ロイヤルミルクティー

優雅なロイヤルミルクティーの魅力は、人の愛に近い…。

独り身の人間が求めている要素が、全てその飲み物に備わっているのだから。

ロイヤルミルクティー

純白の陶磁器で出来たポットから、夕暮れ色の紅茶が流れる。


優しい色味を帯びたそれは、これもまたポットを同じ色のカップに注がれた。


この一瞬の動作によって奏でられるその音は、私の耳に心地良い刺激を与え、安らぎをくれる。

ああ、まるで子守唄のようだ。


ゆらゆらと湯気が踊っている中、そこに角砂糖を落としてティースプーンを回しながらゆっくりと甘みを加えていった。

しかし一個だけでは足りず、甘党な自分はもう一つ角砂糖を落とし、同じ動作を繰り返し甘みを足していく。


さあ、そろそろ仕上げといこう。


小さな白いディッパーからさらさらとしたクリーミーな白いミルクを注いで、先程の角砂糖と同様ゆっくりと混ぜ合わせた。


すると、どうだろう。


まるで白いドレスを身にまとう淑女がふわりと軽やかに踊るように、ミルクが紅茶の中で優雅に揺れている。


まさにロイヤルの名に相応しい、美しいワルツだった。


こうして一つのショーが幕を閉じ、ロイヤルミルクティーは完成した。


一口啜ると、柔らくて甘い温かな味が、喉の奥へゆっくりと滑り落ちていく。


一口、また一口と飲んでいる内に、体の芯から温まってきた。


壮麗な女性に、まるで抱かれているような感覚。


何故こんなに、一つの飲み物に対してこのような解釈をとってしまうのか、理解が出来た。



そう、恋しいのだ。ミルクティーのような女性的な愛に。


包容力のある、甘くも優しい、その温かさに……。

ロイヤルミルクティー

だいぶ、大げさな事を書いたような気がします・・・;。

男性視点な文章になってしまいましたが、ご自身の想像力で女性視点で読んでみるのも有りかと思います^^♪

ランチでミルクティーを飲んだので、これを思いついた訳なのですが。


最後まで読んでいただき、ありがとうございます!!

ロイヤルミルクティー

誰かの温もりを求める方に、この散文詩を贈ります・・・。 ロイヤルミルクティーの愛に、浸ってみませんか?

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-05-05

CC BY-NC-ND
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