赤司君の好きなもの。2
前回の続きです!
よろしくお願いします。
目標
洛山高校。
これから通うことになった高校で、何かやりたいことが見つかればいい、なんて目標をたててみた。
さっきまでは、元気もりもり⭐︎だったのに
「えー…、あなた達がここ、洛山高校に通うからには全てのことにおいて自分自身の力を発揮し(以下略)」
校長先生話長い!!
校長先生が話し始めてから、およそ30分。
まさかこんなに長いとは思ってなかった。
よくみんなは耐えられるものだ。
ひまになったので、
きょろ、と辺りを見渡していると、一人の男の子が目についた。
赤い髪の男の子。
冷たい。
彼に対して、唐突に感じた感情。
なんで1人だけ、来賓席にいるのかな。
なんて思っていると、彼がいきなり立ち上がった。
「生徒会長の不在により、本学校の副会長に挨拶をしていただくことになりました。」
マイクの前で、メガネをかけた先生が言った。
副会長らしき赤い髪の彼は、綺麗に礼をし、紙を広げた。
しばらく見つめていると、急に睡魔が襲ってきてー
彼の声はすごく
心地よくて……
いつの間にか眠ってしまっていた。
「ほんっとに、恥ずかしいわ、お母さん」
「ごめんって、お母さんっ」
「もう、お母さん先に行ってるからね」
あぁ、行っちゃった…。
プリプリ怒りながら体育館を出て行くお母さんを見ていたら、ため息が出た。
私だってすごく恥ずかしいよー。
どうやら、私は入学式の間
寝てしまっていたらしい。
退場の合図に気がつかなかった私は1人だけイスに座ったままで。
慌ててお母さんが起こしに来てくれたらしいけど、
それが更に笑いを起こし…。
はぁー…
私のキラッキラな高校生活のスタートがぁー!
「キラッキラな高校生活って、なにそれ笑」
「へっ…?」
私、口に出てた?
声のした方へ振り返ると、腕を組んで私を見下ろす美人な女の子。
うわぁ…
すっごい美人…
見惚れていると、彼女がフッと笑った。
「あんた、期待しない方がいいよ」
「え?」
「キラッキラな高校生活が、来ると思わない方がいいわよ、ってこと」
えっ!?
この人は初対面なのに、いきなり
なにをいいだすんだ!?
混乱する頭で、彼女に言いかえす。
「な、なんでそんなことが言えるの?」
そう言った私をみて、彼女は一瞬止まり、すぐに笑い出した。
えっ、えっ?
慌てる私。
笑う彼女。
「アタシ、あんたのこと好きだなぁー」
「えっ!?今度は告白ですか!?」
私は女の子となんて、むりむり〜っ。
方を抑える私をみて、更に笑い出した彼女はそのまま私の方に腕を回した。
「アタシ、緑間 爽子。よろしくね!」
「!」
こっ、これは。
友達になろうってことー?!
「私、春山 日向!よっ、よろしくね、でも彼女にはなれないなぁー…なんてっ」
「はぁ?なにいってるの、あんた、それより早く教室いくわよ」
「えっ?」
「あんたとあたし、同じクラスだから」
パチっとウインクをかました、爽子ちゃんにきゅん、ときてしまった。
赤司君の好きなもの。2