- キセキノココロ -
この物語は"ココロ"を求めて数百年生き続けたロボットのお話です。
ロボットが"ココロ"を求めるのは少し変わったお話です。
ですが、自分を生んでくれた人が最後まで自分に教えてくれた
"ココロ"を手に入れる為に色々な体験をしていきます。
割と感動もの目指します!←
- キセキノハジマリ -
「やっと…できた!」
一人の男が15年もの月日をかけてようやく完成した"一つ"…
いや、これは"一人"と言っていいであろう。
―――――――――――蒼い髪、色白で透き通るような肌、整った顔。
彼、杉枝 南於(スギエ ナオ)は高校2年の時からずっとこの超最新型ロボット『SN0-16』を作ってきた。
見た目は高校生くらいの女の子。
100人に聞いても100人が人間と答えるであろう素晴らしいできである。
「あれからもう15年か…俺ももう32歳。…俺、頑張ったな!」
南於は一人部屋で、ぐーっと伸びをして椅子に腰かけた。
広い部屋には南於と先ほど完成したばかりのロボット SN0-16 の二人だけ。
静まり返った部屋で何か起こるわけでもなく少しの沈黙が流れる。
南於はロボットをじっと見つめガタンッと椅子から立ち上がりロボットに近づいた。
そしてロボットの額に手をかざすと…
「…ギーッ…カタンッ…起動…開始」
と、言ってロボットが目を開けた。
「初めまして、俺が君の生みの親、杉枝 南於だよ。よろしくね。」
ロボットに話しかけた南於と目をぱちぱちさせながら南於を見るロボット。
「…南…於…認識完了。…私は…私は…誰?」
ロボットは首をかしげた。
確かにこのロボットには『SN0-16』と言ったゴツイ名前しかついていない。
と言うよりも起動したばかりだから自分を知らなくて当然。
「君の名前は…えーと…考えてなかったな…。」
南於はボソボソと言いながら名前を考え始め数分してからぱっとひらめいたように
「…君の名前は"セナ"、"セナ"だよ!」
「セ…ナ…?…私は…セナ、こちらこそよろしくお願いします。」
「よろしくセナ」
――――――――――――――――――――――――――こうして南於とセナの物語が始まった
【next→】
- キセキノココロ -