ラバすと!10
「えーうまい具合に皆とはぐれて、アレに追い詰められてしまったな。」
「…わざわざ言わなくてもわかるわ」
エルとナツは塊に追われて追い詰められていた
「とりあえず…ん?誰かくるぞ!エル!」
「…未来視?」
「あぁ!」
直後、塊の中からある人物が降りてきた。
「いきなりで悪いが殺すよ?」
「何者?というか名乗れよ?」
「…まったくナツの言うとおりね」
降りてきた女は言い張った。
「おいおい、君たちは殺されるのに知っておいて意味があるのか?」
「なら名乗らなくても良い。…そうか「ヨル」って名前か。」
「ん?未来視か。」
「じゃっ…始めよう。ヨル。」
「てぇい!」
ヴァルデューゴが振り下ろした剣が空を斬る
「向かってくるなら…!」
大振りをふったヴァルデューゴの鳩尾にユリが肘打ちがめり込む
「っ!?」
ユリが後退した直後、ユリの左腕が斬りおとされた。
「なに…これ?」
「ふふふっ。これが私のらばストだ。私から3m以内の地点を切り裂ける能力。それより自分のことを
気にしたらどうだ?片腕を失ったのだぞ?」
「あいにく…気にならない体質でして!」
そういうと切断面が沸騰したかのごとく泡立ち始め、手の形を形成していく
「貴様!なんだそれは!」
「これが私のらばストよ。もう終わらせるわね。」
「なっ……」
言い終わる前に高速移動したユリの拳がヴァルデューゴの顔面にめり込んだ
「進ませてもらうわね。」
「くそっ!当たれこら!」
「どうした?小さいの?一発も当たらんぞ?」リンとトウキは暮羽と戦っていた
先ほどから戦いが続いているが、リンの拳は空回りし、息を切らしているが対する暮羽は依然として余裕を貫いている
「そこだっ!」
トウキのイリュージョンボムが暮羽の足元を爆破した
が
倒れる直前に暮羽は瓢箪を上に投げ、一回転すると瓢箪を掴み再び掴んだ。
「嘘だろ…!」
「零せよ!おっぱい姉さん!」
唐突にリンが殴るのを止めた
「おいおい姉さん?らばストは使わないの?」
「ん?私が使えばアンタたち何もできずに負けるよ?」
「なら私は使わせてもらうよ!」
「ははっ!結構!」
ガシャン!
ビシュアァァ
「………」
「………」
瓢箪が破裂した
「トウキ…?」
「これで勝ちですよね?」
「ああ。アンタ達の勝ちだよ。そこの坊やに救われたね。」
「どういう事?」
『もう一度言うよ?私のらばストだよ?」
亜空間から出てきたエナが目にしたのはもう一人の自分だった
「変化能力かしら?」
『どうかな?試してみる?」
「このっ!」
エナが殴りかかるとツバメは既に亜空間へと消えていた
気付いた時にはツバメが殴りかかってきた。
躱して距離をとるエナ
「能力まで真似るとはね」
『君より上手く使えてるかな?」
「まだまだ。まだ奥の手があるよ?私は」
そういうとツバメが亜空間にきえた
『なら、それを使わせる!』
「もう遅いわよ。」
亜空間からでてきたツバメはその時気付いた
出入口が遮断された。
まだ亜空間にあった体の両脚が切断された
「私の勝ち」
エナはその場から立ち去った
『次は必ず!お前を殺す!」
「はぁ…はぁ…!ぐぁっ!」
「ナツ!もういいでしょ!彼女はもう死にかけよ!」
ヨルはピクリとも動かないナツから視線を外しエルに視線をむけた
「なにをいってるんだ?私は殺すといったはずだが?なにかおかしいことしてるか?」
「なら私と…」
「どっちと戦うか、決めるのはお前じゃなくて私が決めることだ。」
「よせっ!エル!」
動かなくなったナツから声が聞こえる
「驚いた!まだ生きてたか?」
「おかげ様で――」
話してる途中だがヨルはナツの顔面を蹴り上げた
「その生命力に免じて私がコイツでトドメをさしてやろう
菜箸を取り出したヨルが言い切った
「おい!ナツ!」
「あっ?」
ヨルの後ろ、少し離れたところからこえが響いた
「だれ?アンタ?」
ヨルが尋ねる
「おれは…俺の名前はカイだ!」
ラバすと!10