瓢箪から駒が出た話
昔、戦国から江戸の始めの頃、小瀬甫庵という人がいての織田信長の話をかいた。
ついで豊臣秀吉の話も書いて。双方ともに評判になり、本は飛ぶように売れた。
評判になりすぎて書かれた事が定説となり、歴史の理解をずいぶん妨げた。
なぜ妨げたかというと、史実を濃厚に脚色したためである。
鉄砲の三段撃ちや墨俣の一夜城など、本当は無かったようだ。が、面白すぎたために多いに流行って定説になった。
ちょうど、羅貫中の編纂した三国志のような物とおもえば良い。
時代は下って明治維新も終わり、南下するロシアを迎え撃つかたちでロシアと戦争になった。
その時、小瀬甫庵が作り上げた長篠の戦いを参考にして実際に行った人がいる。
迫り来るコサック騎兵にむかって、鉄砲の三段撃ち。つまりは機関銃を撃ちまくった訳だ。
小瀬甫庵の作った嘘話がヒントになって200年だかの時を経て日本を救った事になる。
そう言い切っていいかは微妙だが、そんな風に見ると愉快だなと思う。
瓢箪から駒が出た話