誰得コラム 第4回 「一緒にすんな」

第4回目となりました誰得コラム。
今日もなんの役に立つのか分からないコラムにしばしお付き合い頂ければ恐縮です。

さて、今回は日本人が持つ非常に矛盾した考え方についての考察です。
ずばり「個性」

人とは違う自分自身を確立せしめるもの、というのが個性なわけで、子供の頃から「個性を大事に」と教えてもらったことはあると思います。社会に出るとことさらに重要視されるこの個性というもの。私は正直、「個性を大事に」なんて安易に言う人は個性がなにかわかっていないと思っています。
というのも、日本人はこの個性とは相反した「みんなと同じ」という考え方を病的にまでに重要視します。
個性を大事にとのたまいながら、人と違うことを恐れている日本人。
これが矛盾でなくてなんでしょうか?

「究極の個性とは世界の誰にも理解されないことである」

と、偉人さんが残した言葉がありますが、まさに個性というものは究極的に他人には理解されないものです。
とはいえ、世界から孤立して生きるなんて人間の生活とは言えません。
社会的動物とまで言われる人間は、人との繋がりなくして生きてはいけないのです。

はてさて、となるとどうにも難しくなってきます。
個性を大事にすると理解されない。
かといってみんなと同じでは自分がない。
さてどうしたものか?

と、考えてしまう人が多いのですがこの考えに至った時点で間違いなんです。

もう一度ちゃんと考えてみてください。
貴方の代わりに貴方の仕事が出来る人がいるからといって貴方はいらないんですか?
例え結果は同じだったとしても、そこへ至るまでの道のりで貴方が悩んだこと、工夫したこと、見過ごしたこと、何もしなかったこと、その全てが代わりにやってくれた人と同じだと思いますか?
思いませんよね。
つまりはそういうことなんです。
よく、ドラマや小説などで自分が無能だと苦悩する人が「お前の代わりなんていくらでもいる」なんて言われて落ち込んだりするシーンがありますが、確かに仕事の結果という面で代わりをしてくれる人はいるでしょう。
しかし、貴方の代わりが出来る人なんてこの世のどこにもいません。
強くなかろうが、正しくなかろうが、生まれたときから貴方は貴方しかいません。特別です。
自分というものが最初からオンリーワンなのですから「個性」なんてものの考え方がそもそもナンセンスなんです。
人と違うのは当たり前。
むしろ、それを無闇に誇張しようとするから変になるんです。

自分って個性がないなって悩んだことがある人は今一度考えてみてください。
本当に、貴方と同じ人がいますか? と。

誰得コラム 第4回 「一緒にすんな」

誰得コラム 第4回 「一緒にすんな」

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-05-04

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