ある日の風

古い校舎
一番上の教室

いつものように窓側に座って
いつものような講義が流れる

ふと
斜め前の窓を覗いた
おや、と
四角く切り取られた別世界一つ

別のレンガの建物と
それに匹敵する高さの大きな木
その木の下にある木目のベンチに
間を開けて座る男女が二人

生暖かい夏風に吹かれて

木々が
落ち葉が
彼らの髪が
彼らの思いが
ゆれる ゆれる

ある日の風

ある日の風

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-05-21

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