red tear.
これはフィクションであり実際の団体名や名称は全く関係ありません。
この物語は若い世代の男女向けですが歳など関係なく幅広く読んで頂きたいと思います。また、同じ想いの方や今、恋愛で悩んでいる方の励ましになればと思います。
red tear.
工藤 環(くどう たまき)これが私の名前。桔明(けつめい)中学校に通う中学3年生だ。只今禁断の片想い中です 笑。
先生の名前は 桐生 敦(きりゅう あつし)私たちの副担任で担当教科は社会。私の大好きな人。
先生を初めて知ったのは小学校3年生の頃。
3つ離れた姉貴の担任だったから。
最初は なんなのこの人?馴れ馴れしく喋りかけてくるし、毎日勝手に上がり込んで来るし…くまさんみたい。
そう姉貴はたまに学校を休んだり毎日の様に遅刻などをしていた。
体つきが良かったから小学生の私にはくまちゃんにしか見えなかった。
そんなこんなでその時のアダ名がくまちゃん。
最初の頃は人見知りもあったせいか、喋りかけられても完全にシカト。
でも段々慣れ始めた頃には喋りかけてくると「うん。」「別に。」「おはよう。」ぐらいは言葉を通わす様になった。
それから3年が経ち、小学校を卒業し、中学1年生となった。
部活はバスケ部に入った。
本当はブラスバンドに入りたかったんだけど親と姉貴に猛反発され、小学校でもやっていたバスケ部に入るのが必然的となった。
まぁバスケも悪くは無いんだけどね 笑。
でもその時は嫌々入った部活が嫌だったな(苦笑)。
クラスでは小学校の頃に仲が良かった子が違う中学に行ってしまった為、小学校の頃には苦手だった方のグループに入ることになった。
そのグループは平気で人の悪口を言い、イジメるような子が集まったグループだった。
私はそんなのが嫌で次第にそのグループから離れていった…
そこから私の全てが変わってしまった。
グループを離れて直ぐは良かった…
でも少したつとイジメのターゲットが私になった…
廊下で通りすがりに「まじキモい!死ねばいいのに!」「うっわ最悪!」など言われ睨み付けられた。
担任の先生は目の前で悪口を言われようが何をされてようが知らぬ顔で助けなんて無駄だと思った。
この先生はいつもこうなんだ。
私もいじめるグループに入っていたからわかる。
この先生は注意なんかしない。自分がいじめられるのが嫌で嫌われたくないからなにもせずに苦しむ生徒を見ようともしない。
怖くて辛くて苦しかった。
でも親には心配なんてかけたくは無かった。
だから必死に堪えて泣き出しそうになるのを泣いたら負け。
そう思って堪えてた。
でもそんなことが何ヵ月も続くとなると自分の中の我慢のメーターが頂点を越え、爆発した…
ある日を境に学校を休む様になった。そんな私を見て親は「学校行け!」と怒りだした。
だが、もう学校に行けるような勇気は無かった。
だから夏休みに入る数日前親と学校のことで喧嘩になったとき泣きじゃくりながらクラスの事を告げた…
驚きや怒りを隠しもせずに母はその時の私を慰める事でいっぱいだった。
私は母に言えば絶対に学校に乗り込んで相手の親や子供を呼び出すだろうとわかっていたから、全ての事を告げた後に「絶対に学校に乗り込んで行くようなことはしないで。新学期からはちゃんと学校行くから。」そう伝えると涙目で母は「わかった。」そう言ってくれた。
今、思えばいつも何かあればすぐさま先生を呼び出して怒鳴り込む母が耐えてくれていたことは凄いと思う。
それからは学校を休もうがなにをしていようがなにも言わないでくれた。
でも新学期が始まると完全にクラスでは孤立していた。
クラスに入るのがトラウマになりクラスに入ることが出来なかった。
いつもクラスから抜け出し、授業に出ずに階段下の使用禁止の張り紙のでた小さな空間にいた。学校にいる大半はそこで過ごした。
毎朝そこに登校し、帰りもそこで終る。
そんな毎日を繰り返す中、いつも側に居てくれたのが桐生 敦 だった。
毎朝始業のチャイムが鳴ると使禁(使用禁止)に来て「おはよう。」って言って頭を撫でてくれた。
でもその頃の私は完全に人間不信になっていた。
だから頭を撫でるその手を払いのけて睨み付けて どっか行け! と目で訴えた。
その頃の私は冷めきった目で人を見ていた。誰も信じられず、皆敵だと思っていた。
だから先生の気持ちなんて全然わかってあげられ無かった。
そんな毎日が続くと親も流石に怒り出した。
もともと新学期からは大丈夫だからと言って乗り込んで行くことを止めさせたのだから当然の事なんだろうね 笑
家では毎日喧嘩に明け暮れ、学校ではなにもせずに終わる。
そんな毎日が辛くて仕方が無くて、でもそれをさらけ出せる所がなくて遂には自傷になった…
嫌なことがあればカッターやカミソリを持ち出し手首に落とす…
泣き出しそうになるのをずっと必死に堪えてた私は泣くことを忘れていた。だから泣くことの出来ない分赤い涙を流してたんだと思う…
学校では殆んどの時間が敦と過ごすようになっていた。
目で訴えても聞き入れてもらえず、何故か離れたところに座り込んで寝るか話し掛けて来るか…
最初は一緒に居ることが嫌で逃げ出していたけど逃げても逃げても何も言わずに付いてくる敦が大嫌いだった。
逃げることに疲れ再び使禁に戻ると何故かニヤッと笑い此方を見ている敦。
それから少し経つと今度は朝から学校が終わるまで(授業があるとき以外)一緒に居るし、いつの間にか隣に座り込み私の肩に寄り添い寝たり、膝に乗っかって寝たりし始めた。
最初は退かそうと試みたが何をしても無駄だと諦めてた。
いや、正確に言えばもうその頃には心を許し始めてたのかもしれないな…
家で喧嘩をすると学校に行っていつもの様に手首にカッターなどを落とす…そんな私を先生は最初の頃は止めた。
流れ出る赤い涙を何処から持ってきたのかトイレットペーパーで止血して何も言わずに頭を撫でてくれたり、「こんなこと止めろよ。痛いやろ?」と心配してくれた。
でもまだ信じきれてない私にはそんな言葉や行動が全て偽善に思えて、何をされようがどんなことを言われようが知らん顔で 関係無いだろ と目で訴えてた。
そんなことを繰り返して私はいつの間にか中学2年生になってた。
2年生になり、担任が小学校のときの担任になった。
本当に嫌だった…
変わり果てた私を見てその先生はなんとか私をクラスに戻させようとした。時には強引に引っ張ったり、意地でも動かい私に怒鳴りこんだり…
そんな先生が大嫌いで仕方がなかった…
小学校の頃とは違う。私は変わってしまったんだ…一緒にしないでくれ。あんたの勝手な思いに巻き込まないでくれ。そう思ってた。
だからいつもその先生が来ると逃げたり塞ぎこんだりしていた。
怒られたり、引っ張ったりされれば無理に振りほどき逃げ出してまたいつもの自傷を繰り返してた…
そんな私を敦は追いかけてきては見張ってた。
バカな真似をしないように…
それでも間に合わなければいつもの様に止血して頭を撫でてくれた。
担任が嫌いで逃げて怒られる事に怯えて震えてる私を敦はそっと抱き締めて「大丈夫。そんな怯えんでもエエよ。」と何度も何度も頭を撫でてくれた。そんな敦をいつの間にか信じきれる様になった。
それからは敦が付いていってくれればクラスに入れる事が出来るようになった。
最初は10分…15分…20分…どんどん長くクラスに居られるようになって、授業開始のチャイムから5分が経つと教室に入り、授業終了の5分前に教室を出るまで居られるようになった。
それでも授業によってクラスの賑わい方が違い、賑わう授業には入れないままだった。
給食は決まって食べない。いつも違う場所でくつろいでいた。
でもその時間に担任がつれに来るようになってから逃げ出すようになった。4限の授業が終わり、人一倍神経を使う私にとってその時間は無くてはならない休憩時間だった。
でもその時間も付きまとわれ、休める時間が無くて色々な感情が休められないと爆発してしまう…
遂に私は給食の時間、先生が来る前に外の非常階段に上がり、3階の手すりに立っていた。
落ちる手前で敦に見付かってしまった…
「なんをしとんねバカタレが!」と見たこともない凄い剣幕で怒られたものだ。
でも怒ってる割に強く抱き締められ、頭を撫でる。走ってきたのか息を切らしながら…
いつでも側に居てくれて守ってくれる…そんな敦の事が好きになった…
それからは毎日給食の時間になると敦が来て見張っていた。
一緒に居られることが嬉しくて癒される…
肩に寄り添い寝たりしてくるのが愛しく感じられてもっと好きになる。
おもしろ半分で敦が手を繋いできたり、恋人繋ぎにすればそっと握り返したりもした。
おもしろ半分でもそれが嬉しくて幸せだった…
言葉がなくても通じてあえるのが嬉しかった…
いつも私の感情を読んでくれて苛々しているときにはそっと頭を撫でてくれたりした。
なんで先生はいつも私の気持ちがわかっちゃうんだろう…
そんな日々を繰り返しながら私も遂に3年生。
段々クラスにも入れるようになった。
でもその分敦と過ごす時間が少なくなって寂しかった…だから決まって給食は行かない。これだけは変えなかった。
その時間だけは敦と2人になれるから…その時間だけは幸せだった。でも1回だけ敦をとても悲しませた事があったな…
中学2年生になって後半…同級の少し喋る子に勧められて興味本意に煙草に手を出した。
1度先生に見付かってその時は学校で押さえてくれた。その時に敦と「2度としない。」って約束したにも関わらず2度目もしてしまってそれが見つかったときの敦の顔は今でも頭から離れない…
悲しそうな、失望したような、疲れきった目…
その時初めて先生を裏切ったのだとゆうことに気付き、物凄く後悔した。親にも報告され怒鳴られ打たれた…
これは今でも思い出したくないものだなー(苦笑)
敦の事を好きになるにつれ、色んな感情が芽生え始めた。
1つは嫉妬…他の女子と仲良く喋ってたりするとモヤモヤしてその女子に異常に腹が立った…そんな自分が嫌いだった。
もう1つは感情とゆうよりも思ったことだ。それはこの恋が叶わない恋だってこと。
好きになる前からわかってたことなのに…
教師と生徒での恋愛は認められるハズもない…それを自覚するたびに辛くなった…
好きになんかなるんじゃ無かった…そう思った事が何度あっただろう?
諦めようとして、でも簡単には諦められ無くて、ただただそれ以上に欲求が増してしまうだけだった…
先生にもっと 触れたい 近づきたい 声が聞きたい 頭撫でてほしい あの手で優しく触ってほしい 手繋いで先生のポケットにいれて? 優しく抱き締めて…もっと もっと…
ときどきそんな自分の欲求に嫌気が差す…
叶わない恋だってわかってるのに、期待してる自分に腹が立つ…
なんで敦なんだろう なんで先生なんかに恋しちゃったんだろう?
そう思う時もある。
でもね?それ以上に大好きって気持ちのほうが大きいんだ。
いつも側に居てくれて、どんなときも守ってくれて、どれだけ死にたいと思い何度も身を投げ出そうとしてもその度に先生が止めてくれた…
だから私は今、生きている事が出来てる。いつでも私の味方で居てくれた先生が大好きになってしまった。
だから、もう少しだけこのまま貴方のこと想っていていいですか?
もう少しで中学校も卒業してしまうだから…
卒業式、貴方にこの想いを伝えるまでの間…
叶わない恋だってわかってる。儚いものだってわかってる。
でも、だからといってこのまま諦めたくない。
卒業式、貴方に想いを伝えるまで…
red tear.
まえがきにフィクションと書きましたが、この物語は私の体験をもとにフィクションを加え制作しました。
いやー若い頃は若気の至りでなんでも出来たもんだから良いですよね( *・ω・)
最後に読んで下さった方。本当にありがとうございましたm(__)m