奇妙な悪魔物語
第四話 無法者③
奇妙な悪魔物語 第四話 無法者③
ムーロロ。能力は触れた物を砂に変える。戻すことも可能。自分自身を砂に変えこともできる。
サタナキアは地面を強く蹴り一直線に敵に向かって走った。
するとムーロロはポケットの中に両腕を突っ込んだ。それに警戒をしたサタナキアは足を踏ん張りキューブレーキをかける。ムーロロはポケットから砂を握って取り出した。
[さすがに感がいいなぁ?さすがは魔王の親衛隊だ]
と言い両腕を後ろに大きく振りかぶった。そして勢いよくそれを投げる!
砂を投げたのだ。
普段ならよけないであろう。だが、サタナキアはそれを警戒していた。
すると砂がみるみる無数のナイフに変化した。
[なにッ!]
サタナキアは警戒していたためすぐに壁に隠れた。
ザッザザザッッ!と壁にナイフが突き刺さる音がする。
[ちぃッ!避けられたッ!]
と少し悔しそうにしている。
サタナキアは壁の後ろから今の攻撃を分析していた。今のはあらかじめ砂にしていたナイフを投げて元に戻したのだ。はじめは砂だから何が出るかはやつしかわからない。それに数もだ。
サタナキアがそっと壁から覗くとそこには敵の姿が無くなっていた。
[消えた?........違う、隠れた。必ずいる。こちらを見れる何処かに........]
[................待てよ....?]
とサタナキアはなにかを疑問に感じた。それは砂になった敵はこちらを見る事が可能なのか?それは不可能なのではないか?ならなにでこちらの存在を感じているのだ?
考えれば簡単なことだった。それは振動だ。それに気がついた。
[そうか........振動か....なら、僕の能力を使う時かもね♪]
その頃、ムーロロさっきのいた位置から2メートル右の地位で本当に振動でこちらの場所を探知していた。
[動かねぇなぁ........まだ壁の向こうにいるのか?びびって無駄な作戦でも経ててんのか?ふっ俺の能力は無敵だ....どんなことしようが俺には効かないぜ]
すると、強く地面を蹴る音がした。それは走る音だダッダッダッダッダッダッ!壁の方から真っ直ぐ一直線に走る音。
[やつか!へっ動きやがったか!]
ダッダッダッ!................シーン
急に足音が止んだ。それはムーロロの位置から約1メートルの所だ。そこからはもう何も聞こえない。[止まった........俺を探しているのか?....くっくっく探せ。そして目の前まで来たらナイフで背中からぶっ指してやるッ!]
すると再び足音が聞こえる。
ダッダッダッダッダッダッ!だが不思議なことにその足音は壁の後ろから聞こえたのだ。そしてまた同じ場所で止まった。
[なんだと!?なんだ今の足音はッ!?]
そして再び壁の後ろから同じ場所で足音が繰り返し聞こえる。不思議なことにその足音は一度も壁の方に走る音はしなかった。つまり一人ではありえないのだ
繰り返しきこえる。壁の方から最初に止まった場所にかけてダッダッダッダッダッダッ!ダッダッダッダッダッダッ!
[一人....じゃないのか?........バカなッ!確かにボートにはサタナキア一人のはずッ!なのになんだなんだッ!この足音の数は!!]理解ができない状況に動揺を隠せないムーロロ。
[上では一体何が起きているんだ.....?]
ダッダッダッダッダッダッ!ダッダッダッダッダッダッ!ダッダッダッダッダッダッ!ダッダッダッダッダッダッ!ダッダッダッダッダッダッ!ダッダッダッダッダッダッ!
ムーロロは自問自答をしていた。これは罠だ。敵は一人で何らかの能力でこの理解不能の事態を作り出しているんだ。
ダッダッダッダッダッダッ!ダッダッダッダッダッダッ!ダッダッダッダッ.........。
急に足音が止んだ。そこからはもう足音が聞こえない。
[何故止まる........!?]
その時、ムーロロは我慢の限界におちいった。そして砂から姿を現した。そして辺りをチラチラ。そこにはサタナキアが一人、目の前にたたずんでいた。
[やっぱりテメェ一人かよ........]
サタナキアはニヤリと笑った。それを見てムーロロは激昂した。
[何笑ってやがんだッ!俺を見つけたからって調子にのってんじゃねぇーぞッ!!]その表情は明らかに切れている
するとその態度と違い冷静な、そしてにやけた顔でサタナキアは言った
[別に、僕は君を見つけてないし勝手に出てきたのは君だよ。間抜けなら見つけたよ]
それを聞いたムーロロの表情は動揺に汗が流れ、怒りに歯を食い縛っている。そして足下の砂をナイフに戻してサタナキアに斬りかかった!
だが、サタナキアは微動だにしなかった。ただ冷たい目でその迫り来るナイフの刃の先を見つめている。その行動に一瞬ムーロロは怯むが構わずナイフを振りかざした。
サタナキアはついに目をつぶった。そしてナイフがサタナキアの顔に突き刺さるッ!と思った瞬間。ナイフは砂になった。サタナキアの顔に砂がかかる。
これはムーロロの意思ではない。ナイフが勝手に砂に変わったのだ。そして動揺したその一瞬の隙を見逃さなかったサタナキア。鋭い直線の右パンチをムーロロ目掛けて放った。一瞬反応の遅れたムーロロは自分を砂にするのに遅れ、サタナキアのパンチがムーロロの顔面にめり込んだら!そして休む暇もなくパンチをラッシュした!叫びと共に
[SCAaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaッ! ]そして殴り抜け、捨て台詞を吐き捨てた。
[ungracefully Scatter(不様に散れ)]
ムーロロは投げ飛ばされ、操縦室の窓ガラスを突き破り椅子に叩きつけられた。
そして椅子に座ったまま気絶した。 それと同時に砂になったみんなが元に戻る。
ルキフグスを含め他の二人も何が起きたかわからない様子だ
【ムーロロ、リタイア】
そしてムーロロの突き破ったガラスの前に立った。
ムーロロは目を覚ました。そして虚な表情で
[何故だ....何をした....?何故....砂に....?]
その表情を見てサタナキアはニヤリと笑い言った。[僕の能力は物質に何かを記憶させる]
[君がさっき僕を刺すのに使ったナイフは君が最初に僕に投げたナイフ。そのナイフは君の能力により砂になる事を記憶した。]
それを聞いたムーロロは信じられなそうな顔をした。だが、すぐに自分の敗北を悟った。
[............................。]
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