香水

ブルガリのブラックが通りすぎて
特定の誰かを思い出す

ああ私の傷痕
キスマークだって爪痕だって消えるのに
いつまで経っても消せやしない、香り
勝手に流れ出す記憶

お互いの香水瓶を並べていた棚には空白
私はもう香りをつけなくなった
つける理由がなくなった それだけ

香水

香水

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-05-03

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