ラバすと!7

らばスト解説

魔術師…世界に潜む悪の秘密結社的なもの
リーダーはゲルファムを含めて7人存在する

「触れた対象を昏倒させる力…それはあやつの腰に下げてる壺。それの影響じゃ。」
「壺?」
「左様。本来らばストは一人に一つ、一つに一人、似た能力はあるがな。
問題はそこじゃ。やつのフルスペックは身体機能の強化。決して昏倒させるなどできはしない。
考えられるのは、壺がらばストを使えるといった具合かの。」
「壺!?…それより物がらばストを持てるのですか?」
現在、ユリチームとカイチームのカイ以外が鳳鳴の話に聞き入っていた。
「確かに議長の推測は現実味を帯びている…」
カイは検査のため鳳鳴傘下の医療施設に運ばれている
「そしてその壺のらばストじゃが…おおよそ毒系統の物じゃと思う。それも毒性の高いな…」
「でもそれじゃあ使ってるベノム自身も…」
「フルスペックは毒に対する耐性までもっているのか、はたまたなにかし――」
「鳳鳴様!」
「何事じゃ?」
トウキの言葉を遮って鳳鳴の従者が声をあげた。
「魔術師の出現報告が!」
「すぐに行く。――そういうわけじゃ。またの機会にな」
そう言うと鳳鳴は転門をくぐり去っていった。

「すごいな!ユリ!トウキ!」
「わっ!なにが?リンちゃん?」
「だってあの鳳鳴議長と会話してたんだぞ?一生の思い出にできるぜ?」
「そんな…すごいことじゃないですよリンさん…」
「いやいや謙遜すんなってトウキ!すごかったよ!」
「いや…ありがとうございます…」
「ん?トウキ顔赤いぞ?どした?」
「私が話そうリン。トウキは惚れ――」
「黙れ!ナツ!」

「ん……ここは?」
少女が目を覚ますと、とある建物の中にいた。
正確には巨木の中に作られた空間で敷かれていた布団で半身を起していた。
少女の名前はハル
薄い透き通った金髪、白いダウンコート、下には白いスカート
見た目はどう見ても人間だが種族的には吸血鬼である。
少女のらばストは「バリアブルセーフティー」
目に見えない不可視の壁、あるいは膜を張り、攻撃を防ぐのである
『あ!目が覚めた?』
ハルの正面にあった扉から声が聞こえ、一人の少女がやってきた。
『おはよ!時間的にはこんばんわかな?w』
やけにハイテンションな少女が話す
『私の名前はツバメ、もっと細かい名前も聞く?』
「いや…聞かない…それよりここは?」
『あ?もっともだよね?ここは虚離宮っていってベノム様の世界なんだよ?」
「ベノム様?」
『君を連れてきたロボットの親玉だよ。そして私を創った人』
「あなたもロボットなの?」
『そうだよ。ここにいる戦闘員は全員ロボットなんだよ?幹部は一部ロボットかな?』
「幹部?」
『そう…幹部は全部で6人いる。えーっと私とお姉ちゃんとヴァルデューゴに――』
「待って!あなたもなの?」
『そうだよ。』
「なぜ私にそんなことを?」
『なぜって…冥土のお土産にでも、と思って』
ハルは咄嗟にバリアを張った

『それで何ができるの?』

『ふうっ…あのバリアはウザかったね…ムク!処分しといて…』

「ねえみんな?どうやったら虚離宮に行けると思う?」
ユリが全員を集め、話をしだした。
「どう?って無理だろ?」
「でもナツ?私にそれができるとしたら?」
「まあ、行きたい理由はハルを助けたいからだよな?」
痛いところ…というか正解だ。
「万に一つ行けたとしてどうやって助ける?向こうの土地勘もなし。敵の戦力も未知数
私はごめん被るね。」
「みんなは…?」
ユリはみんなを見るが一様にうつむいている。
ユリ自身も諦めかけたその時
「ま!そんなバカに手を貸すのも仲間って奴だろ!」
「…リン!」
「二人だけなんて…ユリが可哀想じゃん。私も行く!」
「ナツ…!」
「姉貴ひとりじゃ危ないからね…」
「トウキ君…!」
「…私だけ置いてく気?」
「エル!」
「私はもちろん着いてくよっ!ユリ!」
「エナ!…みんなありがとう!」
「じゃあユリ!どうやって行くのか説明してくれ。」

「急に呼び出すとは何事だ?ベノム?」
「すまないと思っています。ゲルファム殿。しかし報告が…」
「なんだ?つまらん報告なら…」
ゲルファムと対峙するベノム
ゲルファムは先ほどまで鳳鳴と戦っていた
戦闘中にベノムから一報が入り、戻ってきた。…周りからみれば逃げ帰ったように見えたであろうが
そこには出迎えもせず、客間でくつろぐベノムがいた。
ソファに座って会話をしだしたゲルファムだが急に体がマヒした。
「もう動けなくなりましたか?これで本題を言えるな。
結論からいうと君は本当に魔術師か怪しくなったので私の研究材料になってもらうよ…
だからさ…安心して…死んでよ!君の代わりは私が務めるからさ!」
「…………!……!!」
ろくに動けないゲルファムは不気味に艶めかしいベノムの狂喜の笑顔を見たのを最後に研究材料になった

ラバすと!7

ラバすと!7

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-06-11

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