璃羽第4話
ファンタジー入ってます…www
ですが、ごゆっくり…。。。
「ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
勢い良く璃羽は刺さった刃を前に引き、体から刃を抜くとそれを投げ捨てた。
微笑んだ顔には血がベッタリ付いている。
「女だからってなめてもらったら困るよ…」
璃羽は呟いた。
投げられた刃は遠くへ飛び、2、3人の『暗黒≒子供達』に傷を付けた。
「結構深く殺られたなぁ…」
着ていたタンクトップには血が滲んでいた。息が荒い。
「はぁ…はぁ…」
璃羽はその場に倒れこんだ。それと同時に血を吐いたそれを手を拭う。
「やばいなぁ…これ……」
目の前の視界が薄れていく。
そのまま、璃羽は気まで失っていった。
遠くでは威羅が夜狩に止めを刺すところだった。
「今度こそ終わりだ…とっとと尻尾巻いて帰りやがれ。」
息が荒い。
「そうだねぇ…璃羽ちゃんも倒れちゃったみたいだし。」
夜狩の目線に威羅も合わせる。璃羽が腹部を血まみれにして倒れていたのだ。
「璃羽…。」
「闘う人がいないと面白くないし…あの仔達連れて帰るよ。」
「あぁ…今度殺るときはぶっ潰してやる。」
「うん☆期待してるよ!!…じゃぁね。」
夜狩はすんなりと『暗黒≒子供達』を連れ、帰っていった。
「璃羽!!おい、大丈夫か璃羽!!」
威羅は璃羽の温い体を強請った。
ゆっくりと璃羽が目を覚ます。
「うん…なんとか生きてるよ……今回はちょっと梃子摺ったかなぁ…。」
微笑みながら言う。
「傷は??」
「深いけど…アノヒトなら治して…くれるよ…」
そう言って、璃羽はまた目を閉じた。
「おい!!おい!!…脈は未だあるな…。」
威羅は璃羽を抱えて歩いていった。
「おい!!いるか??鴉嵐!!璃羽がヤバイんだ!!開けろ!!」
石造の小さな建物の戸を叩く。
―――――嫌そうな顔をしてひょろっと背の高い18歳ぐらいの少年が戸を開いた。
「なんだよ…今寝てたのによぉ…」
「聞いてなかったのかよ!!璃羽がヤバイんだよ!!治せよ!!」
威羅は必死だった。それもそうだろう死ぬかもしれないのだ。
「…治せよ!!って人にモノ頼む態度かぁ??ちゃんと言ったら治す。璃羽は女の子だからな。」
「なんだよ、それ…俺だったら治さねぇのかよ。」
「おぅ」
「………(怒)分かったよ。お願いします!!璃羽を助けてくださいぃ!!」
「ごーかく。入れ。…確かに酷いな…何で殺られた??」
「多分刃物だ。かなり深い。」
「よし、そこに寝かせろ。」
「おぅ」
鴉嵐は璃羽、威羅と仲のいい少年だ。だが、過去のことは分からず、謎めいている。
「行くぜ。」
「頼むぞ。」
「おぅ。」
鴉嵐は璃羽の傷口に手を当てた。そこから黄緑の鈍い光が走る。
「…ホントに深いな…胃の端が取れそうだ。」
そう呟くと、胃に手をやり、その手で胃を包み込んだ。…暫くしてさっと手を抜く。
「…成功だ…。」
そう言った額には汗が流れている。
「いつ完治するんだ??」
威羅が安心した表情で言った。
「お・れが治療したんだからな!!2週間ぐらいで治るだろう。」
「そか…安心した。そこに居させていいか??」
「あぁ、あそこは夜は寒いしな。お前もここにいろ。」
「お。お前にしては珍しいな。そんなこと言うの。」
「てめぇ心配なんだろ??(不敵な笑み)」
「お前までそんなコト言うんだな…。あいつも同じコト言ったぜ。」
「あいつって誰だよ??」
「ほら、あの変人だよ…ナイトって言うの。」
「ああな…璃羽ちゃんから聞いたことあるな。」
「そか…。」
「お前ら冬になったら、また来いよ。あそこ冬に居たら死ぬぜ。」
「まぁな。」
グラデーションに染まった空が星を迎えていた。
もうすぐ『今日』が終わる。
そして、血塗れの闘いも終わろうとしていた…。
璃羽第4話