虚ろな数だけ
ここの空気は薄汚れていて
息をすればするほど肺に異物が詰まっていく
僕の口から吐くことばも地を這いずり回って
ぐちゃぐちゃに腐敗したものばかりで
僕はどうして此処にいるの
僕の求める『アイ』ってなに
数式を見つめて問いかける
君には『i』があるんだね
数式は応える
(君には『哀』すらないんだね)
まるで嘲笑うかのように
『哀』どころか
『愛』も
『I』すらも見失ったこの僕を
震える手で握ったカッターナイフさえも
僕のことばで錆びついて
なにもかも終わりにしようと。
『こころ』を求めて君に問うた
「僕の居場所は何処にあるの」と。
君は少し狼狽えてから応えた
「僕がつくるよ」と。
『I』すらないこの僕を
あなたは救ってくれるのですか
『藍』に溺れたこの僕を
あなたは連れ出してくれるのですか
ただ堕ちて往くいくこの僕に
あなたは『アイ』をくれるのですか
虚ろな数だけ
僕にはもう君しかいないんだ
ありがとうございました。