Letter #2

あなたへ

手紙を書きました。
だらだら言葉を続けましたが
私はただあなたに愛していると伝えたいだけでした。
一言を表現するために長い文章が必要でした。

そんな話をしたら私のことを不器用だと笑うのでしょうが
私からしたらあなたも十分不器用で
それを血液型のせいにするところなんて如何にもあなたらしい。

私とあなたは端から見ると不思議な関係ですね。
あなたは私のことをどういう存在で見ているのでしょうか。
妹のようですか？それとも背中を押す親ですか？アルバイトですか？仲間？似た者同士？
私の存在をなにかで例えられなければいいと思います。
私との関係をいつまでも名付けられなければいいと思います。

最近はずっと花粉症にやられていますね。
咳が強そうで心配です。
そう言えば、私と初めて会った時、私はあなたがあまりにも咳払いをしていて
すごく嫌な気分だったのです。
だけど毎日のように咳をしているので噎せているのではないか心配になりました。
あなたは体が強くないくせに危機感がないから困ります。
そんなところも仕方がないと笑ってしまう自分にも笑ってしまいます。

私はあなたのことを純粋に愛していると思います。
頼っています。だけどあまりにも私が想像できる行動よりも大胆で上をいくので
いつも少し戸惑います。そして怖く、少し嬉しい気持ちも混ざります。
どんどん歯止めが利かないので、水族館に一緒に行きたくなりました。
動物園でもいいですよ。どちらが好きなのでしょうか。
私はサメとチータが好きなのです。不思議ですか？

私の感情のせいであなたを傷つけていないか心配です。
重荷になっていないか、面倒ではないか
少し不安です。だけどどんな話をしても前向きにしてくれますね。
おかげでどんどん好きになります。困ったなあと少し優越感を持って笑ってください。
眉毛を下げて笑ってください。

あなたは無意識に自己開示をするところがあるので、人を少しは警戒してください。
話をして後悔するのはやめてください。
お酒を飲むのが好きだからと言って、上司の前で飲んで失言するのもやめてください。
しらふに戻ってから失言について責められているところを何度見たかわかりません。

私のことも、いちいち世話をやかなくていいのですよ。
心配になるかもしれませんが、そろそろもたれて動けなくなりそうです。

着信履歴と発信履歴を消していてくださいね。
あなたが勘違いで責められるのは嫌なのです。
私が勝手に好きなだけだと困った顔で奥さんに話してくださいね。
あなたには奥さんが必要で、子供が必要だから、失望させないようにしてください。
毎日美味しいものを食べてください。お酒もいいですが状況判断は大切です。
あんまり頑張りすぎると口から愚痴が溢れていくのでほどほどにしてくださいね。
私は勝手に心配しています。

幸せに日々を過ごしてください。
私と関わることが完全になくなったら、弱音を吐く人が一人減るので少し心配ですが、
一人くらいなら差し支えない、程度の存在ならいいですね。
連絡はいつでもしてください。あわよくば私のことを忘れないでください。私の話なら覚えてくれていることがたまらなく嬉しいのです。いつまでも、職場にいる時にふと思い出す存在になりたいです。
大きな我が儘を許してください。

もう５月になりますね。時というものは無情に過ぎていくものだとどこかの誰かが書いていましたよ。
私もそう思います。残り時間が少ない今の幸せを噛み締めて日々を生きていきます。
前に進んでください。お願いだから幸せになって。私じゃ幸せにしてあげられないから誰かに幸せにしてもらって。人に分けられるくらい幸せになって、私の愛しい人。

愛しています。今も明日も明後日も。