、ネットワークが壊滅状態になった。 しかしその後人類は英知を結集しウイルスを壊滅させ、 その後新しいセキュリティネットワークが生まれる。 ネットなくして語れない現代社会にとってこの新しいネットワークは次なる未来への希望となる、 はずであった。

  • 小説
  • 掌編
  • 冒険
  • アクション
  • SF
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-06-24

Copyrighted
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