赤司君の好きなもの。3

続きです。
読んで頂ければ幸いです。

爽子ちゃん

高校生活初日。

すっかり私は新しくできた友達、爽子ちゃんの遊び道具と化していた。

初めての教室。
感慨にふけっていふと、
爽子ちゃんが私の名前を呼んだ。

「ひーなた、ちょっと腕かして」

「ん?いーよー」

ニコニコしながら、彼女の元へいくと、爽子ちゃんがにやっと笑った。

腕でなにするんだろ。
首を傾げながら、私の制服の裾をまくる彼女を眺めていると。

パシーーンッ!!

腕に激痛。

「いったぁーーー!!!」

いきなり叫んだ私の声で、
教室がしーん、と静まり返る。


「どう?アタシのしっぺは、痛いでしょー?」

お構いなしに話し出す爽子ちゃんの口元を慌てて手で抑える。

「爽子ちゃん!みんなが見てる!それにっ!いきなりひどいよーっ、なんでしっぺなんか…」

「ふふっ、あんたのラッキーアイテムが、しっぺなのよ」

……ん?
ラッキーアイテム…??

ちょいちょい思ってたけど、爽子ちゃんって
かなり不思議だ。

「今日のおは朝占い、あんた最下位だったわよ」

「えっ!」

「それよりくるしーわよ……」

あっ、忘れてた。

慌てて彼女の口元から手を離す。


「てかさ、私爽子ちゃんに誕生日教えた覚えがないんですが」

「アドレスにあんだけ堂々と書いてあればねぇ」

そういえば、昨日アドレス交換したんだった。

てへっ⭐︎

「うざい」

そんなにはっきり言わないでもいーじゃんかぁー。

「もうすぐ、ホームルーム始まるから戻ったら?」

って、爽子ちゃんが呼んだくせにー。

「はいはーい、戻りますよー」



私の、高校生活が幕を開けた。

赤司君の好きなもの。3

赤司君の好きなもの。3

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更新日
登録日
2014-05-07

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