鑑賞記録-新宿梁山泊第52回公演「ジャガーの眼」より
新宿にある花園神社に設営された紫テントにて観劇。
やはり金守珍の怪優ぶりが目をみはる。三幕仕立ての本作の内、休憩あけ第二幕冒頭、金守珍演ずる“Dr.弁”が奇奇怪怪なメカニック姿をあらわにする。妖麗な手術空間ではっちゃけまわるその様は、加減なく、ただただ圧巻。本公演「ジャガーの眼」において残念ながらこれほど異臭を放つ演者は他になく、どうしたって頭一つ突き抜ける存在として、彼が出ない場面など不在の舞台上に名残惜しさを感じてしまう。どの演者もすべからく個性的な魅力を発揮してはいたが、いま記憶をたどり起こせば、強烈に印象づけられているはやはり金守珍。無論、“Dr.弁”という役柄の特異性、くわえて作品的にアンサンブル要素が強かった点もあるだろうが。
鑑賞記録-新宿梁山泊第52回公演「ジャガーの眼」より