seasons...第二章、夏・太陽
物語上で起こった一部一部の出来事には、ノンフィクションが含まれております。
が、全ての固有名詞は、実在の物とは一切関係はありません。
基本的にフィクションな青春物語です。
話の量にバラツキはあるものの、日付毎にチャプター分けをしていますので、
読んでいく際の目安にお使いください。
それでは、お時間のゆるす限り、お楽しみください。
7月18日(月祝-海の日-)
に、今年の関西は梅雨明けした。
…でも、やっぱ雨降った記憶があんましないなぁ…大丈夫かっ地球…! って、
規模でかい!?
そして、ついにアツイアツイ夏がやってくる!!
夏休みを目前に、僕の気分はもぅ夏休みど真ん中っっ!
いくつになっても夏休みがある嬉しさはなくならへんなぁ〜わくわくする〜
そう期待ばっかして、やまない僕ぅ〜
7月25日(月)はれ
深夜に風がキツかったなぁ〜。
今日から金曜までテストかぁ〜…正直、しんどい…(笑)。
! だがしかしっ
今年の僕は、ソレさえも乗り越えられるっ…
…だって、今年の夏休みは彼女と花火大会へ、レッツ☆ゴ〜〜
…ついに毎年まいとし、ヤローだけで見に行ってた花火大会を卒業できるっっ(涙)
26日(火)くもり
台風がそれた。良かったぁ〜。
28日(木)はれ
飲料水のCMの宣伝で、文字が空に浮かんでいたらしい…
クラスの友達が言ってた。むっちゃ見たかったぁ〜〜〜
僕、そん時、何しとったんやろ? 残念…
29日(金)はれ
今日は、テスト最終日! よぉ〜ガンバった(涙…)
よしっ! テストもぶじ(?)に終わったことやし、来週の花火大会に葵ちゃんを誘おう!
やっぱりこーゆーのは、直接口で言わななぁ〜っルンルン
そ〜と決まれば、さっそく実行やっ
僕は、足早に大学を出ようと、やゃうかれながら門に向かった。
誠「ぁ、あれっ?」
見慣れた可愛い子が門の近くに立っている。
誠「葵ちゃん?」
葵「佐藤くんっ…」
誠「ど、どぉしたん? いきなり」
葵ちゃんから来てくれるなんて…Goodタイミング! 以心伝心〜ってヤツ?
葵「連絡もなしでごめんね。あの…ねぇ、実は私、佐藤くんに話があって…」
誠「本マぁ? 僕もやで〜(花火大会)」ニコニコ
葵「わっ、私から言ってもいぃ…かな?」
誠「? もちろん。どーぞっ」
葵「ちょっと…場所、かえへん?」
誠「うん?」
まだ微妙に人気の少ない、大学近くの公園に着いた。
葵「…」
誠「?」
葵「…言いにくいんやけど…、これ以上はお互いの為にもならへんから言うわ!」
誠「どったの? 葵ちゃん」
葵「佐藤くん…私達…別れよ。」
誠「…へ??」
葵「…ごめんなさい! 急で…。
でも、佐藤くん私といる時より斎藤くん達と一緒におる方がすっごく楽しそぅやねんもん!
…辛いねん、私。もっと私だけみてほしい! もっと一緒にいたい…ワガママかもしれへんけど、
友達より彼氏彼女と一緒におる時間の方が長いのが当たり前ちゃうんかな…
私達は一緒にいる時間が他の人達より短かったんだと思う…もっと努力すべきだったのかもしれない。
けど…でも、もぅ自分の気持ちも佐藤君の気持ちも、よくわからへんねん。だから…ごめんなさい!
本マに…勝手でごめん…佐藤くんを好きなまま、このまま別れるんは辛いけど…
でも、私には…耐えられへんねん…。」
…嘘ん……
葵「今度は私よりいい子と素敵な恋愛してね…!! それじゃぁっ…!」
…涙をこぼしながら、葵ちゃんは走り去って行った…
嘘…やろ、
嘘…やろ、
僕はしばらく、その場から動けずにいた…
宜之「あれ? 向こうに走り去って行ったん日向(ひゅうが)ちゃうん?
大学帰りに約束でもしとったんか?」
急にタカの声が聞こえた。けど、スグに返事をする気にもならなかった…
宜之「…どしたん? マコっちゃん! 彼女にでも(花火大会)フラれたか〜」
誠「…うん……」
宜之「あ、…マジか…でも花火大会位えぇやん? 祭りは他にもあるしなぁ、」
誠「…うぅん……」
宜之「は?」
誠「どぉしよっ!! タカっ僕、フラれてもたっっ」
宜之「ん? だから花火大会…」
誠「以前の問題発生やっ」
宜之「ん? 以前…! お、お前! フラれたんか? 失恋したんかぁ〜?!」
誠「そぉやって! っあーもーどぉしょぉ〜〜
今年こそは可愛い彼女と夏休み(や花火大会♪)を楽しみたかったのにぃ〜っ
…最悪やで…」
宜之「…まぁ……人生、いろいろ、だなっ」
ポンと僕の肩をタカは軽く叩いた。
誠「バカタカっ! 僕がどんだけ薫ちゃんのことで落ち込んだタカをなぐさめたんか、
もう忘れたんかぁっ!」
宜之「あははって、バカはないやろアホマコがぁ〜」
誠「アホってゆうなっ!」
原「…お前等さっきから何をゆうとんねん」
誠「?」
宜之「!」
声の方に二人して振り向くと、友達の原俊介がいた。
誠&宜之「あ、原…」
原「アツイ季節にアツイアホバカが騒ぐなよ、しかも公園でっ! 余計アツイ。
でもって、迷惑考えろ」
誠「うゎーん、ちゅんちゅけにまでアホ呼ばわりされたぁ〜」
宜之「オレも…ショック…いや、ソック?」
誠&宜之「ぅはははは」(2人して笑う)
原「お前等なぁ…」イラッ
堀田「まともな会話できてないよ、そこのトリオさん」
誠&宜之&原「あ、イチローさん…」
堀田「イチローさんて言わないで…声合わせて」
大学の友達の堀田一郎があきれ顔でいた。
堀田「そもそもなんでこんな状況になってんの?」
原「あ、話短くしよーと、はしょったなっ?」
堀田「煩いぞ、原」
宜之「オレに言わせれば、なんで原がおるんかがわからへんねんけど?」
原「はぁ?」
誠「それは僕のセリフやって、一番最初に来たんはタカやんかぁ」
宜之「オレはマコ探しとったんやん、一緒に帰る約束しとったやろ?」
誠「あ…あぁそやったね」
宜之「で、お前は?」
原「アホッかぁ、この公園の前は大学への道やろ? お前等本マにどーしょーもないなぁ」
堀田「それは言い過ぎやぞ、原」
誠「本マやわぁ〜さっきから俊介、言葉ひどすぎるでぇ」
原「それは悪かったけど、先にケンカ売ってきたんは誰やっ」
宜之「お前や、原」
原「えそやった?」
誠「うん…アホバカ言うたもんなぁ」
宜之「まぁここで長い事、他愛のない漫才しとってもしょーがないやろ、」
堀田「でもって、しょーもないよ」
誠&原「(このクールコンビが…宜之と堀田め)」
誠「! そぅやでっ! だいたいひとり悲しくおったのに、いつの間にかワラワラやって来て!」
宜之「!」
原「?」
堀田「ん? 何か悲しむ様な事があったとか?」
誠「え? あっ」
宜之「(アホやなぁ…)」
誠「もー僕のことは、ほぉっといてぇー」
僕は思わず皆の前から走りさってしまった…。
原「どうしたんや? アイツ」
堀田「泣きそうな顔して走ってったなぁ…」
原「宜之は何か知ってんの?」
宜之「…さぁ…」
その日の夜、タカから電話があった。
宜之「あの二人にはオレからは何も言ってへんから安心し。」
誠「うん…」
宜之「マコ…」
誠「ごめん。しばらくひとりにして」
そぅ言って一方的に電話を切ってしまった。
タカ、怒ったかな? …怒って当然やわな、
だけど…失…恋……しちゃったんやで? …落ち込んで当たり前やんかぁ
葵ちゃん…僕の事、嫌いになった訳じゃない。って言ってたよなぁ…でも、
やっぱり僕は葵ちゃんも好きやけど、タカ達と一緒におるんも好きやねん。
簡単には変われへん。
だからもう一度は…ないんかもなぁ
誠「アカン! マイナス思考なんて僕らしくなぃっ!」
だけど…あんなにはっきり言われると、言い返す言葉が見つかれへん。
誠「…ぅう…あぁ゛っ! 誰やっ今年の夏休みに期待してたヤツ!
ってオレかぁってオレって誰やぁ〜〜」
母「誠! どないしたのっこんな晩に。夏休みに入ったと思ったらいきなりしょげて帰ってくるわ、
大声で叫ぶわぁ…ご近所迷惑やから止めなさい」
僕の部屋のドアを開けて母が言った。
誠「母さぁ〜ん」
母「あんたねぇフラれた位で男がすぐ泣くもんちゃうで? そんなんやから彼女に愛想つかされんねん」
呆れ顔で母は言う。
誠「…僕……まだ何も言うてへんやん…」
母「あんたは顔や態度に直ぐ出るから」
誠「…」
母「そうそうお盆にね、翠が耕一さん達と家族で遊びに帰って来るから、部屋片付けておきなさいよ」
誠「えー」
母「どうせそんなに宿題ないんでしよ?」
誠「ないけどー…って、宿題て」
母「ちゃんとしないと和博君達に笑われるで」
誠「…うっ」
母「じゃぁね」
そう言うと母は部屋を出ていった。
母さん…
ドア、閉めてよ
―ドアを閉め、ベッドの上に上がった―
そっかぁ、和博君達も来るんやぁ。
当たり前か(笑)姉ちゃんと旦那サマ耕一さんの愛する子供達。和博君、秀喜君、桃香ちゃん。
3人共、大きくなったかなぁ〜正月以来やもんな。
皆今いくつ位なんやろ? 相変わらず覚えられへん…
そんなこんなで日が過ぎた。
8月5日(金)
明日は花火大会かぁ…ま、もう僕には関係ないことやけど…
…えぇねん、えぇねん、イジケてやるぅ……
−メールの着信音が鳴り響いた−
誰やろ…?
タカや
[明日の花火大会、7時前に神戸駅で待ち合わせしたから。気が向いたらでえぇから。
待ってるな、]
…タカのメールに、優しさを感じた…
翌日、花火大会当日。
まだ行くかどうか悩んでた…でも、このままじゃアカンわっ…僕らしくないやん。
このままふさぎこんでても、何もかわらへん。この暑い夏に、心までバテたらアカンっ!
誠「おぉっ今いい事ゆうたなぁ〜よしっ!」
いくべぇ〜
キレイな花火でもみて、スカッとするぞっ! ふしぎといつもの調子を取り戻した僕は、
うかれ気分で甚平に着替え、待ち合わせの神戸駅へと向かった。
駅に着く前から人の多さにビクついてたけど、いざ、駅に着くと、そこには恐ろしい程の人の数が…一瞬ひるむ…
さ、…さすが花火大会。
むっちゃ人多いやん…人酔いしそう…神戸ってこんなに人多かったっけ(笑)
圧倒されていると、携帯がブルった。
誠「ぉよ」
タカや。
宜之「あ、マコ? 良かった。繋がって、今お前に似た奴みかけて…」
原「おいっ」
誠「!」
急に後ろから肩をたたかれ驚き振り返る。
誠「…あ、原……」
原「宜之は?」
誠「え、あ! 電話…」
原は僕から携帯を取りあげると、タカと喋り始めた。
原「よぉ、俺。今マコと会ったからさぁ。宜之は? どこおんねん」
誠「…」
原「宜之は反対側におるってさ」
携帯を僕に返しながら言った。
原「いこか」
誠「あ、うん」
原「あ゛っ」
誠「ん?」
原「…マコ、おま…」
誠「え、何?」
原「甚平かよっバリバリ乗り気やなぁ」
誠「! なっ、俊介なんか浴衣やんかぁ〜普通花火大会に浴衣着るぅ〜?」
原「阿呆ぅ。甚平はガキっぽいねんで〜中坊までやわ。
大学生にでもなればな浴衣位は当然やで」ニヤニヤ
誠「チョイスがおっさんくさいねん」
原「あほぉ言うなぁ〜あ、じゃぁさぁ宜之は、どっちか?」
誠「え〜う〜ん…」
原「…」
誠「…」
誠&原「宜之かぁ〜…」
考えようとしたらタカが僕らに気付いて、声をかけてきた。
宜之「よっ!」
原「!」
誠「!」
宜之「って、お前等ぁ〜浴衣に甚平かよっ。気合い入り過ぎやぞ」
誠「タカは…」
原「…普通やな」
宜之「なっ! バカにしとん? 普段着で何が悪いっ」
誠「いやぁ〜」
原「ははっ別に」
誠「…」
宜之「おらっ、いくで。のんびりしとったら花火あがってまうわ」
誠「はぁ〜い」
原「はいよ」
人混みの中、どうにか花火が観やすいだろう…と思う場所にたどり着く。
宜之「結構人いるなぁ…やっぱり」
誠「花火大会やしねぇ☆」
原「皆たいがいPLの花火大会に行くかと思ったけど、そうでもないねんなぁ」
そんなこんなで喋っていると花火があがりだした。
原「おぉっ!」
誠「やっぱり夏の風物詩やねぇ〜」しみじみ
原「マコがそんな言葉知ってるとは…」
誠「原ぁ〜どぅゆぅ意味やねん」
原「はっはっはっ」
宜之「花火観ろ(笑)」
誠「あれ? 観覧車電気消えてる」
宜之「本マやなぁ」
原「花火に負けるからか、ついてたら邪魔なんか…」
宜之「両方やな」
無言になったり、歓喜のような声があがったり…で、楽しい時間は終わった。
宜之「あ、ついた…」
原「わかりやすっ! もう終了ってワケか」
誠「観覧車に電気がつくと花火終了の合図なんかぁ」
原「…ま、花火は終始上ばっか見上げてんねんから誰と見たって一緒やで!
現に楽しかったやろ? 気ー許せてる奴らと一緒やったらさぁ」
誠「原…」
原「先をみろ、」
宜之「ぷっ、そんな言い方してマコにわかるか?」
誠「大丈夫っ! わかったわ。本マ、有難う二人とも。やっぱり持つべきものは友達やのうっ」
原「あ゛!」
宜之「雨っ」
誠「すぐ止むかなぁ?」
宜之「今日天気予報見た奴」
原「見ん」
誠「見てなぁい」
宜之「だろうと思った…」
誠「とりあえず…」
原「急ぐか」
宜之「雨宿りは…しても同じやな、きっと」
尚広「あ! 誠っ!」
誠「ん?」
声がした方に顔を向けると、同じ大学の友達がいた。
誠「たかぴー! 宇野も」
堀田「俺もおるぞ」
誠「ホリイチ〜」
宜之「なんやお前等も男三人で見に来とったんか」
原「寂しいなぁ」
尚広「そぅやろぉ? しかも雅美浴衣やで(笑)って、原もかよっ!」
原「男は浴衣や」
雅美「僕はそぅゆぅつもりでもないんやけど」
宜之「堀田着そうやのに」
堀田「…俺は家では殆んど浴衣やで…」
誠「嘘ん!」
堀田「はははっ」
雅美「僕は年中浴衣に着物やで」
尚広「こらこら、」
宜之「鈴木は?」
尚広「オレが浴衣とか甚平とか着ると思う〜? ガラちゃうやん」
原「まぁな」
尚広「原が言うとなんか傷つくなぁ」
原「なんでやねんっ」
そんな、なごやかな雰囲気も束の間、僕等は足早に別れた。
そして雨降りの中、家路に着いた。
運が良いのか悪いのか、ズブ濡れまでにはならないで…
でも、
風邪ひきそ……
そして、姉ちゃんファミリーがやってくる日になった。
8月12日(金)はれ
誠「んぁ…?」
朝っぱらからガヤガヤとうるさいので、しぶしぶ目が覚めた。
―部屋のドアが開く―
まだベッドの上で布団にもぐっていた僕の体に、とてつもない重みが…!
誠「ぅはぁっ!」
和博「いつまでねてんねぇ〜んっ!」
秀喜「朝やぁ―おきろぉ―」
桃香「…」
誠「っなぁ…和博っっ!」
ピコンッ
誠「て!」
和博「呼びすてにすんな! 親でもないくせに」
誠「…こっ(こ憎たらしいガキが…なぜにピコハン持参やねん)」
秀喜「マコ兄ぃ〜どっかあそびにいこうよぉ〜」
誠「秀喜、おはようの挨拶は?」にこにこ
和博「おはよう言うてほしかったら早おきんかぃっ」
誠「こら、和博! ちょっとは優しく言えっ」
秀喜「大学生になってまでねぼうするやつにやさしく言うのはムリじゃ〜」べーっだ
…、姉ちゃんの子供とはいえ、いくら僕でも、ちょっと怒っちゃうよ?
桃香「カズ兄もヒデ兄も、いじめちゃダメッ」
誠「ん?」
秀喜「モモカぁ」
和博「だって、このおやじが…」
誠「ついにはおやじっ!」
どんな言葉使いや…全く。お前等の親は言葉使い、悪くないで?
桃香「ごめんねぇ。お兄ちゃんたち、ひさしぶりにマコ兄にあえてうれしいねん…
モモしってるよ?」
―誠の頭をなでる―
きゅ―→ん…
かっ…
誠「可愛いぃ〜桃香ちゃぁ〜んっっ」
―思わず抱き締める―
誠「えぇ子に育って(涙)」
ピコッッ!
誠「あた!」
和博「おれらのカワイイももかにさわんなぁ〜」
誠「…ぎゅ〜」
―意地悪っぽく笑顔で桃香を抱きしめる―
和博&秀喜「!!」
翠「和博ぉ、あんたら起こすのにどんだけ時間かかって…」
桃香「きゃ〜 和博「わぁ〜 秀喜「きゃきゃっ 誠「あはははは…」
翠「…」
誠「は…?」
翠「えぇ加減にしなさぁーっいっ!」
ピコッ☆ピコピコッ☆ピコンッ☆
和博&秀喜「ごめんなさい…」
誠「なんで僕まで…?」
翠「何パジャマのまま遊んでんのよ、さっさと着替えて下に降りてきぃや」
誠「ふぁーぃ」
翠「皆は降りとこな」
和博&秀喜&桃香「はぁーい」
翠「えぇ返事や」
…母、強し…!
誠「あ、耕一さん、お久しぶりです」
耕一「誠くん、久しぶり〜。元気してた?」
誠「はい、なんとか。今日は、また朝早くにお着きで…」
翠「何ゆうてんの、もぅ昼やで?昼ご飯時や」
和博&秀喜&桃香「!」
耕一「まぁ夏休みやしなぁ」
翠「アカンて耕一さん、この子は昔っからいっつも休みの日は、こんな調子やってんから」
誠「すんません〜〜」
和博「お昼〜〜」
秀喜「おなかすいたぁ」
桃香「おかぁさん、ごはん…」
翠「はいはい」
母「何食べたい?」
和博「おばぁちゃん、おれ肉!」
秀喜「ぼくカレー」
桃香「…モモ…も」
母「はいはい。そう言うと思って作っといたよ、カレー」
秀喜「わあーい」
桃香「やったぁ」
和博「肉…」
母「たくさん入ってるからね」
和博「ありがとぉ、おばぁちゃん!」
翠「はい、じゃぁ皆で食べよな」
全員「いっただっきま〜すっ」
母「召しあがれ」
昼食も終わって束の間…
誠「今日どっか行くん?」
翠「ん? ん〜なんも考えてないけど…この子らはどっか行きたいかもなぁ」
誠「てきと〜」
翠「明日はちゃんと予定あるよ」
誠「何〜」
耕一「明日は皆でスカイマークスタジアムに試合観に行こうと思ってねぇ」
誠「そうなんすか?」
耕一「皆野球大好きなんやぁ〜」
うわぁ〜むちゃくちゃ幸せそぅな顔しとる…
耕一さんは大の野球好きで、可愛い我が子の名前にまでつけるほどです。
長男、和博君。次男、秀喜君。…思いきるよなぁ耕一さんも。
長女、桃香ちゃん。は、姉ちゃんがつけたみたいやけど。
だから子供達は必然的に野球ファンに…すごいわぁ〜
耕一「誠君も良ければ一緒にどない?」
誠「えっ僕も一緒に行っていいんですか?」
もちろん僕も大学で野球愛好会に入るほどの野球好き…え? 野球部じゃあないって?
色々人生にはあるんよねぇ。
話は戻って、
翠「えぇよ。一人ずつ面倒みれるしなぁ」にやり
翠「皆は〜?」
和博「まこ兄も?」
秀喜「いぃよ〜」
桃香「うん」
翠「じゃぁ決定〜〜!」
誠「わぁ〜ぃ〜」
耕一「明日の予定は決まったけど、今日は何処か皆行きたいとこあんの?」
翠「ある人〜?」
和博「はいっ!」
翠「はい、和博」
和博「ゆうえんち!」
翠「却下〜」
和博「え〜〜〜」
秀喜「はぁい!」
誠「はい、秀喜」
秀喜「ん〜と…」
耕一「考えてなかったんか」
桃香「はぁい」
翠「はい、桃香」
桃香「おそとであそびたい」
翠「じゃぁ〜近くの公園にでも行こっか?」
和博&秀喜&桃香「行く〜」
誠「じゃぁ行ってらっしゃぁ〜い」
翠「え? 何言うとん、あんたも行くんやろ?」
誠「へ(ぇ)っ? 当たり前のように…(そういう気分でないのよ、お姉さま…)」
和博「まこ兄も行こうぜぇ〜」
秀喜「行こうよぉ〜」
桃香「あそぼ」
誠「…よし、皆で遊びに行こおっ」
…で、やって来た公園。
耕一「さぁーて…色々遊ぶもん持ってきたけど、何して遊ぼうか〜?」
和博「おれ野球ー!」
秀喜「ぼくも〜♪」
耕一「よぉーし、いこ〜」
誠「早っ! …桃香ちゃんは何して遊ぶん?」
桃香「モモ…バド…ミントンしたぃ」
誠「よぉーし、じゃぁマコ兄としよう。姉ちゃんは?」
翠「あたしは観戦〜」
誠「…(今日も観戦、明日も観戦…)」
皆でサッカーや野球をしたり…で、時間は、あっちゅーまに過ぎて…―
翠「もぉーそろそろ帰るー?」
耕一「お?」
誠「まだ遊びた〜い」
耕一「そぅ! まだまだぁ〜」
翠「大人二人が何言ってんの。ちょっとは子供達の体力考えてよ、」
耕一&誠「あっ…」
桃香「むにゃ…」
和博&秀喜「ふぁあ〜」
耕一「明日も出かけるしなぁ〜じゃぁ皆帰ろかー」
誠&和博&秀喜「ふあーぃ…」
翌日8月13日(土)はれ
絶好の野球日和っ!
のんびりと起きて、昼食を食べた僕達六人は、球場へと向かった。
耕一「今の時間帯やと…丁度練習ってとこかなぁ〜」
和博「おれサインほしい〜」
秀喜「ぼくも!」
桃香「モモも〜」
誠「おっ! 皆目当ての人がおるんやぁ〜誰々〜?」
3人「ネッピー!」
誠「…は?」
桃香「きゃっきゃぁ〜」
誠「…って、ぇえぇ〜?」
耕一「いやぁ〜和博はどうかわからんけど、皆まだ小さいからなぁー」
誠「そんなもんすか」
翠「どっちでもえぇや〜ん。マスコットキャラは大事なんやし」
誠「ま…ね、」
翠「ほらっ迷子にならんよーにせなアカンで!」
3人「はぁーい!」
秀喜「わぁっネッピー」
桃香「きゃ〜」
誠「ねっ熱狂的なのねぇ」
和博「サインちょうだい! あとアクシュしてっっ」
桃香「モモも〜」
秀喜「ぼくにもください!」
誠「じゃぁ僕も〜」
耕一「あ…」
翠「え、耕一さん?」
耕一「えー? アカン? 僕もほしい…」
翠「…」
誠「すげーネッピー生サイン! 初めてもらったわ」
和博「宝もんにしよう! なー?」
秀喜&桃香「うん!」
耕一「…写真撮っただけ…」
翠「耕一さん…コホン。皆、夜ごはん買っておこうか? 何食べたい〜?」
耕一「そやなぁ別れて買おか? 子供ら時間かかるかもしれへんし…」
誠「そうですよね、席もとらなアカンし」
和博「おれあとでい〜。席さがしに行く! モモとヒデはえらんどき」
秀喜&桃香「うん」
翠「じゃ〜耕一さん、カズと席宜しく」
耕一「うん、わかった」
誠「じゃ〜僕も。晩ご飯選びお姉さん宜しく〜」
翠「は? あんたおごらす気?」
誠「え〜おごってよ〜」
翠「ご飯代位出しなさいな」
誠「交通費は自分で出したもん」
翠「…しゃーないなぁ〜」
誠「ありがとうございます! お姉さまっ」
耕一「桃香大丈夫? 試合始まるまで少し寝とくか?」
桃香「…ぅん」
誠「…(親子っていぃなぁー)」
翠「和博と秀喜は?」
和博「おれは大丈夫!」
秀喜「ぼくだって大丈夫!」
誠「二人とも目ギラギラやで…」
翠「花火は七回裏やね…ちゃんとその時まで起きときよ、2人とも」
和博&秀喜「はぁい!」
六時に試合は始まった。
桃香「…すごーぃ」
和博「おれ感動ー」
秀喜「ぼくもあんなにいっぱい打ちたいなぁ〜」
誠「今日はホームラン合戦やなぁ」
翠「面白いけど…投手陣辛いなぁ…」
耕一「翠、それが野球さっ」
翠「(イキナリ輝いてるし)うーん」
桃香「ボールほしぃ…」
和博「おれもっ! やけど、外野じゃないとボールは飛んでこーへんねんで? 桃香」
桃香「そーなん?」
秀喜「こっちやとファールボールやで」
桃香「ふぅ〜ん〜」
13対8でむかえた7回裏。
誠「このまま逆転は…」
耕一「いやっ! ファンなら応援するのみやで! 誠君」
誠「ですよねぇっ!」
翠「あ!」
耕一&誠「えっ?」
翠「ほら、皆そろそろ花火始まんで〜」
和博&秀喜「おぉっ」
桃香「わぁ〜」
誠「(今年2回目の花火やな〜)」
翠「キレーやったねぇ〜」
和博「今年初めてみた! むっちゃでかいし迫力あった〜」
秀喜「またみたいなぁ〜」
桃香「きれかった」
翠「もぅちょっと皆が大きくなったら、別の花火大会も行けるよ」
誠「そっか、危ないもんねぇ」
翠「そやでっ花火は毎年するんやし、安全第一!
遠ーくからやったら家からでも見れるもん。ねぇ〜?」
秀喜&桃香「うん!」
和博「この迫力には負けるけどなぁ」
耕一「はい…。よし、そろそろ帰ろかぁ」
秀喜「え〜」
和博「まだみたい〜」
翠「アカン。電車なくなったら帰られへんやろぉ? モモも寝かけとおし…
本マはカズもヒデも眠いんでしょ?」
和博&秀喜「…うん…」
誠「素直やなぁー」
耕一「じゃぁ帰ろう。二人とも今日は楽しかった?」
和博&秀喜「おーぅっ」
和博「また皆で来ようなぁ〜」
翠「そうやねぇ。
あ、誠聞いたでぇ〜。今年も男友達らと花火大会観に行ったらしいやん。」
誠「! なっ、母さん言うたなぁ〜」
翠「あはは」
誠「アカンのかっ」
翠「そんなん言うてないやん」
耕一「確かに」
誠「うぅっ…」
翠「心配してるんやよ、母さんも」
誠「そーかー?」
耕一「これから先、出会いはまだまだ沢山あるよ」
誠「耕一さんまで…」
和博「え、何? マコ兄っ」フガッ
耕一「はぁい、良い子は黙っていようね〜」
秀喜「あはは〜」
8月14日(日)はれ
姉ちゃんファミリーが帰る日。
母「皆、風邪ひかない様にね、また会おね〜」
翠「母さん、父さん有難う。また来るね」
父「うん、またおいで」
和博&秀喜&桃香「はぁいっ!」
和博「おじいちゃんおばあちゃんありがとう。元気でね」
耕一「お義父さんお義母さん、色々有難うございました。また来ます」
母「いぃえ、なんのもてなしもしませんで…」
秀喜「カレーおいしかったよ!」
桃香「オムライスも」
和博「また食べにきてもい〜い?」
翠「こら」
母「いつでもおいで〜」
耕一「誠君、皆のお守り有難う。久々に会えて嬉しかったみたいやで」
誠「僕も楽しかったですよ! 野球も連れていってもらえたし、皆とも遊べたし」
和博「また遊んでやってもえぇで」
耕一「こらこら、ちゃぁ〜んとお礼は?」
和博「…ありがとう。また一緒に野球しよーぜっホームラン打ったるわっ」
誠「おぅっ! 僕も和博に負けんよー魔球投げれる様になっとくわっ」
和博「ゆったなぁ〜?」
誠「本気出せば投げれるさっ」
秀喜「ぼくが打ったるよっ!」
誠「あはは、おっけ〜! 桃香ちゃん、またね〜」
桃香「…」
母「あら寂しいんやね、誠と離れるの」
父「じいちゃんじゃないのか…」
母&翠「お父さん…」
耕一「桃香、」
桃香「もっとあそびたぃ…」
きゅ―→ん…
かわえぇなぁ〜桃香ちゃん…
桃香「マコ兄、元気だしてね」
誠「えっ?」
桃香「悲しくなったらモモがまたあそんであげるからね」
誠「ん?」
翠「まさか…昨日の帰り道のん…?」
耕一「流石は女の子、勘いいなぁ。桃香」
誠「えっ? えっ」
まじっ?
小さい子にまでなぐさめられる僕って…
誠「桃香ちゃん、ありがとうね。嬉しいよ」
帰りがけに桃香ちゃんが走って僕のところに来た。
誠「? 忘れもん?」
桃香「うん」
そして僕の耳元でコソっと…
桃香「あのねっマコ兄はね、たいようみたいにキラキラしてるんだよ。
だからモモ、マコ兄だいすきなんだぁ」
そうして姉ちゃんファミリーは帰っていった。
楽しい時間を残して…
誠「父さん」
父「ん?」
誠「久しぶりにキャッチボールしようか?」
父「お、そうだな」
母「あら、めずらしいねぇ」
それから何日かして…
男「兄ちゃん! 野球好きなんはわかるけど、こっちビール!」
誠「あ、はい! すみません、ありがとうございますっ」
見渡した場所は、自然に囲まれた爽やかな風の吹くスタジアム。
今しか出来へん、僕にぴったりのバイトや!
誠「おぉ? ホームランっっ!」
僕の暑い夏は、まだまだ始まったばっかりだった。
完。
天汰PresentS・
seasons...第二章、夏・太陽
Since...2oo5/2o14
〜おまけ〜
桃香「モモ、マコ兄のおよめさんになってあげる」
誠「えっ?」
耕一「えぇー」
誠「(かわぃー)ありがとう桃香ちゃん。でも桃香ちゃんが大きくなったらマコ兄、
おじちゃんやけど…それでもい〜い?」
桃香「…じゃーぃゃ」
ガガーン
耕一「…もぅ、お嫁の準備か…」
翠「って、いや(又)フラれてるし…気が早いて、耕一さん」
誠「…また、フラれたっ?!」
seasons...第二章、夏・太陽
いかがでしたか?
拙い文章で、もう、本当に手の施しようがないので、手直しなしで載せています。
10年以上前の作品ですが、未だに気に入っている季節シリーズです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。