とある学校で Ⅱ
「とある学校で Ⅰ」の続編です。
翌日、早めに学校に行き下駄箱を覗いてみた。
昨日は暗くてわからなかったが、明るくなった今は分かる。
確かに昨日はいたはずの「赤い何か」はいなかった。
だが、確かにいたのだ。証拠に、いた所が染色されていた。
細く、長く。…気づけばみんなが登校してきていた。
私は隠れていた。「ごそっ」と何かが動いた音がした。ロッカーからだ。
僕は一瞬周りを見た。だが、ロッカーからは目を離さなかった。
いや、離せなかったのだ。まるで、操られていたように。
私はこっそり近づいた。静かに、静かに。
そして、後ろから「わっ。」と驚かした。
その誰かは同じように「わっ。」と驚いていた。
その様子から、何かをしていたのは間違いないようだ。
見たくはなかった。しかし、好奇心と復讐心に負けて見てしまった。
真実を信じたくはなかったが、一度見てしまったら信じざるを得なかった。西山 薫さんだった。
僕たちの間にはしばらくの間沈黙が続いた。
「どうしていたずらなんかしたいと思ったんだ。」口を開いたのは僕だった。
「すまない。わ…私の周りで最近…妙な事が起こっていてな。…」
彼女は泣いていてあまりはっきりとは聞こえなかった。だが、次のことだけははっきり聞こえた。
「助けてくれ。」と。
とある学校で Ⅱ