01 † 近道の罠
モブ×翼 強姦
起
―――近道するべきじゃなかった。
見知らぬ男たちに取り囲まれ、躯の自由を失う。
下卑た笑いの隙間から
抑えきれない欲望が見え隠れしていた。
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承
翼は 休みにも係わらず深夜にも及んだ職場のミーティングを終え、家路に向かっていた。
小雨が降るだけの、寂しい夜。
疲れを伴っていた躯は、少しでも早い休息を求めていて。
―――近道。
違和感なくその考えに至った翼は、ほとんど人通りのない路地を小走りで駆け抜けた。
そんな時。
誰かに声を掛けられたかと思った刹那、暗い廃ビルへと引きずり込まれてしまったのだった。
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転
「、っ…!!」
冷たい床に躯を押し付けられ、無理矢理顔を上げさせられる。
辺りに人影はなく、自分に分が悪いのは明らかで。
「っ…離せ、よ」
噛み付くように相手を睨み付けるが、何の効果も為していないようで。
「大人しくしとけ。…痛い思いしたくないやろ」
そう言われた刹那、首筋に冷たい金属を押しあてられた。
「っ…!?」
それが何なのか、言わずとも分かって。
翼の意味のない抵抗はピタリと止む。
「…ゆ、言っとくけど僕…金とか持ってへん、し…」
翼は、震える躯で必死に言葉を絞り出した。
先の見えぬ恐怖で、躯からは異常な程に汗が吹き出す。
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続 転
「は、そんなんちゃうわ。
…ちょっと俺らに付きおうて貰うだけじゃ」
「え……?」
相手の言葉の意味が分からず、翼の頭は混乱する。
その刹那、男たちは翼の襟口を掴み、一気にシャツを引き千切った。
暗闇に布地の裂ける音が響き渡る。
「なに、っ…!?」
突然のことに、翼は手足を動かし抵抗を見せる。
「…大人しくしとけって言うたやろが」
首に宛てられたままの金属が僅かに動いた。
「つぅ…!!」
それは鋭い痛みと共に、翼の首筋にうっすらと細い朱を走らせて。
「お前、楽しむ前に傷つけんなや」
「あ…悪い」
正面にいた男は、うっすらと血の滲む翼の首筋に舌を這わせた。
「ひぅ…っ」
生暖かい感触に、全身に粟が立つ。
「お前分かってへんみたいやから教えるけど…。
ま、要は躯貸してくれればええだけやから」
青い炎を宿したような瞳で、翼の頭上から冷たい言葉を投げ掛けられた―――。
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宴
「はっ、ぁ…んっ!!」
「へぇ。結構良い声で鳴くんやな」
下半身の衣服は全て解かれて。
意思に反して熱を持った自身を執拗に攻められる。
まるで翼の弱いところを分かっているかのように、男の絶妙な指使いで絶頂へと追い詰められていく。
男の手のひらは、既に翼の愛液で濡れていて。
「めっちゃ濡らしてるし…お前、感じやすいんやなぁ?」
「い、やぁ…違っ…んっ!!」
別の男が笑いながら翼の唇を塞ぐ。
歯列をなぞられ、無理矢理舌を絡ませられる。
「ふっ、ぅ…んんっ…!!」
あまりの息苦しさと快感に、翼は理性を見失ってしまいそうになって。
虚ろな瞳は空中をさ迷った。
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続 宴
「なぁ、もう挿入れたろうや」
「そうやな。…ほら、足開けや」
力の入らない躯をくるりと反転させられる。
「ゃめっ…!!」
閉じようとする足の間に男の躯が入り込んで。
慣らしもせず、男の自身が翼の躯を貫いた。
「っあァあ!!」
耐え難い、激痛。
あまりの痛みに翼の躯は大きくしなった。
「キツ…」
男は自身を一度引き抜くと、再び押し込んだ。
それを繰り返すうちに、翼の中はそれを受け入れていって。
痛みから徐々に快感が押し寄せてきた。
「ぁ、はぁ…ん、ぁ…!!」
「良くなってきたか、」
男は翼の腰を掴み、激しく出し入れの律動を始める。
その度に、翼の腰も揺れて。
「お前っ…結構慣れてるんやな」
男の言葉に思わず顔を背ける。
羞恥と快感。
そのどちらにも呑み込まれてしまいそうで。
男を受け入れた経験のある翼の躯は、確実に絶頂へと向かっていた。
「ま、その方が都合ええけど…!!」
「ひぁん!!」
更に奥まで犯され、一際高い声が上がってしまう。
「んっ、じゃあ俺も…」
その様子を見て我慢出来なくなったのか、別の男の自身が口元に寄せられる。
「暇な口で…良くせぇよ」
「んぐっ…!!」
拒む暇もなく押し込められる、別な猛り。
もう自我なんてどこにもなくて。
ただただ、与えられる刺激に喘ぐだけ。
十分過ぎる快感と、涙のせいで視界がはっきりしない。
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終宴
「もう、っ出してええよな?」
口淫を強要していた男は、翼の口から自身を取り出すと妖艶に鳴くその顔に的を当て、欲望を吐き出した。
「ふ…ぁ…」
涙の雫と共に、男の白濁が翼の頬を伝う。
「ええツラしとるやんけ…、んじゃ俺も…!!」
「ぅあっぁん…!!」
胎内に熱いモノが流れ込んでくる。
感じるところ、全て。
見知らぬ男に支配されていく。
耐えきれない快感に、翼も空中へ欲を放った―――。
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結
あの日から、翼がこの道を通ることはなくなった。
『暇やったらまた相手したるわ、』
あの路地の前を通る度に
男たちの声が聞こえてくるようで。
「くそっ…」
思い出しただけで寒気がする。
今日もまた、あの日みたいに雨が降っていて。
近道という暗い罠が
誰かを待ち構えているのだろうか。
END
01 † 近道の罠
懲りずに近道して何度も犯されろ