ふんわりな審美

kiyo

この髪をいじっているのは
潮の匂いと
草の匂いを混ぜた
涼しくてお茶目な風

この頬を染めているのは
優しさと
寂しさと混ぜた
柔らかくて綺麗な光

この心を掻き乱しているのは
だれ?
この心にいろんな感情を流し込んでいるのは
だれ?

この気持ちを形にしたくても
絡み合った糸みたいで
言葉にできない
このざわめきを形にしたくても
喉が詰まっていて
声にできない

こんなふうになっている自分が
もどかしくて
指先が微かに震えてしまうけど
こんなふうになっている自分が
気持ちよくて 好き

自分の中で絡み合ういろんなものが
どれも素敵で
それら全部抱えている自分が
満たされた気分になって
ふんわりとした幸せを
感じずにはいられない

手を伸ばせば 触れられそうで
でも 届かなくて
そんな距離に 少しだけ
美を覗けたような気がする

ふんわりな審美

ふんわりな審美

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
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CC BY-SA
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