変わりつつある空

とくにいみはないのだけれど、さみしいのです


 どうやっても変化をしたがるのが人間と言うものらしく、私も漏れなくその一員になりたがっているようだ
 化粧をしはじめ、ピアスに穴を開け、たくさん洋服を買い、周囲の視線を気にする
 けれど、どうせどこかへ行く予定もないし、誰かと会う予定もない
 自己陶酔? 自己満足?
 どうしても満たされないくせに
 ぽっかりと空いた穴を埋めるように、紅茶を飲んだとしても、焦燥感は消えることなく、風船のように膨れ上がる
 砂糖に群がる蟻のように、なにも考えることなく人生を謳歌できたら、と願わないことはない

 そうやって暗がりに飛び込もうとするたびに思うことは、私がすべて悪いと言うことで
 散らかったものを収束する手立ては分からないし、自分がしたいことはなんであるのか分からない

 ただ、以前できていたことをしなくなり、腐敗していく様を、第三者のように傍観しているのが、たまらなく苦しい
 暑くなってきた日本の海にダイヴして、魚のように泳いでみようか
 いや、明るみはじめた空を、鳥のように羽を伸ばして飛び立ってみるのもよいだろうか
 
 私は人間をやめたいようで、やめたくなくて、やめたくない

変わりつつある空

変わりつつある空

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-05-01

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