僕はしろたん

マザーガーデンのしろたんが好きで好きでしょうがなく、
オリジナルでストーリーが書きたくなってやってしまいました!

はじまり

僕はしろたん

真っ白な毛が自慢なアザラシ

僕はしろたん

人の言葉がわかる、人間と仲良くなりたいと思っているアザラシ

僕は今日、ずっと住んでいる海を出て、
人の住む街にやってきた

もちろん人間のお友達を探すためだ

ずっとずっと人と仲良くなるのが
夢だったけど、お父さんやお母さんにダメだと言われてガマンしていた

けど、やっぱりガマン出来なくて
街に来ちゃった

初めての街にドキドキ

ちょうど月日も冬の季節のようだし、
暑がりな僕でもちょうどいいから嬉しい

ただ、移動に関しては海では速いけど、地上では
のそのそ這わないといけないから
アザラシの僕には一苦労だよ

街を見て回っていると、空き地に
人間の子供たちを見つけた

あの子たち、僕と遊んでくれないかなぁ

ちょっと期待しながら、
その子達の元に近づいてみる

「ん?なんだあれ?」

「ぬいぐるみ?みんな、なんかいるぞー」

気づいてもらえた!遊んでくれるかな?

子供たちは僕の周りに集まった

「なんだろこいつー?」

ベシベシッ

痛ッ!叩いたら痛いよ

「キュー!」

「キューだって!面白いなコイツ!!」

むにゅー

「コイツ、すっごい顔伸びるよ」

そんな顔を引っ張ったら痛いよぉ!

僕に興味を持ったのか、
子供たちは僕を叩いたり、つねったり
して遊び始めた

だんだんその叩いたりするのは強さを増していき、
他にはなんだか黒い棒で顔をこすられた

あまりに強く叩かれたりするものだから、
耐えられなくなって思わず逃げ出した

「キュー!!」

「あっ、逃げたぞ!追えー!!」

「キューーーー!!!!」

逃げるのが遅かった僕だけど、木で出来た壁に
ちょうど小さな穴があったので、
そこに入ってなんとか逃げ出すことが出来た

あー、痛かったなぁ

僕はただ、遊びたかっただけなのに

思っていたより人間と仲良くなるのは難しいらしい

ちょっとしょんぼり

人の少ない道でも歩こうかな

僕は塀の上になんとかよじ登り、
よちよち進み出す

ふと、道に何か立っているのを見つけた

それは細長い棒に上の方が薄っぺらい丸いもので
見ると、そこには白いものが映っている

不思議に思い、じーっと見つめる

これは僕か

自分が映っていると思うと面白い

おもむろに右手を挙げてみたり、
パタパターって両手をしてみたり

両手で両頬をむぎゅーって潰してみたり、
それをその映っているのが、同じ動きをしているからたまらなく楽しい

そして、なんだか目の上に黒くて太く
マユゲが書かれてるのに気づいた

さっき子供たちにやられたのはこれか

ひどいことするなぁ

ちょっと悲しくなったりしたけど、
もう一度むぎゅーってやったら、
自分の顔が面白くて元気が出た

もっと色んなものを発見したいなぁ

そんなこんなで僕の探検が始まった

海では見たことない物

海では見たことない動物

沢山の初めてがそこにはいーっぱい

それを見ているだけで僕はワクワクがとまらない

あちこち探検していると、途中で赤い屋根のお家をを見つけた

出会い

綺麗な屋根のお家だなぁ

どんな人が住んでるんだろ?

窓の方によじ登ってみる

そこには人間の子供が寝転がっていた

まだ昼間なのになんで寝てるんだろう?

お昼寝かな?

でも目は開いてるみたい

その人間の子は寝ながらずっと本を読んでる様子

とてもその子のことが気になって
じーっと見つめてみた

ジーッ

むにー!

思い切り見すぎて、窓に顔がべったり

それに気づいたのか、その子がこっちを見て
思わず目があった

「うわっ、なんだコイツ!!?」

あっ、みつかっちゃった

「キュー」

「アザラシなのか?なんでこんなとこにいるんだろ?」

ねー、遊ぼ♪遊ぼ♪

「キューキュー」

「あーもううるせーな!あっちいけ!!」

バンッ!!

窓に思い切り本を叩きつける

「キュー!!!!」

ビックリして僕は逃げ出した

あー、恐かった

いきなり物を投げられたからびっくりしたよ

でも・・・・

あの子と仲良くなってみたいなぁ

きっかけはサカナ

僕はその次の日からその子供の家に通うようになった

特に話しかけたりはしない

こっそり窓のそばまで行って
どういう子なのか聞く耳を立てる

実際、話しかけたりしないのではなく、
初対面で物を投げられたのが恐くて、
しないというよりもできないだけなのだけどね

ひっそり見ていて、分かったこと

その子はタカシ君という名前で、
学校にはなんだか行かないで、
ずっとベッドの上で寝ている

どうやらなにか病気のようだ

タカシ君のお母さんは毎日、
タカシ君の様子をこまめに気にしている

タカシ君はというと、なんだか
ずっとただ本を読んでるくらいで
あとはムスっと恐い顔のまま

僕にも何か出来ることはないであろうか

「タカシ、またご飯残したでしょ!そんなんじゃ
絶対に良くならないわよ!」

「うるさいな!食べたくねーんだよ!!」

「栄養のあるもの食べれば良くなるんだからちゃんと食べなさい」

栄養のあるものを食べるとタカシ君の病気は良くなるの?
それなら僕にも力になれる!

アザラシはなにかをひらめき、
その日は海に帰った


~その次の日~

ペチペチ

タカシ君の部屋の窓に
なにかが当たる音がした

「ん?なんだ?」

見ると、前に追い返したはずのアザラシが窓を叩いてノックしているのだ

「おまえ!!なにまた来てるんだよ!!?」

バンッ!

以前と同じように本を窓に叩きつける

「キュー!!!」

驚いたアザラシはなにかを口から落とし、
それを口に戻してからすごい勢いで逃げていった

「アイツ、なにかくわえてやがったな。なんなんだいったい」

それから次の日も、そのまた次の日も
アザラシはタカシ君の部屋の窓をノックしつづけた

そのたびにタカシ君は本を叩きつけて
追い返している

そして毎回、アザラシは必ずなにかを口にくわえているのだ

流石にタカシ君もそれが気になり始めた

そのまた次の日

いつものようにタカシ君の部屋の窓をノックする

ペチペチ

ノックした瞬間にいつ本を叩きつけられてもいいように
耳を軽くふさいで、目も少し瞑る

・・・・あれ?何もされない?

目を開けるとタカシ君が窓の近くまで寄ってくれていた

そして驚くことに窓を開けてくれたのだ

「お前、毎日しつこいんだよ、面倒だからもう入ってこい」

その言葉にびっくりして思わずその場で固まってしまう

「おい!早くはいれ!!」

「キュッ!?」

迫力に押されてつい勢いで部屋の中に入る

タカシ君はベッドの上に座り、
僕は床の上でタカシ君と向かい合う

「お前、毎日なんで俺んちにくるんだ・・・てか何をくわえてやがる?」

よーく見るとそれは

「うわっ!それ魚じゃねーかよ!!」

ペッ

アザラシは魚を差し出すかのように吐き出す

その魚には無数の歯型とよだれがついていた

「汚ッ!!!出すなこら!!」

そういうタカシ君に対して、
アザラシはお構いなしに魚をずいずい押してくる

「食べろっていうのか?いや、いらねーよ」

ズイズイ

「こんなよだれまみれにするくらい食べたいならお前が食べろって」

ジーッ

「な、なんだよ」

「モキュ!」

突然、アザラシは両手で両頬をギュッと押した

「え?なんなの!?」

ギュッとしたまま、アザラシはなぜか誇らしげな顔でジッとこちらを見ている

「ホントなんな・・『ぐぎゅうゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!』

「今のなにッ!?え?お前のお腹の音・・・てか、ホントに腹の音なのか!!?」

コクリッ

「もー、お前がこれ食べろよ」

ジーッ

「俺はいらないんだってば。魚きらいやし」

ジーッ

「見るなって」

ジーッ

「あーもー。・・・・母さん!ちょっとこの魚焼いてー!!」

「ちょっと!なにこの魚!!?」

「いいから焼いてくれってば!!あと俺の部屋で食べるから」


「とりあえずお前はこれで隠れてろ!」

「もぎゅ!」

顔に思い切り布団をぶつけられた

そして数十分後

パクッ

「ほら、俺は一口食べたからあとはお前が食べろ!」

ジュルリ

「早く食べろよ」

「キュー♪」

パクッ

「腹減ってるんなら最初から食えよな。変なやつ・・・」

魚を食べ終え、僕は満足し、
そろそろ海に帰ろうかと思ったとき

「暇だし、また来いよ…」

その言葉が聞けて僕はすごく嬉しくなった

僕はしろたん

僕はしろたん

白くてふわっふわのアザラシ。 読んでみて、しろたんのことを好きなってもらえたら 最高に嬉しいです。 アザラシは本当にカワイイものですよ

  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2011-11-30

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  1. はじまり
  2. 出会い
  3. きっかけはサカナ