ウチの家に住みこむ6人の世話係系の男子達。

ある日、それはイトコの
お姉ちゃんが大家の共同の
家に住み始めた事から始まった。

お姉ちゃんが1年の間、
海外研修に行っている為、
アタシは仮の大家になり、
6人の男の子達と、
7人で暮らすという生活。

―ど う し て こ う な っ た

※期待はしないでね!! by大家

ここは、とある町のとある3階建ての共同アパート。

私は神酒梓之紅。今日からいとこのお姉さんが大家を務めるこの家に引っ越してきたのです。

「お邪魔します。」

「ハイハイ。あがってあがって~まさか梓之紅がアタシを頼るなんて思ってもなかったわ~」

そう、言っているのは、イトコの朱羅お姉さん。

「朱羅さんなら、助けてくれるかなって。」

私は素っ気無く答えた。

でも朱羅お姉ちゃんは明るくこう、答えた。

「そんなしょぼくれた顔しないでよ~楼座さんも達楼さんも梓之紅を守ったのよ?」

でも、私は俯いたまま、なにも答えずにいた。

「……。」

「あ、そうだ梓之紅。部屋、どこがいい?一階の102か二階の207か…三階が、屋根裏かな?」

やはり朱羅お姉ちゃんは明るく笑顔で言う。

「二階は、男の子が沢山いるんでしょう?私は屋根裏部屋でいいよ」

私はそう言うと、お姉ちゃんから逃げるように階段を昇っていった。

・・・ごめんね。お姉ちゃん。

こんなに捻くれちゃって。


でも、今は笑え無いよ。…笑っちゃ、いけないよ。

ガチャ…


屋根裏部屋の扉を開くと、一面硝子張りの天井と、畳張りの床、家具は私の物が綺麗に並べられている。

背中で扉を閉めると、扉に体を預け、溜息をつく。

「愛は目の内にある。今は目の前にある。私はここにいる…。」

そう呟くと、紅色と薄紅色のドットを描いた模様のベッドへと、飛び込む。

目を閉じ、あの時の事を思い出す。

あの日は、全体的には、どこの各地も晴れていた。

だけど私が住んでいた場所だけは、台風が接近していて連日大雨が続いていた。

その為、土砂災害などが起こり、外出できる余裕など全く無かった。

でも、アタシはお気に入りのペンダントを誤って窓から土砂の凄い道路へと落としてしまい駄々を捏ねていた。

そんな私を見かねた両親が大雨のなか家を出て、ペンダントを必死になって探していた。

ペンダントは見つかった。

だが両親は、亡くなった。

私に、紅色の桜のペンダントを託し、私を置いて行った。

そして、朱羅お姉ちゃんの居るここにきた。

…ふと気が付くと、私は2時間近く眠っていた。

天井を見る。 空は朱色に染められていた。

時計を見る。 6時前を短針がさして居た。

下から朱羅お姉ちゃんの声が聞こえてくる。

…よんでるのかな?

私は静かに扉を開け、1階へと階段を降りてゆく。そこで、階段に躓き、私はこけてしまった。

「ぷっ」

誰かが私を馬鹿にする笑い声が聞こえる。私は足首を押さえながら立ち上がる。

「あらあら~大丈夫?梓之紅。」

朱羅は驚き、梓之紅に駆け寄る。

「…大丈夫、です。」

私は俯きながら言う。

「ダッセーなァ?」

背後から聞こえる男の子の声。

「ちょっと!巴!笑ってないで湿布!」

朱羅さんは巴と呼ばれた少年を怒鳴りつける。

「いたそー」

軽く言う男の子の声。

「…この程度なら1日2日で治るだろ。」

そう私の足首に触れながら言う男の子。

「やっぱ高速はすげーな!はい、湿布。」

笑顔で言う男の子。

「…あの、」

私は恐る恐る朱羅さんに話をかける。

「ん?あぁ。紹介するわね。最初に言った金髪の男の子が佐倉巴。」

そう言って住人を紹介する

「…バカそうなツラ。」

巴は冷たく言う。

「次にジャージの男の子が市村空海。」

「マジでいたそー。」

空海は笑いながら言う。

「で、眼鏡の世良高速。」

「痣にはなるが大丈夫だ。」

高速は眼鏡の位置を直しながら言う。

「最後にこのチビがシスコンの新井空宇。」

「は、はじめましてっ!って!シスコンじゃ…!」

空宇は深くお辞儀をし、朱羅に反発する。

「後は…如月君と仁かな。」

朱羅が言ったと同時に乙女ヶ崎ハイツの玄関前に1人の男が現れる。

「だだいま。」

そう呟きながら、ネクタイを外す男性が現れた

「あら。如月君。お帰りなさい。」

朱羅は驚きながら言う。

「今日は早退してきたんだ。可愛い妖精ちゃんを見に」

如月と呼ばれた男性はそう言いながら梓之紅に視線を合わせて笑う。

「…やっぱりね。紫苑高校1年3組に教育実習生として、勤めている如月直留です。…僕に、見覚えない?」

直留は黒縁の眼鏡をかけると、にっこり笑う。

「えと…、如月先生ですか?こ、こんにちは。」

梓之紅は驚きながらペコリと頭を下げる。

…、驚いた。女の子達にモテモテで、男の子にも好かれる、如月先生がここにいるなんて。

「へー。如月君が実習生やってるって本当だったのね」

驚きながら朱羅は言う。

「まぁ、でも僕は“夜”がメインだけどね」

困った顔をして、直留は言う。

「…よる?」

首を傾げながら梓之紅は言う。

「あー。ホストクラブの事ね。」

朱羅は笑いながら言う。

「直留は昼は学校で働いてて、夜はホストクラブで働いてるのそれも、人気No.1のね!」

直留は黙って階段をあがり、静かにドアを閉めて行った。

「あーあ。いっちゃった。ま、他にも、巴は信頼性の高い生徒会会長だったり、空海はサッカー部のエース、高速は天才歌手だったり、空宇はド・シスコンだし、
 ここにはいないけど、仁は天才プログラマーだったりと結構凄いコたちがいるのよ?」

朱羅は胸を貼りながら言う。

ウチの家に住みこむ6人の世話係系の男子達。

ウチの家に住みこむ6人の世話係系の男子達。

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更新日
登録日
2011-12-18

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