ドタバタ!Carディガン【ウラバナ】第一巻「謎の少女」

【ウラバナ】第一話「集の幼なじみが現れてドタバタ」

何はともあれ、花が俺の前から現れてから約1か月がたった。桜も散り木々が緑色に茂りここ聖南町でも
梅雨を迎えようとしている。だが、俺には梅雨よりもっとずぶ濡れになった俺の心が冷えかけている。話は手短にしよう。
『水橋花がフラワーカーディガン星から家出してきたからだ!』というのが最もな理由だろう。
それからというもの花にはドタバタな生活を共に送っているのである。俺の妹・朱莉はそうとは思っていないだろう。

    話はそれぐらいにして、現実に戻る。(先ほどは俺の回想となんか意味のわからない比喩表現をしていた。)

俺はこれから花と一緒に出掛ける。聖南商店街の乙女の石像前に直接集合ということになっている。正直嫌だ。だって、
またドタバタなトラブルを起こしかねないからだ。けど、どうしていくのかって?それは、またまた俺の回想シーンになるが
しばし我慢してほしい。その話題になったのは今から一週間前にさかのぼる。(ここからは女の子口調なセリフが度々出て
くるがそれは俺ではなくて花だと思ってほしい。俺が女の子口調したら中二病+現実逃避+アッチ系の性別になるからだ。)

    一週間前 聖南高等学校 1年A組の休み時間内にて

「ねぇ、ねぇ、集。今度さどっか出かけない?」
「なんで俺がお前と一緒にいくんだよ、他の奴がいるだろ。」
一瞬、花はためらい顔を真っ赤にしていた。一体何を言い出すのだろうか。
「だって、私。集の事が好きなんだもん❤、一緒に出掛けるのだめかな?」
俺も顔を真っ赤にしてしまった。けど、俺だけじゃダメだ。
「二人きりじゃさすがにダメだな。」
おぉ、我なりにいい言い訳だ。これならうまく引き下がってくれるだろう。
「他にもいるよ、理沙と、龍もいるよ。」
な、俺の天使のアイドル・理沙ちゃんまで行くのかこれは無駄にできない。
「わ、分かったよ。行くよ行くよ。じゃ龍も誘っていい?」
「うんいいよ!じゃ集合時間は朝の9時に聖南商店街の乙女の石像前っていうところに集合ね!」
「ああ、分かった。何かあったら連絡する。」
何はともあれ、俺は花の悩殺フレーズで行く羽目となった。

    一週間後 AM 8:30

俺は聖南町商店街乙女の石像の前で集合時間より30分前に来た。なぜなら、理沙ちゃんも来るし、男だから早めに来て
待った?って聞かれたらううん、今来たところ。と言えば好感度上がるってなんかの本に書いてあった。
よし、暇だからパズドラ(ガンホー)をしてますか。(パーン、パーン×10)←パズドラコンボの音【10コンボ】
俺がアンケートダンジョンをやって、土日ダンジョンが終わったころ花たち一行は来たのであった。
「集、待った?」
「藤本くん待たせてごめんね。」
「よ!集。待ったのかわりぃな。」
花、理沙ちゃん、龍の順で俺に待たせたのに対して謝罪をしていた。俺もこれ以上しつこくなるのもいけないのであれをやってみた。
「ううん、今来たところ。【棒読み】」
よし、若干棒読みだけどこれで理沙ちゃんに好感度上がるか!!
そう思った自分がバカだった。
「今、8時50分だし集も待ってないみたいだよ。」
「そうなんだ。」
「じゃ、よかったぜ親友。」
またまた、花、理沙ちゃん、龍の順で言った。
「じゃ、行こう。」
そんな俺の気持ちを知らず花が俺らと一緒に商店街へ行こうとしたときある少女が俺の顔を直視していた。
(「一体何なんだろう。」)
そう思いながら通り過ぎようとしたとき少女はいきなり飛び出してきた。
「ねぇねぇ、しゅーっちなんで逃げるの?」
いきなり俺の名前を呼ばれてビクっとした。
「誰だよお前。」
突然現れた女はこう呟いた。
「申し遅れました。私はしゅーっち、いえ藤本集くんの恋人…間違いました。幼なじみです。
どうぞよろしくお願いします。」
俺は唖然?絶句した。いきなり見知らぬ女の子が幼なじみと言い張るのだ。
「いやいやそんな奴。俺は知らなかったぞ。」
俺は現実に引き戻され、黙っていた花が大声を上げた。
「ふざけんるんじゃいよ。名前も名乗らず幼なじみです。っていっちゃってさ。証拠はあるの?」
花が初めて大声を出したので理沙ちゃんと龍は何も言えなかった。だが、その俺の幼なじみというこの女はこの程度では
固まらなかった。
「申し訳ありません、私藤本集くんの…」
「いいの~その続きを聞かせろ。」
花は怒りゲージマックスである。何もそこまで怒ることないのに。
「私、木梨桃といいます。“モモ”と呼んでいただいて結構です。しゅーっちはモモたんと呼んでください。」
何だこの花VS桃→俺みたいなドタバタな雰囲気は。
俺はふと思い出した。あぁ、小学校のときのももっちか。俺は気になり聞いてみた。
「あの1つ聞いてもいいかな?」
「ええ、構いませんが。」
木梨桃(以後、モモ)に許可を得て俺は緊張しながらも勇気を振り絞って聞いた。
「お前って、聖南第一小学校のモモっちか。」
モモは一瞬躊躇ったように口を閉じたがモモも何か言おうとしています。
「しゅーっち、覚えてたの?そうだよん!モモっち大勝利♪」
おぉ、俺が覚えてたのとチョット違う気がする。
花と理沙ちゃんと龍が同時に言う。
「集【藤本くん】,お前その木梨さんとどんな関係なの?【なんだ?】」
集と呼んだのが花で藤本くんって呼んだのが理沙ちゃん、お前扱いしたのは龍だ。
「私の元彼カレ?って冗談ですよ。私がしゅーっちが好きなのは変わりません。」
俺はドキっとした。花のときと同じだが人に好きって言われるとそれプラス幼なじみと言っても
こんな美少女相手に告白されたら俺でも顔が真っ赤にしてしまう。
理沙ちゃんは顔を真っ赤にしてモモっちに言った。
「そ、そうなんだ。藤本くんもモテモテだね。」
なんか寂しそうな顔で俺に言った。花も同じように言った。
「集は木梨さんと幼なじみだったんだ…」
俺は急にかわいそうになった。それを察したのかももっちは二人にこう告げた。
「私は好きですけどしゅーっちではなく藤本くんが好きではないのなら無理はしません。
藤本くんを渡辺さんと水橋さんから必ず奪って見せます!」
な、なんだこの「俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる」的な修羅場雰囲気は!
そして、理沙ちゃんは
「別に藤本くんとはお友達だから。」
俺は棘がささったようななんかうれしいようなそんな気持ちになった。
理沙ちゃんはお友達と言ったが花はこうはいかなかった。
「いいえ、私は集をあなたに渡しません。だって私の彼氏ですもの!」
花は本気になってももっちに言った。ももは遠慮気味でこう言った。
「そんな修羅場にならなくてもいいんですよ、今すぐ奪うとは言ってませんから!」
(ももっちも十分修羅場化しているんですけど…)
俺は心の声をついポロっと言ってしまった。
や、やばい!ドン引きされる…
「集が困ってるから早くお店に行こう。」
「うん、藤本くん困ってるもんね。」
「分かりました。しゅーっちが言うのなら。」
「何かわかんねぇけど行こうぜ、親友!」
花、理沙ちゃん、桃、龍の順で言った。
俺も現実に戻り
「おう、行こうぜ!」
と言った。ふぅ、俺の修羅場を何とか回避したようだ。
それから商店街では俺の顔を見ながらライバル意識している花と桃。
まわりの主婦からは「何二股?」「奥様、最近の高校生って女を二人以上作るんですって。」
と色々誤解されてしまった。理沙ちゃんは困った顔をしていた。本当にゴメン、理沙ちゃん。
俺は心の中で謝った。今声に出したら余計に困ってしまうからだ。そうして、俺と理沙ちゃんは
変な噂話をされながらこの時間を過ごした。俺の幼なじみが現れてまたドタバタな日と
なってしまったのである。周りから見ればリア充、モテモテ。だが俺にはそれはうれしくなかった。
理沙ちゃんの彼氏なら別に光栄だけど。季堂鋭太くん【俺修羅】はこんな修羅場で生活しているのだろうか。
想像しただけで可愛そうになる。そんな事を考えながら俺は明日もドタバタに巻き込まれるであろう!と密かに
寒気がしたのであった。

【ウラバナ】第二話「俺の家の前でドタバタ」

そんなこんなで商店街で買い物を済ませた後、桃はまた会おうねと言ってその日は解散した。
その後、聖南高等学校一学期期末テストも終わり結果は290人中30位とまあまあだろう。花は1位、理沙ちゃんは
20位、龍は100位。メールで聞いたのだがモモは285人中5位だという。この学校で言うと上位に匹敵するぐらいの
順位だった。花も桃もこんなに頭がいいのやら。いつ勉強してるんだ!そんなこんなで花と俺が一緒に出掛けている頃、
本屋である情報雑誌「る○ぶ」で夏と言えば海水浴!というキャッチフレーズがデカデカと掲載されていた。それを見た花は
メールで理沙ちゃん、彩月に海水浴のお誘いをしたのである。俺は龍を誘った。これでドタバタは回避できるのかと思ってな。
ここで花のメールを紹介する。
≪from≫Watanabe Risa.xxx.com/Gonokami Satsuki.xxx.com
≪題名≫海水浴一緒に行こう!
≪本文≫理沙~彩月今年一緒に海に行こう!集と一緒に出掛けてたらね夏と言えば海水浴って本に書いてあったの。
それで集に行こうって言ったら「いいよ、」って言ったから二人だとデートになっちゃうなんていうから私が理沙と彩月と
誘ったの。集は照れ屋だね~♪
【集合場所】集の家の前
【行く場所】聖南海水浴場
【集合時間】午前9時
【メンバー】わたし、集、理沙、彩月、あともう一人…
じゃよろしくね!!!
という。理沙ちゃんから返信が来た。
≪from≫Mizuhashi Hana.xxx.com
≪題名≫Re.海水浴一緒に行こう!
≪本文≫午前9時集合ね。分かった私も行く。
彩月から同じように
≪from≫Mizuhashi Hana.xxx.com
≪題名≫はなちぃ
≪本文≫花ちゃん行こうぜ!海~~~~(*^_^*)
彩月も行けるらしい。俺は龍にメールした。
ここは省略するが「お前も海来い!俺がドタバタな海になる!」
と送信したら1分後…
「分かったぜ、理沙ちゃん、花ちゃん来るんだろ?もちろん行くぜ親友!」
いつもの口癖も入れ龍も参加することになった。

     7月 藤本家玄関前にて

「じゃ、朱莉行ってくるわ。」
「うん分かった、楽しんで来てね!」
そう言って集合場所に着いた。というより家から5秒で行けるから遅刻しないんだけれども。
「集遅いよぉ、行こう!」
別に今8時半だし遅刻でもないんだが別に口をはさむことでもないか。
ここで喧嘩勃発。
「なんで龍がいるんだよ。」
「こっちが聞きたいよ、彩月。」
あぁ忘れてたこの二人喧嘩するんだ。
「喧嘩しないで行くぞ、龍&彩月」
「アンドにするな。」
「二人同時に俺に怒鳴りつけた。」
こういうときは息ピッタリなんだから。困るぜ…
あ!俺は絶句した。だって学級委員がいるからだ。
「萩本、新堂どうしてここに?」
「ドタバタにならないように私たちが監視するわ【ぜ】」
「違うよ、私が誘ったらうん行くっていうから。達也は真利が誘ったんだって。」
げっ、と言い、咳払いした。
「まぁ、そんなことは置いといて、監視するからな…まりちゃん海に行く~~」
ど、どうした新堂さん壊れた。萩本も
「夏だ、海だ、女子だ!!!!!!!!!!」
同じく壊れた。っていうより萩本、以外にスケべだったのか。
それはそれでドン引きした俺だがもっとびっくりしたのはそこにももっちがいるからだ。
「木梨さん、私は誘っていませんが。」
花は怒鳴り口調で言った。
「昨日、藤本くんの家で盗聴してたら海水浴に行くというので準備しちゃいました。てへっ。」
「てへっ、じゃない!お前とうとう犯罪に手を染めたか。」
「犯罪じゃないですよ、妹さんに会ったらももさんじゃないですか!と言って上がらせてもらいました。」
そ、そうだももと朱莉仲がいいんだ。てか、忘れてた。
そうして、なんだかんだ言って大人数になってしまった。
本名で一人ずつ言う参加者は、藤本集【俺】、水橋花【花】、渡辺理沙【理沙ちゃん】、瀧本龍【龍】、五野上彩月【彩月】、
新堂真利【新堂さん】、萩本達也【達也】、木梨桃【もも】の8名。
「あ!忘れてた。私の学校のクラスメイトも来るんだった。」
桃の学校・県立聖南大学付属第一高校(以後「聖南1高校」)偏差値は75、俺の通う聖南高等学校(以後、「聖南高校」)は偏差値
55だから超優秀学校の生徒なのだ。
「あなたはどこの学校なの?」
新堂真利が聞いた?みんな興味深々だ。俺だけは知っているが。
そこに桃のクラスメイトが到着。
「桃~」
桃のクラスメイト4人が順番に自己紹介した。
「申し遅れました。私県立聖南大学付属第一高校1年A組の後藤木実です。宜しくお願いします。」
「同じく私、1年A組の北山雫です。どうぞ、よろしく。」
「私、1年A組の九条琴美です。何卒よろしくお、お願いします!」
「私は、1年A組の結城真美ですぅ!よろっしくね!!」
と、自己紹介が終わった。新堂真利は興味津々に
「あの優秀高校よね、いいなぁ~」
「確かに我々では到底無理ですね。」
と褒めちぎる二人。
そして、結城真美が口々に言った。
「木梨桃ことももっちがこの学校の学年一位なのです!!!!」
俺以外全員耳を疑った。こんなハイテンションな子が学年一位だとな。
「みんな言わないで、みんなとはは普通に暮らしたいのにぃ。」
と謙虚にするも花にはドヤ顔だった。
「フンッだ!頭が良くても集が好きと一緒にいる時間が全部合わせて私の方が多いんだから。」
「そうですか、私たち6年間一緒にいるんですよ、あなたは3ヶ月しかたってない。私たちの愛に
勝てないのです。」
「6年いても集はあなたに全く好いてないけどね。」
もも、木梨桃がチョっぴりキレた。
「そんなこといわんといてな!!」
えっ!そうだこいつがキレるとこういう口調になるんだ。
「ああ怖いももさんだ。」
「ああ、しゅーっちごめんね。ももっち怒っちゃったてへっ。」
「別に俺は気にしてないよ。」
むぅーと花が桃を睨む。桃も花に向かって睨み返す。
そうして、12名で海水浴に行く前に早くもドタバタな予感がすると悟った俺であった。
今回は家の前だけで第二話になってしまって申し訳ありません!次回は海水浴に行けるように
頑張ります!多分第四話になるでしょう。【ナレーション:藤本集】

ドタバタ!Carディガン【ウラバナ】第一巻「謎の少女」

ドタバタ!Carディガン【ウラバナ】第一巻「謎の少女」

  • 小説
  • 短編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-06-19

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted
  1. 【ウラバナ】第一話「集の幼なじみが現れてドタバタ」
  2. 【ウラバナ】第二話「俺の家の前でドタバタ」