勇者御一行
祝!第一作と成ります「勇者御一行」(現在地:スーパーの前)
ではどうぞお楽しみ下さい!
プロローグ=逃走=
♀戦士「逃げてっ!」
魔王軍の奇襲によって勇者一行は窮地に追い込まれていた
♂勇者「待て!それじゃあお前は…」
勇者の言葉を待たぬまま戦士は魔物たちを薙ぎ払って行く
♀魔法使「とりあえず今は逃げましょう」
冷静且つ最善の判断を躊躇無く下すことの出来る魔法使い、
しかし今は怯え戸惑う物の一人と化していた
♂勇者「……分かった」
逃げるために勇者が振り返った瞬間だった、
鮮血が舞い、足を失った一人の人物が居た
♀戦士「くっ…まさか魔王が居るとはね……」
既に見えない勇者の身を案じながらゆっくり目を閉じる
大きな鉈を近くの兵が振るうと、血飛沫が舞い、首が空を舞う、
しかし手は止めずに、振るい続ける
暫くすると最早原形を留めない腐敗した屍骸がそこに残った
魔王軍は馬に乗り、拠点へと戻り始めた
馬蹄に踏みにじられた戦士の屍骸は最早血の痕しか残さなかった
第一話=はじめてのおつかい=
♂勇者「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ!?」
♀勇者母「聞こえなかったの?牛乳と卵と大根と人参三本とをどうにかして300円で買ってきてって言ったんだけど?」
さも当然かのように言い返す
♂勇者「はぁ……俺一応高校生だぞ」
~スーパーの前~
♀戦士「あれ?♂勇者じゃん、何してんの?」
♂勇者「見てのとおり買い物だよ、おつかい」
♀戦士「いや、わかんないし、ぜんぜんわかんないし」
実際何も持っていない勇者を一目見ただけで買い物と判断できる人はそれほど多くないだろう
♀魔法使「あれ、勇者、買い物?」
そう、こういう人を除いては
♂勇者「何で分かるんだよ!」
♀魔法使「いつもの口論を聞いた」
違った、こいつは元々知っていた
♀戦士「あー、最早毎日の口論は風物詩だもんねー」
♂勇者「♀戦士が風物詩とか…明日魔王でもくるんじゃねぇの?」
風物詩であることは否定しないんだな、こいつ
魔王「グハハハハー我ガ世界ヲ征服スルノダー!」
突然♂勇者たちの前に現れる
♂勇者「……アホか?こいつは」
♀戦士「……アホだね、こいつ」
♀魔法使「……アホね、この人」
♂勇者「え、人なの!?」
♀魔法使「人でしょ、日本語話してるし」
♂勇者「じゃあいいか、ただの中二病みたいだし」
♀魔法使「そうね、じゃあ買い物行きましょう」
To Be Continued…
勇者御一行