らばスト!4

「カイさん!始まったみたいですね!」
「そうだね…最初から本気でいくよ!ユリ!」
カイは飛び掛かってきたムクの拳を受け止めた。
「ライフル!」
直後、掴んでいた拳が爆ぜた。
そのまま爆ぜた勢いはムクの右腕まで損壊させ、遠目でもわかるくらい使えなくさせた
「すごい…!さすがボディライフル…」
『よそ見してよいのか?』
直後、ユリがいた場所を鋭い刃が擦過した。がユリは寸でのところで躱した。
刃の持ち主、一人だけ外見の違うベノム人形、オリジナルの「ムク」が語りかける
『他の雑魚なら露知らず…お前は私が捉える』
「あなたは―!」
そこからさきの言葉はムクに止められた
瞬間移動と見まがう速さのムクが片手でユリの首を持ち上げていた。
「ユリ!目を閉じろ!」
カイが叫ぶ
「ライフル!」
カイの掌底から放たれた弾は振り向いたムクの眉間に着弾した。が、
『なかなかの威力だ。量産機なら倒せたのにな』
「な…に…」

「…アナタ…私に触れて?」
エルは小柄な体でファイティングポーズをとる
「やっぱ恥ずかしい…」
猛然と殴りかかってきたムクがエルに触れた瞬間、両手はあらぬ方向にまがり
関節という関節は逆方向をむいた
「これが私のエターナルターン」

「来ないのか?ベノムもどき?」
ムクは戸惑った。見た目に変化は無し。強いて言うならリンの周囲の気温が上がったこと
しかしそれは二、三℃といった僅かな変化
「さっきみたいに来いよ!この三下!」
挑発、明らかに誘っている。だが捕獲命令がある限り猛進しなければならない
「ようやくか…」
直後ムクの視界は紅連に染まった

「トウキ!右前方3M手前!」
「とうっ!」
ムクと戦う双子は遠目には変人にしか見えない。
だがムクが左に二歩走ったところでそれは起きた。
巨大な火柱…あらかじめ仕掛けた爆弾が起爆したような爆発
その火柱の中心にいたムクは微塵も存在していなかった
「ほんと私がいないと使えないよね!そのイリュージョンボム!」
「なにっ!未来視に比べたら全然マシさ!」
「ふん!私の能りょ……」

「俺のライフルが…!?」
「どうだい?私のムクは?」
カイの背後にムクたちを従える存在
ムクのモデルになった人物、ベノムがそこにいた
「!?…ベノム!」
「なにを驚く?」
「なにをしにきた!」
「答えはまたいつか教えてやる」
一瞥したベノムの左手がカイの頬にふれた。
その途端、カイは倒れこみ動かなくなった。
「おいムク!コイツを運べ!」
『了解…ですがこいつは?』
「殺せ。無理なら……」
『了解』
ユリを締める手に力がこもる。

「させるかぁぁぁ!」
リンはムクに悠然と殴りかかった。
ムクはギリギリ躱し反撃の裏拳を放つが、それを読んだリンが勢いを借りてベノムを殴った
直撃…誰もがそう思ったが、
「少し煩いよ!」
ベノムの腰から、正確には腰にベルトで括られた壺から紫色の液体状の膜にさえぎられていた
現れた膜はリンを弾くと巨大な腕に変化
そのままリンを殴りつけた。

らばスト!4

らばスト!4

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-06-03

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