鑑賞記録-金曜の夜の集会第3回集会「ゴールド」より


荻窪にある荻窪小劇場にて観劇。
限られた小空間に溢れるような想像力を駆使して宇宙規模の物語を生みだす。音響・照明などの効果は(この規模に比較して)贅沢に使用していた感はあれど、紡ぐは役者。白布一枚と数脚の学校椅子を用い、空間・時間を飛翔する。まるで野田秀樹を彷彿とさせる(そうした作風にインスパイアされての集団であるから納得はいくが)リリカルで想定外な言葉の数々が螺旋状に渦を巻き、わずか一時間半ばかりの小旅行を実現させる。原作は宮沢賢治「銀河鉄道の夜」だろう。けれども印象は、昨今なかなか比類をみないオリジナルであった。
いささか残念だったのは役者であろうか。言葉・想像力のアイディアが卓越していただけに、その羽を捥がれ、いざ身一つで場面を繋げねばならないところにおいて、脆弱さというか情報量の減退が際立って目についてしまう時があった。

鑑賞記録-金曜の夜の集会第3回集会「ゴールド」より

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「荻窪にある荻窪小劇場にて観劇。 ……」

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-06-15

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