月


少し寝不足の疲れたカラダを

ゆっくりベッドに沈める

暗闇はコワイから と

ほんのり薄灯りを灯そうとした時

カーテンの隙間から 真ん丸の大きな月が

やさしい光を湛えながら、見つめてくれていた

窓からそよぐ風が そっと頬を、髪を撫でる

昼間の喧騒が嘘のような 静寂の夜

目を閉じて 軽やかな虫の音を聴いている

どこにいても 何をしていても

月はその姿を すべての人に魅せる



あの人も この月を見上げ

この虫の音を 聴いているだろうか



月は ひとつ

想いも ひとつ




※薄灯りを灯そうと・・・うすあかりを ともそうと 

  湛え・・・たたえ

  喧騒・・・けんそう

 静寂・・・せいじゃく

  魅せる・・・みせる

  • 自由詩
  • 掌編
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-05-24

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