ヴァンパイア✞ストーリー оNo.1о
「……嘘でしょぉ」
「まぁ、俺様の実力ってとこ…痛ってぇな!」
「あんたはとりあえず黙れッ」
「…まじあんた女かよ」
…この発言はスルーしよう。
今二人がいるのは少女の部屋。
ピンクが基調で女の子らしい。
その部屋の真ん中に二人は座っていた。
「…まじで住むことになろうとは…」
「だから後悔するなよって言ったじゃねぇか」
昨晩の会話はこうだ。
『あらまぁいけめんじゃないッ
全然いいわよ。これからよろしくね』
『ちょ、ちょっと待て、いくら格好良くても許すわけには…ッ』
『あなたは黙ってなさい』
『ぁ、はい…』
(なんでお母さん許すかなぁ。それにお父さんももっと強く言ってくれればよかったのにッ!)
親が賛成してしまったため男は住むことになってしまった。(主に母)
無性にイラついた少女は手近にあったクッションを投げようと持ち上げるが、
「ぇ……?」
確かに手に取ったはずなのに、クッションは元の場所に戻っていた。
反射的に男を見る。
「……」
「……」
(な、なにあのドヤ顔…!!)
男は不敵に笑っていた。
「……ねぇ、いい加減あなたの正体教えてよ」
「おぅ、名前も知らねーのに急にそこいくか」
「名前とかどーでもいいからッ」
「まあまぁそうかっかせずにまずは自己紹介しようぜ」
「むうう――」
不服ながらも、確かに名前を知らないのは不便だ。
「…私は平井 月子(ひらい つきこ)。高2」
「俺は陽斗(ようと)だ」
男…陽斗は、月子に向って首を傾げる。
「で、聞きたいのはなんだ?」
「あなたの正体」
「うぉ、ストレートにくるなぁ」
「もぅそういうのいいから早く教えてッ」
そういうものの陽斗はいまだへらへら笑っている。
(こいつむっかつく…!!)
月子は怒りを覚えながらも、なんとか抑える。
「じゃぁ、何だと思う?」
「はぁ…?」
(んなのわかるわけないでしょ…)
陽斗は無理難題を押し付ける。
「もおぉ教えなさいよこの鬼畜野郎ッ」
「あぁ…?」
「ひッ」
急に陽斗の顔つきが変わる。
…ものすごい形相だ。
(うわぁ、今の禁止ワードだったのか…)
そう思ったがもう遅し。
「てめぇ、もう一回言ってみろやあぁん?」
「すすすすいませんっしたあぁぁぁぁぁあ」
ものすごい勢いで土下座する。
(ふえぇ危険人物怒らしちゃったよおぉぉぉ)
「……」
「……(ちらっ)」
「あぁん?」
「ごごごごめんなさいいいぃぃ」
少し様子をうかがおうと上を見てみたら、ものすごい憤怒の表情で見降ろされた。
「……………………まぁ、」
(今の間はなにッ!?)
「そこまで怒ってねぇけど、もう一度言う。
言葉遣いには気をつけろ」
「………はい、」
“言葉遣いには気をつけろ”
(常に脳内にしまっておこう…)
「もぅ顔あげろ」
「は、はい」
そろそろと頭をあげてみると、陽斗は別に怒った風もなく、平然としていた。
「で、その、陽斗の正体というのは…」
「あぁ、当ててみろ」
「えええ無理ですって」
「えーめんどい…」
「めんどいってないでしょそれはッ
言うだけじゃんッ」
「あぁそうですか、じゃぁ言うぞ」
「は、はい」
その場に、緊張した空気が漂う(主に月子)
「ヴァンパイア…だ」
「……………………はい?」
思わず間抜けな声が出る。
「お前、変な顔…ッ」
陽斗が顔を見て笑ってくるが、月子はフリーズ状態。
口をパクパクさせ、絶句している。
「金魚みてー」
それを見てさらに笑う。
「まぁ、俺風呂入ってくる」
そう言って部屋を出て行った。
____かくして、少女とヴァンパイアの物語が始まる…。
ヴァンパイア✞ストーリー оNo.1о
ここまで読んでくれた方感謝感激ですッ
最初のほうはほのぼのとやって行こうと思っているので、これから先も読んでいただけると嬉しいですm(__)mぺこっ