染み付いたコーヒー

話をしていた
多分、大切だった電話
遠い君と一年前の僕
「愛して欲しい」の豆と
「許してください」のフィルタ
抽出して飲んだコーヒーは
そのままの味で
苦くて、深くて
黒くて、黒くて
零してしまったまま洗い落とせない
記念日は今日にしよう
忘れないで生きている今を飾ろう
あの日見ていた偽物も
本物になっている頃だと思うから
どうか君は幸せで
どうか君は忘れられるように

ゴミ捨て場で出会った君と
ゴミ捨て場でさよなら

染み付いたコーヒー

ありがとうございました。

染み付いたコーヒー

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-05-18

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