奇妙な悪魔物語

奇妙な悪魔物語

第十二話 裏切り者①

奇妙な悪魔物語 第十二話 裏切り者①


時刻は6:30分。私は今、宮崎空港に来ている。何故私がここに来ているのかと言うと....ストーカーされるためである。

さかのぼること約12時間前....

ベルゼブブの隠れ家より

[案内人....?どうゆうこと?どうして私に?]

[それを今から説明する、簡単だ]

と言い、写真を手で姫子の前に持っていく
姫子はその写真に視線を移す
そこに写っていたのは赤い髪をしたボウズの男だった。ベルゼブブはそれを指差し
[この写真の男の名は“アガリアレプト“。上位六体悪魔の1人で私の親衛隊の1人だ。彼には連絡がどれだけ。“空港“で待つように伝えた]

[空港?どうして空港なの?連絡がとれたのならここの場所を教えたらいいじゃない?]

そう姫子が言うとサタナキアが“ちっちっち“と人差し指を振り、言った
[全然わかってないなー姫ちゃんは。それじゃダメなんだよねー。]

[どうして?]

[もし、彼に直接、通信機や携帯でここの場所を教えてごらん?誰が聴いているのかわからないんだよ?そう、盗聴される危険があるんだよ。そうなったら隠れ家の意味がなくなるの]

[で、でもどうして私が?]

[盗聴する危険があるのはライフルたちに情報を流した裏切り者たちだ。そいつらは我々の顔を知っている.....が、君のことは知らない。だから君に迎えにいかせるんだよ]

そしてベルゼブブが
[作戦はこうだ。姫子はまず空港を歩き回る。それを見つけたアガリアレプトが姫子の後をつける。そして姫子はそのまま我々の隠れ家に向かう。それだけだ。理解できたか?]

それに姫子は不満そうな顔を浮かべ、腕を組んで考えている
[んー....でももし、そのアガリアレプト?って人の後を裏切り者がつけていたら結局バレちゃうんじゃない?]

それを聞き、ベルゼブブはニヤリと薄ら笑いを浮かべる
[更に、その後ろでサタナキアについてもらう。二重ストーキングだ。もしアガリアレプトの後をつける奴がいるならそいつをサタナキアが先に見つけて暗殺する。それだけだ。簡単だろ?]


........................と、言うわけで私は今空港に来ていた。
6:30分、人の人数はMAXになる時間である。どこを見ても人だらけで、空いた自動ドアはしまることがない。

アガリアレプト?という悪魔は私の顔を知らないらしい。じゃあどうやって私のあとをつけるかって?
それは空港の中にある大きな地球義の前で、まず鏡を見る。そして次にすぐそばにある自販機で“ほんのり苦いプチ桃ソーダ“を小銭出なく1000円札で買う。それをその場で飲み干しゴミ箱へ、そして地球儀の前に立ち一礼する。これの見える位置にアガリアレプトがいるらしい。それを見た彼がストーキングを始める。こうすれば私の正体は敵に知られることなく安全に案内ができる、と言う作戦だ。

正直な話めんどくさいけどやるしかない。

姫子は地球儀の前に立った。思っていたよりでかいな、と思った。そして手鏡を手にする。それに映る自分の顔を見た。そして鏡をしまう。
次に自販機に向かって歩く。その途中辺りをチラチラと見渡す。なんとなく写真で見た男のことが気になったのだ。だが、人が多く、それらしき人物は見当たらない。これではあちらもこちらを見つけれてないのでは?そう思った。

そして自販機の前につく。そして千円札を入れ“ほんのり苦いプチ桃ソーダ“を購入する。そしてそれのふたを開ける。するとプシュッと炭酸の抜ける音がする。姫子はこれを飲むのがはじめてだ。腰に手を置き、それを“グッ“と一気飲みする。“プハー“と息を吐きそして一言
[不味い!もう一杯!]
空き缶を捨て、再び地球儀の前に立つ
そして一礼する。
再び辺りをキョロキョロしてみる。
だが、やはりそれらしき人物は見当たらない。
姫子はとりあえず空港から出てみることにした。
空港からでると少し冷たい風が姫子の髪を揺らす。7時近く、外は既に暗くなりつつあった。
が、人数はさっきと大差無い。
その人混みの中、空港の駐車場を抜けようと足を進める。

その時、まさにその瞬間!姫子の視界が真っ暗になった!姫子はなにが起きたかわからなかった。すると、次にまばたきをすると、もとの場所に戻っていた。
姫子は今一瞬自分になにが起きたか理解できていない。
あたりを見渡す。さっきとなにかが違う....なんだ?なにが違う?そう感じた。そして気づく。気づかないはずがない
人の数が圧倒的に減ったのだ。ほとんど人がいなくなっていた。回りの人も異変に気づきあたりをキョロキョロしている。
そして姫子の目の前でまた、人が姿を消した。突然その場から姿を消したのだ。まるでムービーをカットしたかの様に急にだ。

そして次々に人が姿を消し始める。その中、姫子は一つの方向を見ている。その目線の先には、ボウズで赤毛の男がまっすぐ姫子に向かって歩いて来るのだ。

姫子は気づいた。その男はベルゼブブの見せた写真の、あの男だと。名をアガリアレプト。

アガリアレプトはそのまま何も言わず姫子に向かって歩いて来るの。そして姫子の目の前まで来て、低い声で
[お前が壱承姫子だな?]

それに姫子は少し警戒したように
[えっ....えぇ....]
と答える

と、その頃には、回りに人はいなくなっていた。

アガリアレプトは回りをキョロキョロと、何かを気にしているような素振りを見せる

姫子は考えていた。この人は“仲間“なのか?人々を消したのはこの男ではないのか?“敵“なのではないのか?と不安が渦巻いていた。そんな姫子の不安が顔に出ていたのか、アガリアレプトは姫子に
[安心しろ....俺は仲間だ。]
と言う。そして
[それよりも....お前は何か見えないか?人影とか]

[人影?]

姫子は回りを見渡す。が、どこにも人はいない。ただ、広い空間に、風の音だけが響いていた。
その時、二人の後ろで“カチっ“と何かの音がした。アガリアレプトは瞬時に振り向く。するとそこには小さな小石が一つコロコロ転がっていた。アガリアレプトは不信に思い、姫子に後ろに下がるように指示をだす。
[姫子....その小石にきおつけろ....何か“変“だ]

[変?その小石が?]
と小石を見て疑問に思う

[どうして小石がコロコロと転がって来たと思う?風か?違うな。風ではこの石は動かない]

小石と言っても普通に吹いている風で動くほど小さなものではなかった。

[つまりだ....この小石がここにあるってことは誰かがここに投げる以外には考えらんないわけだ。言っている意味がわかるか?]

[つまり誰かが小石を投げた....ってこと?]

[そう考えるのが普通だろう]
[だが敵はど........]

突然会話が途切れた。まるで一時停止をしたように。アガリアレプトは小石の方を見ている。その表情は信じられなそうにしている。

姫子もつられてその方向を見る。
そこには小石は無く、黒い服を着た男が代わりに立っている。 
気配は全く無かった。急にその場に現れたのだ。これには二人とも目を疑った。
その二人の表情を見てその男は
[俺はよ....あまり気は長くないし優しくもない....限界だ....いつまでも待たせるつもりだ?アガリアレプト]

【←To BeCont`onued】

奇妙な悪魔物語

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  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • アクション
  • 青年向け
更新日
登録日
2014-06-06

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