王様と番人

王様と番人

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 お城のドアに百人の番人。
 するどい槍突きダレゾと問う。
 アンドロメダ模様の部屋にちいさな王様。
 ちょっと野原へお散歩ゆきたくて、王様の雇った百人の番人に外出の許しを乞う。
 じゅんぐり、じゅんぐりドアをくぐる。
 九十九人目がウムと頷いた頃には、空は星の水玉。
 外出には遅すぎますぞ。
 百人目に戻された。
 王様しょんぼり、また明日。

  *

 真夜中の寝台で空腹のメロディ。
 王様はプディングを食べたくなってよちよち寝床から抜け出した。
 厨房へたどり着くまでには百人の番人。
 虫歯になりますぞ。
 脂肪が育ちますぞ。
 プディングは我らのおやつですぞ。
 ようやっと王様が厨房のドアを開けたら、お妃様がすっかりプディングをたいらげたところ。
 いとうまし。
 王様しょんぼりまた明日。

  *

 王様目覚めて寝室出ると、ドアの足元百個の飴玉。
 だれかからのプレゼント。
 ポケットぱんぱんふくらませ、王様ごきげん、スキップさ。

王様と番人

王様と番人

おはなし手帖(twitter)からの編集保存品です。 小さな王様と百人の番人のおはなしです。

  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2011-12-13

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