嘘混じりの溜め息

真空に浮かんだ水滴を掴む
一瞬、鋭い冷たさが

吐いた息は不可解に灰色
僕はまだ、嘘を吐く

ライタを取り出して紙切れに引火
私になって泣いている

ねえ、もう透明になりたい
秋に紛れて独りで泣きたい
僕、私、全部嘘吐き

虚無感すら不透明なままで

嘘混じりの溜め息

嘘混じりの溜め息

  • 韻文詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-05-05

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