ある日の噺
いつか見かけたあいつの笑顔
気持ち悪くて、薄気味悪くて
胸やけと底知れない嫌悪が
僕の背中から溢れ出る
どろどろと、ぎちゅぎちゅと
厭らしくて
その化粧で覆われた醜い面を
笑顔の仮面を張り付けた
悪意に満ちた同意しかできない肉片を
削ぎ落として、ぐちゅぐちゅに潰して
烏の餌にでもしてやろうかと。
奥歯に挟まった僕の声を
ぎちぎちと
噛み締めて
噛み潰して
呑み下して
デザートは別腹
他人の不幸は蜜の味
自分の不幸も蜜の味
じゅるじゅる喉を通って
僕は今日も嗤う
ある日の噺
憎しみは生きている証
ありがとうございました。