紫陽花
一章一章が短いですが自分が納得いくような作品を書いて行きたいです
晴れのち曇り
鳥の声が聞こえるー・・・・。 『朝だ。』
その日も特に何も無くただ僕は天井を見上げていた。
普通の子供のように外で遊びたいと願っていた時期はもちろんあった…が今となってはそんなこともどうでもいい。
今も僕の体は動かない。僕に出来るのはこうして天井を見上げていることと窓の外の景色を延々と見続けることだ。
そんなくだらない事を思っていたらかあさんが来た。実際彼女に会うのは久しぶりだ。
でも、僕は彼女が来るのを楽しみにしていた。
彼女が来るといつも持ってくる『花』というものに僕は昔から関心を抱いていた。
「今日は、庭に花菖蒲が咲いたから摘んで来たのよ。珍しいのよ?まだ5月なのに花菖蒲が咲くなんて」
そんな事を言いながら花瓶に生け始めた。
『綺麗だ。』と思う。たしかこの色は紫と言っただろうか。
この病気が治ったら世界中の花を見てみたい。図鑑でも、押し花でもなく自分の目でたくさんの色が広がっている世界を見てみたい。
「そろそろ帰るね。また何か花持ってくるからね。」
そういって彼女は帰って行った
この花が枯れるまで僕はこの花を見続けた。花の一瞬一瞬の動きを僕の目に焼き続けた。
the sound of falling rain
それは、6月2日の事だった。
入院なのか隔離だかわからない状態の僕に余命宣告がされた。
かあさんがマリーゴールドという花を持ってきた日のことだった。
きっとかあさんは僕の余命を知ってたのだろう。
マリーゴールドの花言葉は『別れの悲しみ』なのだから。
―――かあさんが帰るとき急に雨が降り始めた。
こんなに降ったのは久しぶりだというもんだから気になって僕は窓を見た。
だが目に留まったのは雨でも水溜りでも大好きな花でもない。
病院の敷地内でびしょびしょに濡れながら地面に倒れている女の人だ。
一瞬『この人何やってんだ』と思ったがとりあえず看護婦さんを呼んだ。―――
しばらくして、さっきの人が僕と話したいと言ってるので会ってくれないかと看護婦さんが言ってきた。
話によると僕に礼が言いたいらしい。断るわけにもいかないのでとりあえず会う事にした。
看護婦さんが静かに扉を閉めた後、さっきの女の人が豪快に扉を開けて入ってきた。
「さっきはありがとう少年!!私は、雨森藍!!立派な高校2年生!趣味は特に無いよ!!!」
とにかく煩いとしか言葉が出てこなかった。耳障りどころではない。人災だ。
ほかの部屋の人にも聞こえたのだろうか、子供の泣き声やらおじいさんの怒りの声が後を立たない。
そのせいで看護婦さんの説教に僕も付き合う破目になった。
この人との話すのはまだ先の話になりそうだ。
紫陽花
どうも、代です。
やっとこいつが出せた!と思ったら看護婦さんに邪魔されましたww
前回のときにだしたかった主人公の突っ込みを出す事が出来て嬉しいです!
嬉しいと言えば、この作品を読んでくださった方からツイートがきてもう飛び上がっちゃうくらい嬉しかったです!
ありがとうございます。これからもこの作品を見守ってください^^
次回更新日*6/25