あいあむひ~ろ~

よんでいただけると嬉しいですw

ちょっと未来、人間は2種類の進化をとげた者たちがいた
それは知能に進化の方向が向いたもの「クリエイター」と、
運動に進化の方向が向いたもの「ムーヴァー」の2種類だった
知能のあるクリエイターは、ひたすらにすべての物事に研究の目をむけた
運動能力の高いムーヴァーは、それをいかしてクリエイターの手となり、足となった
世界は順調に歯車をかみ合わせ、動いていた、
が、高度に発展したがために犯罪も増えていた。一日の世界の犯罪数は10億件をこえていた


そんな世界であるからこそ、ある一つの職業が意外な営利をあげていた
それは、、、

           「ヒーロー」




▽ring ring ring
目覚まし時計の音、教育制度が超革新してからは常人ならば聞くことのなくなった音だ
少年は体をゆっくりと縮めた、そしてゆっくりと手を伸ばし、目覚まし時計を止めた

そしてその次の瞬間に彼の足が窓のふちを蹴って、高さ15階、から彼は身を投げ出した
自殺少年だろうか?
頭から少年はおちていく、

「さぁ、仕事の時間だ!」
時刻は午後の5時26分、予定通り、標的はマンションの下を通った。
4tトラックは角を曲がって大通りから少し小さめの通りへ移った
少年は風を体できりながら落ちていく、このままでは落ちて生きていたとしてもトラックにひかれるだろう

彼は10階あたりを今通り過ぎ、9階、8階、7階、6階、とおちていく
服装は、下は動きやすい青いスウェットのズボン、
上は自作なのだろう、ミリタリーのジャケットだが、内側のYシャツの左下の方には聞いたことのない名前が書いてある
5階、4階、3階、2階、
と、そこで変化があった、少年が腕を曲げて目にも見えぬ速度で地面に45度くらいの角度で空中へ腕を突き出した
すると、破裂音に似たエネルギー音が響いて、少年の体は地面から45度くらいの方向に飛ぶ向きをかえた
両手からは煙が上がっている。

少年のからだはそのまま先ほどのトラックの真上、荷台へ落ちた
そして少年はその上で立ち上がると、運転席の天井を蹴やぶり、運転手を下目にみながら右手人差し指を上げ、高らかに叫んだ

「武器の密輸業者の物だな、悪事はやめろ!悪はこのボクが滅す!そう、ボクの名はヒーロー、、、」

風で開いたミリタリージャケットの下、Yシャツの下の方の端っこにはこう書いてあった、
「CAPTAIN KAKEPONN」



▽give me job!
14才_日本国民男子「カケル」  国際化が進んだことにより、名前は漢字で書かれないことが多くなった
彼は捨て子であったために、苗字をもっていない


カケルは少々イラついていた。
理由は仕事の事であった、一つは思ったよりも敵の密輸業者が素直に言うことを聞かなかったことだ
            もう一つはまた「正義団」に邪魔をされたことだ
正義団とは、世界規模で治安を維持しているボランティアの人口ヒーロー集団だ
正直フリーのヒーローをやっている身としてはコレ程の敵はいない
今日も彼らに結局仕事をとられてしまったのであった
依頼人には「やっぱり正義団に頼めばよかったみたいねぇ、フリーのヒーローはあてにならないものね」とまで言われたのだ


彼はシャワーを浴びてから湯船に浸かり、じっくりと考えていた

なんせ今の世の中、仕事のとりあいでヒーローは互いにつぶしあっているとはいえ、
正義団に喧嘩を売ろうなどというものは、おそらく日本では彼が初めてであったからだ

これも仕事のため、食うため、生きるためだ

▽working
彼は護送車を追っていた、この年にしてはなかなかの功績を収めていた彼には自信があった
正義団の兵士は基本的に進化できなかった一般人、「オリジナル」と呼ばれている者たちを科学の力によって
強制進化させたものがほとんどだ、故にムーヴァーよりも運動能力はかなり劣っている

車内からの影をみたところ雑兵が1人、制服と持っている銃火器の形でわかる
隣に見えるのがおそらく今回捕まえた密輸業者の物たちだ

運動神経意外にも、ムーヴァーは五感もかなり進化している故、難なく観察できる

雑兵一人で見張るわけがない、つまりムーヴァーかクリエイターのどちらかの兵士が一人いるのだろう
それも幹部クラスの、

カケルは車を護送車の横につけ、思いっきりぶつけた
護送車はそのまま横にあった地下駐車場のなかへ転がり込んでいった

カケルは車をおりて変身した、といっても 
いつものミリタリージャケットのファスナーを下げて前を全快にし、メガネをはずしただけだ
白いYシャツがまぶしい

カケルは変身してから
「きゃぷてん かけぽん さんじょぉっ!」とさけんだ。
が、とくにだれもきいていない

カケポンは走って駐車場のなかへ走って行った
中へはいると、密輸業者のものは2人とも死んでいた
その死体を担いで一人男が歩き去っている
その男は雑兵じゃないようだ、こいつはラッキーだ!
もう一人の雑兵の方を先に片付けてしまおうと思い、一気に走って近づく、
そのまま飛び上がり、相手が気づいてこっちを向いた瞬間に顔面を正面からなぐりつけた

ゴキッ、ゴロンゴロン、ボゴン 
骨が折れ、コンクリの上を転がり、車にぶつかる音だ
雑兵ならあと一発打ち込めば死ぬだろう
カケポンはゆっくりと歩いて近寄る、が、次の瞬間回転しながら体を極限まで縮めた
後方からの殺気を感じた、というよりも機械の作動音がしたからだ
後ろには白いスーツに赤いリボンのついた白いシルクハットであかいシャツのモノクルをした男が立っていた
「おや?よけられてしまったようですね、」
杖からなにか出したようだ、攻撃法からしてクリエイター

カケポンは相手の弱点をよみとった、彼はもともと頭は良い方だ、
戦闘時にはなかなかの集中力を出す、おそらくこれが天職なのだろう


カケポンは男へ走って近づいていく、そして相手がビームらしきものを放つ瞬間にあわせて
スライディングのようなかたちで滑りこみ、懐にもぐった、
そして一発殴りを腹に決めた、が、男はうまい具合のタイミングでからだを後ろにずらし、
ダメージを和らげた、 と同時に、カケポンの胸ポケットになにか紙類をいれた
しまった、爆弾か!? とおもい、取り出してみると、それは名刺だった

「自営ヒーロー 紳士マン
  あなたの命令どおり忠実にはたらきましょう
         事務所住所 東京都●●区○○町
         電話番号 090-XXXX-□□□□」


「あっ、この案いいかも」うっかりカケポンはつぶやいた
「でしょう?あなたも作ってみてはどうです?ちょうどそこの角のところがいいですよ?今度ご紹介しましょうか?」
なるほど、紳士だ、 だがここであったが100年目!
仕事が手に入りにくいこのご時世、同じ職業、ヒーローは一人でも消した方が好都合!情け無用!
距離は約3m、一瞬もいらない、
きがつけばカケポンは再び懐にはいりこんでおり、すでに右腕で腹部に殴りをジャストミートさせていた
内臓にあたる感覚がし、吐き気を覚えたと同時に紳士は意識を一瞬飛ばした
そしてその意識が帰った時にはすでに左腕の2発目が顔面に入っていた
なので紳士は後方へ下がろうとした、が、同じことを2度するなど戦闘では無意味に等しい
すでにカケポンは殴った右腕で紳士の服をしっかりと握っていた、もう逃げ場はない
その場で紳士は膝をついた、意識はすでに飛んでいる、
そしてとどめとして腹に右ひざをぶち込んだ
紳士はその衝撃で意識を取り戻して、出せる限りの力で出来るだけ距離をとりなおした

が、みたところもはや戦闘不能、あわてることは何もない
カケポンはどうやって息の根をとめようかと考えていた
また、紳士の杖の仕掛けにすこし興味があるため、それを回収しようなどと考えなどもした

しかしその時間がもったいなかった、
後方から弾丸がとんできて、油断していたカケポンの右太ももへ入った、
血が出てカケポンはそのまま崩れ落ちた、
「しまった、いがいとはやく起き上がったな」
さっきの雑兵が銃を構えている、おそらく連射式の銃だろう、
銃火器には詳しくないのでカケポンは次の行動に迷った

「俺をただの戦闘員だとおもわれちゃこまるな、まんまと罠にひっかかりやがって、」
口調がウザい、
「これはもしも襲撃にあったときのために小隊長と下っ端が入れ替わるという初歩的なわざさ、」
カケポンはみずからの思慮の浅さに失望した
「おれはオリジナル中でも格別、オリジナルにして小隊長、人はおれを、サタン佐藤とよぶ!!!」
「な、そんな、ばかな、、、なんてダサい名前だ、、、」
カケポンはあっけにとられてしまった

「しねぇ!」サタンは銃をすてて雑兵用の戦闘服を脱ぎ、全身黒の皮ジャン姿になり、走ってきた
「遅い!」いうほどでもなく、やはりオリジナルはオリジナル、ムーヴァーの前ではほぼ無力

カケポンはサタンのアゴへアッパーを入れた
サタンは一発KOでその場で意識もうろうとしている、
こいつは武器をもってたほうが強かったのではないかと思ったが、
カケポンはいわないでおいた、
それからカケポンは紳士の方を見た、紳士はすでに何事もなかったかのように立っている
パチパチパチパチパチ 拍手などすらしている
さすがにヒーローをやっているだけある、
なかなかしぶといものだ、紳士の方へカケポンは走っていく、が、紳士の目はカケポンなどとらえていなかった
その後方、サタンだ、
何故あんな雑魚をみているのだろう、死にたいのだろうか と思いながら一気に距離を縮めていく、

キューン、
「ん!?」
カケポンはサタンから出た謎の音に思わず振り返る、

するとサタンの手から煙が出たと思った次の瞬間、緑の閃光が見えてカケポンは吹き飛ばされ、
自動車の列を2つ飛ばして3つめの列に背中から突っ込んだ、
これくらいだったら別にそこまで痛くない!

起き上がりながら敵の位置と行動を確認したが、
サタンはとくに動いていないようだ、が、様子が変だ、
目つきが違い、表情もすこしちがう、

「ほう、これが能力の覚醒ってやつだね」
紳士は何か知っているようだ


カケポンはとりあえず自分が受けた攻撃がよくわからなかったので考え始めた
が、何も見つからなかったのでとりあえず戦闘を再開させた。
カケポンは走り、相手の攻撃をさそうためにあえて隙だらけのかまえで殴りかかった
サタンはどこを見ているわけでもないような目をしていた

ボスッ!
あたった!
が、粉袋から小麦粉をいっぺんに出したような音がしてカケポンの右腕がサタンの顔の左半分を突き抜けた

「ウヒャアッ!!」頭骨が粉砕したものだとおもってあわてて手をひっこぬいた
しかし、それをすぐ後に後悔することになったのは誰でもないカケポンであった

サタンの目がカケポンをとらえたと同時に奴の腕が伸びてきて、緑の閃光と灰色の煙をまといながらカケポンの腹にもぐりこんできた。
物理ダメージとはちがう電気を流されたような痛みと震動が伝わってき、カケポンはまた吹き飛んだ

今の瞬間でわかったことは、この閃光はおそらく電流に似たものだ、が、それ以上に早く鋭く、特性としては空気中でも直進する
あの電圧でありながら直進するということは電気ではないことは確定だ
吹き飛びながらカケポンはそのようなことを考えていた

吹き飛んだ先はコンクリの床だったため、後転をしながらその勢いでたちあがった

が、カケポンは次におこす行動が見当たらなかった、
なぜなら奴にはもう一つの謎があった、それは相手が体を一度粉末化させ、いまゆっくりと再結集している、
そして逆に奴のからだは少しづつ粉末化しているようにもみえた
おそらくこれがなになのかが判明するまでは物理攻撃はしない方が得策だとかんがえた

カケポンは物理攻撃しかできないものだから、これはなかなか困ったものだ


が、弘法も筆の誤り
戦闘中の深い考え事は隙ができて危険だ、
考え込んでいたカケポンは、
気が付けば緑の閃光が目の前をおおって、意識をうしなった。

あいあむひ~ろ~

続くと思いますよw意外とたのしいし

あいあむひ~ろ~

ちょっと未来、人類は進化していた、 化学は予想より早く発展し、人間の運動能力は高まっていた そんな常人とははなれた人間たちのなかで意外なほど営利をあげている職業があった それは「ヒーロー」だった 主人公目線で書いてあるので読みやすくできあがっているとおもいます

  • 小説
  • 短編
  • アクション
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2011-12-14

Copyrighted
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