絶え間なく訪れる響き

絶え間なく訪れる響き

鐘は鳴り続けていた。

あたりは暗く、鐘の音以外何も聞こえない。

ここは何処だろう。

一体何があったのだろう。

何故自分はここにいるのだろう。

気が付けば、真っ暗な道を歩いていた。

どうせ夢の中だろうと、高を括るけれど不安は消えない。

まあとにかくこのまま止まらずに歩み続けることだと、心で呟く。

そのうちなんとかなるさ。

そういつだってそんな風に生きてきた。

何があってもおかしくないということも知っている。

死を恐れる気持ちも今は消え去り

いつ死んでもそれはそれで仕方ないと思っていた。

自分なりにやりたいことはしたし、それなりにやりたいように生きてきた。

でもまあ、今はとりあえず、まだ、生きていたいと思っている。


一向に何も変わらず見えない道を歩いていた。

鐘の音は消えない。

これが夢でなかったとしたら一体なんだろうか。



大丈夫だよ、心配ないよ、と

いつの間にかとなりを誰かが一緒に歩き、自分に声をかけている。

そのうち終わるよ、汐時がくれば、必ず終わるさ。

隣の人は見えないけれど、そう言っている。


そうだね、君を信じるよ 自分は見知らぬ隣の人に言う。

そう信じてくれてかまわない、君はずっと私を信じてくれていたからね。

私はいつでも君を君の隣を歩いている、まあ君が気が付けばだけどね。

こんなことがないとね、なかなか君に気が付いてもらえないから。

そうだったんだ、君はいつも自分と一緒に歩いてくれていたんだね。

一瞬、キラッと音のない稲妻が走り、長い漆黒の髪がその人の顔半分を覆って、右側の光輝く黒い瞳が

高い鼻の影になっていた。口角がきりっと上がって、その薄い淡い赤色の唇が微笑んでいるのが見えた。



自分はその顔が一瞬にして消えてしまったけれど、二度と忘れることはないだろうと思った。



気が付けば自分は自分の部屋の机で肩肘をついて、ぼんやりと

PCのモニターを見ていた。

デビルメイクライのダンテがファッショナブルに闘って・・・

絶え間なく訪れる響き

絶え間なく訪れる響き

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-06-06

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